第六十六話:大丈夫?
「緊張してる?」
「いえ、中学生の頃から練習試合は何度も経験しているので」
「そっか、じゃあお互い頑張ろうね」
「はい」
私がにっこりと笑うと、先に試合が入っていた暮葉さんがコートに入って行った。
今日は日曜日。つまり練習試合の日という訳だ。
この学校のテニス部は、全国大会に出場した…などの戦績は残していないが、そこそこ良い結果は残せており、学校側も力を入れているのか、毎日部活の予定が入っていた。
私はこの部活で四日間しか練習していないが、シングルなら問題ないだろう。
ダブルでも、暮葉さんが入ってくれるので、それも問題ないだろう。
「よし!」
私は頬を叩いて気合を入れた。
頬を叩くのは昔からの癖だった。
「…ってあれ?」
カバンの中を調べてもラケットが見つからない。
家を出る前に確認したし、ボールならまだしもラケットを忘れたなんてことは無いだろう。
「またか…」
私は考え込んでいるフリをして、途方に暮れていた。
* * *
「…どうしたの?暗い顔して」
「えっと…その……」
本当に仲が良い『親友』だったからこそ、この話はしたくなかった。
「本当に大丈夫?何かあったら相談した方が…」
「なんでもないから…大丈夫」
この話をしてしまったら。また私は助けてもらうことになる。
「暁ちゃん…?」
おかしいな…私はいい子なのに。大人なのに。
なんで涙が流れてくるのだろう。
「暁ちゃん!?」
「えっと、ごめんなさい…」
「何で謝ってるの、というかなんで泣いてるの?」
またこの人に頼ってしまうのか…
やっぱりまだまだ子供なのかな?
「ねぇ!困ったことがあったらお互い様でしょ!何かあるんだったら話してよ!」
暮葉さんに怒鳴られた。
いつも優しい暮葉さんに。
でも、私のことを想ってくれているのはよくわかった。
「…ごめんなさい」
それでも私は、自分に嘘を吐きたくなかった。
* * *
家に帰って私こと菊池暮葉は考え事をしていた。
「そんなに言いたくないことだったのかな?」
考え事とは、友人の暁ちゃんについてだった。
「もう少し力になりたいな…」
友人にでも話ができないこと…
私が考えても分からないな。
そう思った私は携帯に手を伸ばし、とある番号に電話をかける。
何回かコールが
「もしもし、おじいちゃん?私、暮葉だけど」
『おぉ、なんだか久しぶりじゃな。元気しとったか?』
「久しぶりって、3日前には電話したんだけど…」
『そうだったか?…それで、何か用か?』
「そうだった、相談したいことがあるんだけど…」
どうもLrmyです。
休日はなぜか別作品を書きたくなってしまった為お休みしました。
まぁ実質この小説は定期じゃないですしお寿司
来週も投稿しないかもしれん…出てなかったらそういう事ってことで。
朝の部は毎日出した方が良いんすかねぇ…
気分で頑張りますんで、よろしゅうお願いします。
(他作品含めたら毎日投稿されてるので、そちらも是非ご覧ください)
以上で後書きを〆ます。ではでは~