第十八話:霽月
「それじゃあ行っか!」
そう言葉を置いて歩き出そうとすると、さっちゃんが「ちょっと待ってくれ」と私の歩みを止めさせる。
なんだろうと思い振り返ると、さっちゃんはポーチのような小さなカバンを弄っていた。
探している物を見つけたのか、少し笑顔になりハンカチのようなものに包まれた”それ”を取り出す。
「これ…七海ので合ってるか?」
そう言ってペンダントを差し出してくる。
「あっ…」
そのペンダントは見覚えがあり確実に私の物だったが、まさか落としているとは思わなかった。
「ありがとう!ごめんね、忘れ物しちゃって」
「いや、すぐ返せてよかったよ」
さっちゃんからペンダントを受け取り、急いでカバンにしまう。
「気を取り直して行こっか!」
「そうだな」
これ以上用はなかったようで、二人並んで歩き始める。
今日の朝、散歩に行っていたのだが、駅とは逆方向だったのでまた新鮮な風景が目に留まる。
朝の散歩は自然的な風景が多かったが、少し高い建物がたくさん立っている景色を見るのも悪くはない。
いつも通りに会話をしながら、少し広めの歩道を歩く。
駅に近くなっていくにつれ人が増え、その度に『都会っぽくなってきたな』と思う。
いつの間にか辺りは人で溢れ、建物がより一層高くなり、目指していた場所に到着していることに気付く。
「着いたな」
「うん!何しよっか!」
言ってから気付いたが、最初に何をするか決めていなかった。
「歩いて腹減ったから、昼食取らないか?」
現在時刻は11時手前といったところ。昼食には少し早いが、これから食べ歩きや映画などで色々食べるかもしれないと思うと、軽めに昼食をとるのは良い考えだと思った。
「じゃあどこでご飯食べよっか?」
「この辺何でもあるから結構悩むな…」
結局、話し合いの末に『量が多くなく早く食べれるところにしよう』ということになり、ファストフード店で軽めにポテトやハンバーガーなどを食べ昼食は終了した。
映画の時間を確認したら、見たいと思っていた映画は3時頃開演のものしか席が空いていなかったので、予約だけして買い物などを先にすることにした。
ショッピングモールに入り小物を漁る。さっちゃんはあまり興味なさそうにしていたが、無理やり連れまわすような形で色々見て回る。
あまり実感していなかったが、名目上これはデートなのでお揃いで色違いのキーホルダーを購入した。
思い出作りと言ったらさっちゃんも納得してくれた。
なんだかんださっちゃんとお揃いの物はこれが初めてなので大切にすることにしよう。
どうも最近寒くなってきてベッドから出られない日が続くLrmyです。
最近後書きで書くネタがなくなってきているのです…
知りたいことがあれば書き込んで頂けると幸いです。
ネタがなくなってきているとは言ってもないとは言ってないので作品の話を少し。
今話でファストフード店で昼食をとるシーンがありましたね、七海は女性だがいいのか?と疑問に思った皆さん。別にいいんです。
七海は昔から男勝りな性格をしていたり、身長がそこまで高くないのがコンプレックスとなっており、たくさん食べれば身長が伸びると思っているらしいので、なるべくたくさん食べたいらしいです。
これにて後書きを〆ます。ではでは~