第十七話:朧月も輝く
「んっ…朝か…」
少し空いたカーテンから差し込んだ陽の光が目に当たり意識が覚醒する。
朝寝坊しないようにかけておいたスマホのアラームを切り、それと同時に「ふぁあ…」と大きく欠伸をする。
嫌々ながら布団から体を起こし、体を伸ばす。
朝起きた時にストレッチをすると健康にいいとどこかで聞いたことがある。
朝ご飯はもう少し時間が経ってから食べるとして、少し砂糖を入れたホットミルクを口に運ぶ。
昨日、七海は調子が悪そうだったが、今日は大丈夫なのだろうか?
いつものように元気な姿が見たいと思い、寂しさと心配に襲われる。
気が付くと時計は9時半を指していた。
時間的にはまだ全然余裕があるのだが、ボチボチ用意を始めた方が良いだろう。
動きやすく、色が単色にならないようにだけ気を付け、服を着替える。
そんなにオシャレには気を付けていないが、ダサいと思われるのは嫌なので、一般的に見ても普通くらいのファッションになっていると思う。
スマホで七海との集合時間が10時であることを改めて確認すると、「よし!」と声を出し気合を入れる。
少し時間は早いが、遅れていくよりはいいだろうと思い玄関を出る。
何もすることがないので、スマホでもいじろうと思いポケットからスマホを取り出そうとした時
「さっちゃん!」
七海の部屋のドアは開いていないのに、どこからかよく聞いた声が聞こえる。
「ちょっと散歩してて遅れちゃった」
あぁ、散歩に行っていたのか。家の方ではなくて外から七海が来た理由が分かった。
「少し早めに出たからまだ時間じゃないぞ」
「よかった~、私準備できてるからこのまま出発しよ!」
声が元気になってる気がする。理由はわからないが昨日のことは解決したらしい。
俺自身も、七海が落ち込んでた理由もあまりわかってないから、勝手に自己解決したのだろう。
なんにせよ、七海が元気そうでよかった。それに尽きる。
「私昨日どこ行きたいか決めたの!」
「何かしたいことでもあるのか?」
「駅前で買い物したりとか映画でも見たいなって!」
駅前は栄えていて基本的に何でもあるから、一日遊ぶのには困らないだろう。
「よし、タクシーでも呼ぶか?」
駅前で遊ぶのだから移動は車でも使った方が良いと思いそう提案するが、
「ううん、歩いていきたいと思ってるんだけど?大丈夫?」
とそう言われる。
どうもLrmyです。
今回も作品について、というかキャラクターの個性について話したいと思います。
今話の朝、旭君はホットミルクを飲んでいましたが、熱々ではなく少しぬるめくらいの温度で飲んでいます。理由は単純明快、猫舌なのです!
ほかにも登場人物はいますが、全員猫舌ではないので、猫舌あるある的なネタで盛り上がれないらしいです。
以上、小話でした。ではでは~