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第六十一話:心ノ拠リ所

「是非ご一緒させてください」


「暁ちゃん…」


「やっぱり暮葉ちゃんだったんですね。そんな気はしてたんですけど確証は無かったもので…」


「なんや?二人は知り合いなんか?」


「そうなんですよ、所謂”幼馴染”ってやつですね」


いつものメンバーに暁ちゃんを加えた五人が机を固めて弁当箱を広げていた。


「そうなんか、こんな面白い幼馴染がいたら小さい頃の暮葉ちゃんが羨ましいなぁ」


「面白いって、お世辞はやめてくださいよ」



出会って数時間しか経ってないのに、もうこんなに打ち解けているのか。


佳ちゃんは流石だな。



「せや!なんか思い出話とかはないんか?」


「思い出話ですと…そう言われるとパッとは出てこないですね」


色の違う眼を隠し、首を傾けうーんと声をうならす暁ちゃん。


「私たち二人でテニスやってた話とか?」


「あー!確かにそれなら沢山話せそうです!」


助け船を出すと、パッと晴れたような顔をして口を動かし始めた。



 * * *



これは私が小学校1年生の頃の話だった。


私は他の人と髪の色と目の色が明らかに異なっていた。


親が資産家という共通点があった”菊池家”の長女の”暮葉”という少女と昔から仲が良かった。



彼女はやんちゃで鬼ごっこなどで遊んだりした。


時々、私の体調が優れなくて遊べないときはあったが、いつも笑って許してくれた。


小学校へ入った時、暮葉ちゃんに勧められてテニスをすることになった。


スポーツというものは奥が深く、二人で一緒に汗をたらす日々が続いた。




それから少ししてからだろうか、私はクラスで孤立するようになった。


当たり前だ、明らかに”異質”な存在だった私は他の人と普通に馴染めるというのがおかしいのだろう。


当時小学生だった私はその言葉の暴力に耐えられなかった。


耐える勇気が持てなかった。



そんな時に寄り添ってくれた人物が一人だけいた。


その人物は、同い年なのに少し大人びた声色でこういった。


『私がいるから。大丈夫だよ』と。


学校へは行かなくなったが、テニスだけは続けていた。


部活ではなかったので、クラスメイトはいなかったは幸いだった。



テニスだけは私が私であるための、ある種『心の拠り所』だった。


その日に一人の少女が涙を流した。

どうもLrmyです。


暁ちゃんってあだ名付けようと思ったら『あかちゃん』になるな。って思い止めました。


結果的に暁ちゃんに落ち着いたわけです。


これで後書きを〆ます。ではでは~

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