第七十話:感時雨
「そうだ!暁ちゃんを連れて、みんなで遊びに行かへんか?」
今は金曜日の昼休憩。
机を少し近づけてあって、弁当をつついていた。
「いいね!楽しそう!」
唐突な佳ちゃんの誘いに、七海が食いつくように反応をした。
まぁ俺もあの不思議な少女…暁さんのことをもう少し知ってみたい気持ちがあったので、佳ちゃんの案に否定をする気は無い。
佳ちゃんにそのことを伝えるために、声を出さずに小さくコクリと頷いておいた。
「暮葉ちゃんと暁ちゃんは?予定とか空いてる日あるか?」
「私は大丈夫ですよ。休日はいつでも空けられます」
「あれっ?土日って練習無かったっけ?」
「あります…けど、休む旨を伝えれば先生も許してくれるでしょう」
…?
なんというか違和感があるような気がする。
二週間程度しか一緒にいなかったが、それでも変な感じがある。
最初に会った頃の暁さんは部活を休むなんてしなかっただろう。
…まぁ考えても仕方ないか、気のせいだったということにしておこう。
「とりあえず決まりやな!いつ行くか?」
「明日とかでいいと思うけど、予定ある人いる?」
佳ちゃんと七海を除いた三人が一斉に首を横に振り否定を表すと、佳ちゃんは「決まりやな」と言って残っていた弁当に手を伸ばした。
* * *
俺が家にてゴロゴロとしていると、机の上に置いてあるスマホの通知が鳴った。
何だろうと思い、重い体を動かした。
スマホを手に取り中身を確認すると、『どこ行きたいか聞いてなかったから、案があれば適当に書いていってもろて』
と、連絡アプリのグループに書置きされてあった。
それに今気づいたが、一つ上に誰かが入ったことが書かれてある。
多分暁さんで間違いないだろう。
「特にないよなぁ」
皆で遊びに行くと佳ちゃんは言っていたが、暁さんを質問攻めにする構図になるのは目に見えてわかっている。
ならば、映画とかではなく、食べ歩きのような形で話しながら何かができた方が良いだろう。
…数分考えた後に出した答えは、前に七海と行ったカフェのあるショッピングモールが一番いいという結論が出た。
カフェなら何かを飲みながら話をできるし、近くで買い物もできるから遊ぶにはもってこいな気がする。
ポケットに突っ込んでいたスマホをもう一度取り出し、『ショッピングモールにあるカフェで』と返信した。
どうもLrmyです。
作品内の季節が正反対過ぎて、クリスマスがーとかそんな話ができないのです。
かといって半年ぐらい飛ばすのもよろしくないような気がするので、基本的に現実世界での行事は作品とリンクしないと考えていただければ。
以上で後書きを〆ます。ではでは~