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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

真夜中のアイ

作者: 紫苑

トレーニングで書きました。

――諜報員は、幾人もの人を殺す。




相手から流れる血を足で踏みつけ、シュファは銃を懐にしまう。ザザッ、と無線から流れる雑音が、夜闇に響いて。

中年くらいの男、上司の声が、ノイズとともに流れた。


『〈ヴェロニカ〉、戻れ。奴の援軍がじきにくる。機密情報はすでにメッセンジャーから受け取っているから、敵が来る前に逃亡しろ。ケーズル川で落ち合おう』


ぶちり、と無線を勝手に切る。どうせこの男なら、幾度となく掛けてくるのだろうが。

無線を切り、それを屋根の上から放り投げる。眼下、気が遠くなるほど高いその場所で、シュファ――コードネーム、〈ヴェロニカ〉は溜息をついた。


「一、二、三……」


優しく口遊む。


「四、五、六」


今宵、彼女の足元に転がる死体は自国に潜んでいた、敵国の諜報員のもの。

巨軀な男だったが、〈ヴェロニカ〉には歯が立たなかった。足元にすら、及ばないほどに。


彼女は諜報員としての天才だった。

類稀なる戦闘能力、状況判断、敵地潜入能力。

若き才媛と謳われる、女スパイ。それが〈ヴェロニカ〉。


元々孤児であった彼女には守るべき人もなく、それが彼女にとっての強みでもあった。

だって、人質を取られずに済む。


幾度となく仲間を見殺し、或いは裏切った者は殺して、生き永らえてきた彼女である。今更、失うものなどない。


「百、二百、三百」


単位が百に変わってゆく。


「五百、六百、七百」


あたりにけたたましい音が響いて、それが敵スパイであると知った。そりゃあ、屋根の上から銃声が聞こえれば不審に思うだろう。

足元の男の仲間だと推測する。


「八百、九百、――千」


感慨深く、シュファは呟いた。

言いたかった、ずっと。千、を。


『〈ヴェロニカ〉! 敵が接近中! 早急に逃走を開始しろ!』

「ねえ、〈ビア〉」


相手の名を呼ぶ。コードネームを。


「私、ずっと、待ってた。この時、ずっと」

『〈ヴェロニカ〉――っ! 何のことか知らないが、地獄の使者と呼ばれた君なら、この状況が分かるだろう!』

「そう。私、地獄、行きたいの」


地獄の使者。


それが、若き才媛と呼ばれる〈ヴェロニカ〉の異名。

元々その二つ名は、彼女の師匠のものだった。彼が死に、いっとき失われたかと思われたその名は、弟子に受け継がれる。


「師匠に、会いたいから」


千人殺したら、必ず地獄に逝く。

彼女の故国――メーザ帝国の言い伝え。



回想する。

彼女が彼に最初に会ったのは、何年前だったか――。



◆◆◆



メーザ帝国。


昨今、敵国の諜報員により情報が流出し、情勢が危うくなっている国。貧困に喘ぐ人々は増え、それでもまだ皇族たちは搾取することばかりの国で。



彼女は一人だった。



幼い頃から。

ずっとずっと、ずっと一人。


貧民街に住まい、という名のホームレス。

生まれてすぐに両親に棄てられた孤児。


それでもなぜか、無駄に聡明で。無駄に強くて。


誰も生き残れない地獄で、彼女は生きていた。


慈善活動だと領主が字を教えれば、古代の文を解読できるくらいに、彼女は賢かったと同時に、恐れられた。

なるべく集団で活動していたはずのその貧民たちから外れて暮らしていた。


道ゆく人の食糧を奪い、生き残って。

何人傷つけたか分からない、生きる意味も見つからない。そんな時、彼に出会った。


良い服を着た、黒ずくめの。

――絶対に金銭はあるだろう。あれを売ったら、何日暮らせるだろうか。


遊んで暮らせるはずだ。きっと。

その遊びが貴族層からしたら笑う程度のものなのだろうが、そんなこと一切関係がなかった。


生きられれば、それで。


しかし、彼をターゲットに定めた次の瞬間、彼女は負けていた。


驚くべき、神業だった。


どうやったのか、どうして分かったのか、その何一つが分からなかった。

そして彼は言った。


「なかなかやるな。だが、まだ力量不足だ」

「――くっ」


足で抑えられ、傷付いた四肢はもう動かない。

殺されると本能で感じ、暴れようにも動きが封じられる。

彼も、――否、彼は神童だった。


「任務で来たが……これは良い人材を見つけた。お前、俺と来い」

「いや……っ」


抗っても抗ってもなお、彼は諦めなかった。

引きずられるように、歩かされる。

苦悶の声が漏れた。


「諜報員は基本、感情は表に出さないがな……」

「や、め……て」

「あー、えっと――お前、じゃダメか。君? 違うな。名前……なんてないか」


黒髪の彼は少し頬を掻いた後、


「シュファ、でいいか」


辿々しく、名前をつけた。

先程の手荒い勧誘とは打って変わって、優しい声音。

怖がるような子供に見えた。


思わず唖然としていると、彼は視線を合わせてくる。

といっても、彼女が異常なまでに小さいだけで年齢はほぼ同じといった容姿だ。


「シュ、ファ」

「…………」

「言葉、分かるか?」

「……りょう、しゅ、さま」

「え?」


聞き返す。


「まえ、おしえて、もらった」

「領主にか?」

「じ、ぜん、か、つどう」

「なるほどな」


こくりと頷く。

そして思い出したようにまた、抵抗を始めた。


「うっ」


だがもう遅い。とっくに関節技が決められていた。


「ふっ、油断は諜報員にとって禁物だぞ、シュファ」

「はな、せっ」

「嫌か」

「いや」


とんだ人に手を出したと後悔した。

早く逃げなくては。早く。


「む。なら、衣食住を提供する。どうだ?」


しばし瞬いた。

次いで、言葉を紡ぐ。


「い、しょくじゅ、う」

「分かるか」

「わかる。でも、そのかわり、しぬ」

「かもな」


平然と言い放つ彼に、いっそ感心を覚えた。

近年情勢が悪くなりつつある帝国内は、暴漢、強盗、敵国のスパイがのさばっている。そんな中で女子供が生き残るのは大変だ。


「お前はその中で生き残っている。お前は強い。そうは死なんだろう。こちらも早々手放すのは惜しい」

「あ、なたは、なんで、そんなこと、してる?」

「――生き甲斐、というか、生きる意味がそれしかないからな」

「それ、つよい、りゆう、ちがう」

「そうだな。……頭が良さそうだ。司令室に入るか?」


頭脳明晰だ、と黒髪を揺らして。

ただ、と彼は息を吐く。


「人間、生きる意味がなくなるほどに怖いことはない。生きるという執念があれば基本、なんでもできてしまうんだ。生存意義、生きる意味というのはそれだけ、重要なことだ。俺について来れば、それを与えてやる。これだけは、誓える」

「いきる、いみ?」

「ああ」


不思議なひとだと思った。

どこか寂しげなひと。

辛そうなひと。


「シュファ、お前にそれを」


与えてやる。


「そうすればもっと、お前は強くなれる」

「つよ、く」


頷いた彼は、掴んでいた彼女の腕を離す。

逃げられるのに、彼女は逃げなかった。


強くなれる、与えてやる。

その言葉を反芻し、甘美なその言葉に囚われていた。


惹きつけられたようにそこから動けず、彼の黒い双眸を眺めて。

綺麗なくろいろ、ぶらっく。


銀髪赤眼の彼女とは違う、綺麗な黒曜石色。


「つよく、なったら」

「さぁな。でも大切なものは、守れる。お前が手にするその生きる意味を、守れる。不思議だろ? 生存意義は自分を強くして、その強さでそれを守るんだ」

「ま、もる」

「お前が幸せになれる、とは言わないが。ここにいて、何か大切なものを守れるなら、そうしろ。無理にとは言わないさ」


まあ俺は来て欲しいけど、とさっきまで掴んでいた彼女の腕を摩る。


「俺はお前にスパイになって欲しい。そのために、衣食住と、お前の核。それをやる。俺に出せるのはそれだけだ」


彼は、無理に連れて行こうとしたわけじゃない。交渉の場に持ち込んだだけだ。こんな、か弱い少女のために。


彼女は、髪を弄って瞑目した。


「どうする?」


彼が手を、差し出す。

なぜだろう、一生涯、この時のことは鮮明に覚えている。

薄汚い子供に与えられた、選択肢。


人生の転換期、とはこのことを言うのだろう。

人は誰しも、必ず変わる。だから。


「わたし、おまえ、じゃない。シュファ」


彼の付けた名を受け入れた。





その日から彼女は、シュファになった。



◆◆◆



「シュファ」

「なに、師匠」

「珈琲を淹れてくれ」

「自分で入れて」

「痛っ!? お前、ナイフの柄で師匠を殴るなよ……」

「自業自得」


あれから一年が経っていた。

養成学校を卒業した彼女――シュファは、師匠でありあの日の彼――セレンと暮らしていた。もう、ひとりではなかった。


「セレンって、女性名」

「知ってる。俺が一番な……。傷口に塩を塗るな」

「でも、私、好き」

「セレンっていう名が?」


む、と頬を膨らませる。

鈍感。


「師匠が」


柄に合わず頬を染めた師匠に、また制裁を下す。


「痛ぁ!」


この光景ももう、見慣れていた。

そして。


「人は千人殺したら地獄に行くそうだ」 


この会話も、毎度のこと。


「一人殺したら、じゃないの?」

「この帝国じゃそうなんだよ。そう言い伝えられてる。俺は一体、何人殺したんだろうな。これじゃ、地獄行きかもな」

「縁起でもない。師匠、まだ色仕掛け現役」

「そうか? 俺がまだ十八だからじゃないか?」

「私、十六」


セレンは大層に綺麗な顔つきをしていた。街でよく言い寄られている姿を見る。そしてそれと同じくらい、シュファも綺麗だった。


「師匠。私、かわいい?」

「そういうのは好きな奴に言ってもらえ」

「師匠のバカ」

「なぜ俺は罵られてるんだ……?」


シュファの気持ちに、セレンは気づいてくれなかったけれど。

二人で暮らす隠れ家は、とても輝いていて。

夢のような、そんな生活だった。


「師匠、上層部から。また任務」


そして任務に出る。

夜は活動することの方が多かったが、でも。


「よし。これが終わったらアイス、奢ってやる」

「それより、私、お酒、飲みたい」

「未成年飲酒反対なんだが」

「師匠のケチ」

「シュファ、お前言うようになったな……!」


そんなふうに会話して、他愛もないことで笑って。

やっぱり一番、幸せだった。







師匠、セレンのコードネームは〈サタン〉だった。その通り、地獄の使者という異名が世に流れた。

天才的な彼の任務達成率は過去の記録をゆうに超え、まさしく完璧なスパイだと目された。


それを聞くたびに、シュファは幸せな気持ちになった。

嬉しいような、やはりというような、そんな気持ち。


師匠が誇らしく。

だがセレンはそう嬉しくもなさそうに微笑していた。

それよりも、


「シュファ、人を殺したら手を洗え」


セレンは毎回そう言っていた。

服を着替えるより、シャワーを浴びるより、まず。


「分かった」


手を洗う。

悪い汚れを落とすように。穢れを祓うように。罪を悔い改めるように。

そしてシュファは従順に守っていた。


任務というのは当然、暗殺任務も付き纏う。切っても切り離せないのが、殺すということだった。


セレンもシュファも、殺人に忌避感を示さなかったが、セレンはシュファが殺人を犯すことを露骨に嫌がった。

毎度の如く、こう言う。


「ごめんな。殺させたく、なかったんだが」


不甲斐ない、とばかりにそう言うセレンが、シュファは嫌いだった。

いつもいつも。同じことばかり言ってと。

一回怒ると、彼は驚いたように瞠目して、笑った。


くしゃりと、柔らかい微笑み。

シュファにはそれが、自分にしか見せない涙に見えた。


「私、師匠のためなら、なんでも、する」


それはシュファの口癖だった。

歪なまでの二人の絆は、固かった。堅固だった。


「シュファはもう、生きる意味、見つかったか」


セレンがそう言うと、シュファは答える。


「師匠が、生きる意味」


と。


それに納得しないような顔をしていたが、セレンは否定しなかった。彼の中でもまた、シュファが生きる意味になっていたからだ。



◆◆◆



敵スパイに包囲され、セレンが亡くなった時もまた、シュファにとっては鮮明に覚えるべき記憶だった。






彼女を庇って傷を負い、もう治すことができないと悟ったセレンはシュファに言った。生きてくれ、と。


「嫌だ、師匠、師匠……っ! 私、も、逝く!」

「ダメだ、シュファ。ダメなんだ……」

「違う、もっと、もっと!」

「もう無理だよ」

「嫌! 嫌ぁ!」


泣き叫ぶ彼女に、セレンは呟いていた。ごめん、ごめん。


「師匠! どこ、出血箇所!」

「……腹部だ。太い血管が、切れた。じきに、失血死、するさ」

「嫌ぁっ」


師匠が、セレンが死ぬなんて考えられない。

生きる意味を失うに等しいのだし、セレンがいるから――〈サタン〉がいるから〈ヴェロニカ〉は強いのだ。


味方は来ない。今回の任務は、最難関だった。

敵を欺き、国家の機密情報を入手するという。犠牲なんてつきものだと、初めから見放されていた。


あわよくば入手できたらよし、くらいの任務。

それでも万が一〈サタン〉が死んではいけないからと、とりあえずの援軍は用意されていた。


シュファの足元には、彼らの死体が転がっている。


「しゅ、ふぁ」


シュファの紙を撫で付け、横たわったセレンは言った。

もう息が、続いてないのに。辛そうなのに。


「ヤ、っ、バい、好きだ」


「――っ!」


撫でる手に、力が篭る。

震える手は、恐怖を表しているのだろうか。


「ヤバい、まずい。こんなはず、なかったのにな……っ。シュファ、シュ、ファ。俺は、お前、が、好き」

「師匠、師匠っ!」


泣く、泣く、泣く。

死なないで。

私の、大切なひと。

生きる意味を持つ、ひと。


セレンの服を握りしめ、離さないと誓う。

敵スパイはもう、シュファとセレンで倒してしまっていたのに。どうして、最後、あの銃撃を喰らったのだ。


「しゅふぁ、お前、こ、れまで何人殺した?」


突如、そう聞いてきた。

答えなくては。

師匠が、聞いてる。

シュファは懸命にえずく喉を押さえ、声を絞り出す。


「十、六人……」


師匠がいたからだ。

彼はほとんどの殺しを、自分で行なっていた。

緊急事態の時以外はシュファに殺させなかった。

彼女がやったことと言えば、せいぜい敵の文書を盗むことくらいで。


決して、彼女が弱かったわけではない。

師匠に及ばずとも、シュファ、コードネーム〈ヴェロニカ〉は強かった。でも、セレンは殺すことを許さなかった。


「師匠、師匠、師匠、師匠!」

「俺は、きっと、っ、地獄に、逝くんだろう、な」

「嫌、逝かせない! 絶対!」

「はは、そうだと、いいが」


分かってない。まだ、師匠は。

息も絶え絶えになりながら、それでもまだセレンは続ける。


「私も好き! 師匠が好き! ねえ、ねえっ、ねえっ!」

「……そうか。ありが、とう」

「ししょうっ!」

「もし、」


もし、俺が地獄に逝ったら。


「お前も、来て、くれるか……?」


聞いて、やはりダメだと思った。そんなの、死んでくれと言っているものじゃないか。

そして同時に、千人殺してくれと言っているようなものじゃないか。


「あ、いや、そうじゃなくて、その」

「師匠が良いと言うなら、いく」

「シュファ、俺は、」

「いく!」


叫ぶ。


あなたが良いと言うのなら。


「地獄にだって、いく!」


側にいたい。あなたの側に。

千人殺しても。

千人、命を奪っても。その上に成り立つ、◼️◼️であっても。


「しゅふぁ……」


セレンの体の上に、自分の体を重ねる。


近づけた。

唇を、二人の。


ちゅっ、という音が、甘美なるその響きが、夜の闇に溶け込む。


死なないで。


来てくれるか。


いく、絶対。


また、逢いたい。


全ての想いが交差するように、理不尽な世界に見せつけるように。

私たちは、挫けないと。


「シュファ、い、たいんだ、腹が……。殺して、くれるか」

「師匠……っ」

「ごめん、こんな、ことっ、まか、せて」

「いい、いいっ!」


銃を構える。

弾を補充し、引き金に手をかけ。


「シュファ」


最期の言葉を待つ。

師匠の、最期。


世界は理不尽だ。

愛なんてもの、引き裂くほどに。

不条理だ。


だから、自分たちの『愛』は、きっと未完成で。

まだこれから、ずっと先に完結するはずの『愛』で。


アイだ。


未完成、未完結。

であるから、アイ。

未熟なモノ。


でも、だからきっと。


「アイしてる」


パァン。





銃声が、セレンの頭を通り過ぎた。



◆◆◆



回想が終わる。

幻の悪夢は潰える。


敵は迫って、〈ヴェロニカ〉もう動けない。


師匠と、セレンと会った時とは別の硬直。

やっぱり彼は特別なひとだ。


『〈ヴェロニカ〉、なにを……!?』

「〈ビア〉。私、ようやく、会える」


師匠に。


『早まるな! 君はまだ……』

「敵は」


高らかに叫ぼう。

セレンというアイする人のことを。

この世の全てに行き渡るように。


「敵、大勢いる。私、自爆する。敵を巻き込んで。以上、終わり。もう、繋いでこないで」

『――地獄の、使者……』

「いい、それで。……ようやく、千人、殺せた」


起爆装置を手の中で握り締める。


ようやく、千人。

彼のもとに、地獄に逝ける。

生きていた甲斐が、あった。


「今、いくよ……!」


包み込む。手を握り。

彼と会ったらなにをしよう。


考える、考える、考える。

ねえ、何をしようか。


文句を言う。


またいつものように暮らす。


抱きしめ合う。


キスをする。




アイしていると言う。




果たしてアイは、愛になるだろうか。完成されたソレに、なるだろうか。


首を振って、銀髪を夜風に任せる。

真夜中、十二時頃。

師匠が敗北した極秘任務、国家の機密情報を盗み出した弟子は、地獄へと旅立つ。


千人の死体を添えて。












「私も、あなたをアイしてる」












途切れた無線。

紡がれた言葉。


直後、〈ビア〉が聞いたのは――遠くから鳴り響く轟音と、燃え盛る〈ヴェロニカ〉がいた屋敷だった。
















真夜中のアイ

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