第八話:透明感
「じゃあ30分後にここで集合ね!」
元気よく待ち合わせの時間を言うと、
「わかった」
と低い声で返される。
そして打ち合わせでもしていたかのように同じようなタイミングでドアを開け、各々部屋に入っていく。
「はぁ…」
自然とため息をついてしまった。
しかし、理由は考えるまでもなかった。
「さっちゃんが心配してくれてた…」
私がさっちゃんと一緒に買い物に行くことを考えているとき
『大丈夫か?』
と言われてしまった。
さっちゃんに心配されることはあまり無いから少し、いやかなり嬉しかった。
だが、心配されてしまったことには変わりない。
どちらかというと、やはりさっちゃんには笑顔でいてほしい。
私のことを心配してくれるのは嬉しいが、それではだめだと思い返す。
気を引き締めながら、買い物へ行くための準備をする。
まだ肌寒いので、もこもことしたパーカーを着て、時計を見る。
「まだ15分しか経ってない…」
時間があるし少しばかり化粧でもして行こう。
そう考え化粧台に置いてある化粧水を手に取る。
派手なメイクこそしないものの、肌がきれいに見える程度には化粧をしていいだろう。
さっちゃんは気付いてくれるのだろうか?
気付いてくれたら嬉しいくらいの気持ちのほうが楽なのはわかっているが、期待せずにはいられない。
もうそろそろ指定した時間になるだろうかと思い振り返ると、時計ではなく真っ赤に染まった太陽が今にも落ちそうな空の景色が真っ先に目に留まった。
それが私を応援してくれている気がして少し勇気が出る。
「よし!」
化粧をしたばかりの頬を軽めに叩き、そう呟く。
どうもLrmyです。
30分後ってたくさん言ってるから重要感出てそうだから言っておきますけど、特に伏線でも何でもないんで、気にしない方針でお願いします。
以上後書き(雑談)でした。
ではでは~