第六十四話:別離
「それでは、暗くなってきましたし、私もついて行きましょうか?」
「そうだね、まだ話したいこともたくさんあるし」
昔とあまり変わらない風景を見ながら、私たちは暮葉さんの家の方向へ歩き出した。
「また一緒にテニスできるなんて嬉しいな」
「私も、正直こんなところでまた会うなんて思ってもいませんでしたよ…」
「なんか悪い事でもあった?」
「いえ…このままでは私は変われないですね」
自傷気味に笑うと、暮葉さんは少し食い気味に全力で否定してくれた。
「そんなことないよ!暁ちゃんはとっても強いこと私が保証する!」
「強い…と言われましても、武の心得はあまり…」
「喧嘩とかじゃなくて心の話!」
「…そうですかね。私は変われているのでしょうか?」
質問をした後、自分でもその質問の答えが怖くなった。
「暁ちゃんは昔から強かったよ。何も変わってない」
「…そうでしょうか、それなら少しは救われるというものです」
変わらなくてもいい状態なら変わらなくてもいい。
と言いたいのだろう。
私は本当に変わらないままの存在でいいのだろうか?
『人』という字は、二人の人間が助け合っている?支え合っている?
本当にそうだろうか?
片方の人間が、もう片方の人間に寄りかかっているだけなのではないだろうか?
…私は、寄りかかってしまったまま動けない。
* * *
「今日家に泊まっていく?お父さんもお母さんもきっと喜ぶよ!」
暮葉さんからお誘いを受けたが
「遠慮しておきます。お父様が心配してしまいますので」
「そっか…じゃあ予定が合う日があったら言ってね」
暮葉さんは小走りで屋敷へ向かうと「また明日ね」と言い残し、門を潜って行ってしまった。
暮葉さんと別れた後、私はとある場所に来ていた。
…とある場所とは、神社のことだった。
名前は確か…『月咲神社』
イベントなのか、恒例行事なのか、もはやわからなくなっていたが、この神社ではとあることをしていた。
とあることとは、その日の誕生花を飾るというものだった。
ご丁寧に看板に説明まで書かれていた為、花に詳しくなったことをよく覚えている。
今日の花は…『スイートピー』か、看板の隣に咲いているスイートピーであろう花は、綺麗なピンク色に咲いていた。
花言葉は…別離
どうもLrmyです。
友達の誕生日プレゼントに困っているそこのあなた!
適当に誕生花あげて、それっぽい理由を言えば大体何とかなりますよ。
花言葉と共に渡したら、良い感じだと思われます。
以上人生で役に立つかもしれない情報でした。ではでは~