結婚
ヨハネスとアリアの新婚生活が書きたくなり追加しました。ただイチャイチャしているだけです。
ヨハネスとアリアは卒業をすると直ぐに結婚式を挙げた。侯爵家同士なので王都の大聖堂で華々しく執り行われた。アリアは真っ白なレースをふんだんに使ったものを両家の母親たちが準備していた。ベールの上にはダイヤモンドのティアラがキラキラと輝いていた。ネックレスもイヤリングもダイヤモンドである。
ヨハネスの白の正装には金色の蔦の刺繍がしてあった。ダイヤモンドのピアスが端正な顔を引き立てていた。
その瞳は甘くアリアしか映していない。
二人はこれからヨハネスの邸の敷地に建てられた新しい屋敷で暮らすことになっている。アリアは子供の時から仕えてくれている侍女を二人連れてきた。
マッサージとメイクの達人であり、何より安心の出来る侍女達だった。
結婚式の後アリアはパーティを途中で抜け出し侍女達に磨かれていた。朝から磨かれているのにまだ磨くのと思ったが、侍女たちの必死な形相に何も言わないでおいた。
丁寧に湯船で洗われ、髪を乾かされ全身のマーッサージに始まり顔のリフトアップをされたうえで。薄く化粧をされた。
そして薄い寝巻きを着せられたのである。
連れて行かれた部屋は主賓室だろう。大きな天蓋付きのベッドが部屋を占めており化粧台とソファーが置かれれているだけの部屋だった。
香りの良いアロマキャンドルがところどころに置かれ薄暗い。レモンの入った水とワインが用意されていた。
朝から殆ど食べていないアリアのために軽食が用意されていた。
ヨハネスが来る前に少し摘むことにした。食べるとお腹も気持ちも落ち着いた。
ガウンを羽織りソファーに座って待っているとシャワーを浴びたのか髪が濡れたままのヨハネスがやってきて横に座った。タオルで髪を拭いているところも格好いい。シャンプーのいい香りがする。
「朝早くからお疲れ様。これからが本番だけど大丈夫?」
「もう、ヨハネスの意地悪」
胸板を叩いたがびくともしなかった。
「僕のところへ来てくれてありがとう、幸せになろうね、愛しているよ」
手首を掴まれ、動きを取れなくされた。熱を持ったヨハネスの瞳に身体が熱くなってきた。整いすぎた顔が近づいてきて唇を塞がれた。
「この日をどんなに待っていたことか分からないよ」
指先から耳を攻められ額、頬、瞼、唇 アリアの思考はヨハネスの色気に太刀打ちできなかった。足の指まで舐められてアリアは気を失ってしまった。
暫くして目を開けるとヨハネスが見つめていた。
「酷いな、僕を置いてきぼりにするなんて、朝までこのままかと思ったよ」
「ごめんなさい、刺激が強すぎて」
「普通の夫婦ならみんなやっていることだよ、慣れようね。アリアの裸も我慢して見ないようにしたんだよ。ご褒美を頂戴」
そう言うと薄い寝巻きをさっと脱がせた。
「綺麗だよ、女神の化身のようだ。僕だけのアリア愛し尽くしていい?」
アリアは頷くしかなかった。自分も愛されたいと思っていたから。
1週間の蜜月が終わりヨハネスは仕方なく魔術師団に行った。散々離れたくないとごねていたが、転移魔法で往復できると気付いたのでさっさと仕事を片付けて帰ってくることにしたらしい。
朝の見送りのキスとお帰りのキスは元気の源だからとねだられた。使用人一同が見ている中でするのは恥ずかしいが、しないと仕事にいかないとごねるのでやっている。使用人たちの生暖かい視線が辛いアリアである。
アリアはヨハネスの職場へ差し入れを沢山作り持っていくことにした。どんなところで働いているか興味があったのである。
具沢山のサンドイッチと焼き菓子を大きな籠に入れ、ヨハネスの転移魔法の道で研究室に行った。
研究室の中は魔道具が溢れていた。そこに完璧な美女が現れたのである。ヨハネスはもちろん部下が驚いた。
「差し入れをお持ちしました。これ皆様で召し上がってくださいね」
研究室の空気が一瞬、冷たいものになった。原因はヨハネスしかいないと思ったアリアは
「ここに来てはいけなかったの?」
と悲しそうに聞いた。
「僕以外に君の料理を食べさせるなんて問題が大有りだろう」
「貴方の職場をみたかったのよ、ただそれだけだったのに」
とさらに悲しそうな顔をした。
それを見ていた部下たちは
「奥様のお心遣いありがたく頂きます」
と必死のフォローをした。
ハバミネロ魔術師団長の奥様は女神のように美しいという噂はあっという間に広まった。ヨハネスは留学のことで国に貸しを作り師団長になっていたのだ。
二年後二人の元には可愛い男の子が生まれた。魔力がどのくらいなのかまだわからないが、愛情いっぱいに育てたいと思っている。
子供が出来てもヨハネスの愛妻家ぶりは変わらない。息子と取り合うくらいだ。大人げないと思うがそれも嬉しいアリアである。
兄達と義弟は甥可愛さでしょっちゅう顔を見にやって来ていた。
上の兄には縁談がひっきりなしに来ているようだ。乗り気ではなさそうだが幸せになって欲しいと願っていた。
下の兄は騎士団に見学に来る令嬢からモテているらしく当分結婚をするつもりは無さそうだ。
家のためにもあまり浮名を流さないでねとアリアは上目遣いでお願いしてみた。
効果は抜群で「うっ」と詰まったきり「善処しよう」と言ってくれた兄を優しいままだと安心したのだった。
誤字脱字報告いつもありがとうございます。
見直して変なところがあり編集したついでに、短くなりましたが新婚編を追加しました。