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埋めてくれなくていい

作者: つきみ

 ずっと、穴を掘っていた。


 穴は3つあった。

その内二つはいつの間にか埋められた。

なんなら埋まった後、能天気に花が咲いている元穴まであった。

でも、一つの穴だけはずっとずっと、底なしに深くなっていた。

最初に掘ったのはあのひと。

でもそのあとはずっと、自分で頑なに堀りつづけた。

何人か埋めに来ようとしたけれど、私はずっと許さなかった。

だってその人たちが、今以上に深い穴を掘らない確証なんてないから。

むしろ、穴を増やしていくかもしれないから。


 でもちゃんと本当は苦しかった。

いつか、このぽっかりあいた穴を埋めてくれる人が現れるんじゃないかって願う一方で、恐怖が勝って私は穴なんてまず存在すらしていないように取り繕った。


穴はもう誰も埋めてくれない。

私はもうずっと掘り続けるしかない。


初めに掘ったあなたはどこにいるのですか。

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