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第四十五話:ヨワキモノ

昼休みにスマホを開くと、『今日の放課後に屋上に来てくれ』という連絡が一件来ていた。


宛先は中学校の友達である『星町雅ほしまちみやび』からだった。


高校に入ってからクラスが分かれて、会話をすることがめっきり減ってしまったから、なにか特別な用事でもあるのだろうか?


まぁ兎にも角にも、呼び出しを食らったのは放課後のことだ。


それまではなるべく気にしないようにしよう。


というか、雅は部活に入っていたはずなのだが、時間は大丈夫なのだろうか?




放課後になり、早めに行って待っていようと思っていたら「さっちゃん!帰ろ!」と良く透き通る声で呼び止められる。


声の主は七海だった。


流石に雅の誘いを断るわけにはいかないよな。


「すまん、今日は先に帰っておいてくれないか」


「なに?用事?」


「ちょっとヤボ用が入ってな」


「わかった!じゃあ先に帰ってるね!」


「あぁ、気をつけてな」


「じゃあね!」


ブンブンと手を振り教室を後にする七海。


「よし、行くか」


少し不安になった体と共に階段を昇った。



「はぁ…」


最近運動していないからか、階段を上るだけでも息が切れてしまった。


走り込みでもしようかな?


少し錆びたドアを開けその奥に進むと、雅が小さな段差に腰掛けていた。


「よぉ!久しぶりだな」


そう言うと、「そうだな…」と覇気のない声でそう返された。



「元気なさそうだが、大丈夫か?」


「体調は大丈夫だ。心配しないでくれ」


「なら…いいんだが」


まだ辺りは青く煌びやかに広がっており、グラウンドからは部活の掛け声のようなものが聞こえる。


「そうだ雅、お前部活どうした?」


「バックレたんだよ。一日くらいいなくても大丈夫だろ」


軽く笑い飛ばす雅。


「お前がいいなら良いんだけど」


雅は…確か卓球部とかに入ってるんだったかな。


「旭、少し話さないか?」




会話は続いた。


いつの間にか日は沈み始め、空が赤く染まることは無く、一面の青は蒼へと変わっていた。


笑い話で盛り上がっていたのだが、笑うのを止め神妙な顔つきで「旭?」と名前を呼ばれる。


「どうした?」


「……」


雅は少しの間口を塞ぎ、そして覚悟を決めたように口を開いた。


「俺…虐められてるんだ」


「は…?」


今の言葉の意味が一瞬理解できなかった。


雅とは中学3年生の時に同じクラスだったが、虐められる性格ではなかったはずだ。


最前線に出ることは無かったが、クラスには溶け込んでいたし、誰とでも仲良くやっていたのを俺は知っている。


「それって…」


「言葉通りだよ、旭」


意味が分からなかったことをさとられたのか、そう言葉を返される。


「どうせ虐められる性格じゃなかったから、とでも思っているんだろう?」


「そうだが、何かあったのか?」


「何か…か、俺にもさっぱりだよ」


「じゃあここに俺を呼んだ意味って…」


「それはこの話をする為だな」


絶句してしまっていた。


少しの間だったのかもしれないが、友達が虐められていたという事実は深く心に刺さった。


「助けてくれ…ヒーロー……」

どうもLrmyです。


正直誰かに指摘されそうなので言いますけど、『階段を昇った』の昇ったは誤字じゃないです。


敢えてそうしています。理由はご自身でお考え下さい。


そんなことより、最近月や天体について調べているせいかわかりませんが、夢でそらいっぱいに広がる月を見ることができました。


天満月というものでしょうか?それを夢の中で写真に収めていたのですが、朝起きてスマホを確認したら全然そんな写真無くてガッカリしました。


後書きは以上です。ではでは~

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