第十六話:花鳥風月
窓の外からチュンチュンと鳥の鳴き声が聞こえる。
「朝、か…」
結局眠りにつくことはなく、数時間の間瞼を閉じただけとなってしまった。
瞼を閉じているだけでも、脳は少し休まるという話を聞いたことがあるのだが、考え事をずっとしていたせいか、あまり疲れが取れた感じはしなかった。
現在の時刻は6時前といったところ。今日は土曜日で休日なのだが、学校がある日くらいの時間で起きてしまった。
ただでさえ眠れていなかったのに、これから布団に潜っても眠れないだろう。
そう思い、洗面台へ行き顔を洗う。
「ふぅ…」
水をかけただけだが、少しだけ頭の中がスッキリとした気がした。
まだ約束の時間まで時間がある。
因みに昨日家に帰った瞬間くらいに通知が鳴り、そこには『明日は10時に集合でいいか?』とさっちゃんから連絡が来ており、昨日の私は『いいよ』と返事をしていたらしい。
朝ご飯を作りながらこの後の時間で何をしようか考える。
心臓が激しく動いているわけではないのだが、自分の行動を思い返して、緊張と不安が残っていると思ったので、気分転換に行くのがよいだろう。
朝ご飯に作った目玉焼きやホカホカなご飯、みそ汁などをすべて綺麗に食べ得た後、ふわふわとしたパジャマから涼しめのシャツに着替える。
さっちゃんが最近は散歩を趣味でしていると言っていた。
気分転換にはもってこいだろうと思い、靴を履き外に出る。
起きた時には陽は薄くしか差してなかったが、太陽はもうかなり上に傾いていた。
しかし、まだ時期的に寒いということがあり、涼しげに風が私の頬を掠め、髪を煽る。
休日の朝ということもあり、若いお兄さんがランニングをしていたり、おばあさんが花に水をあげていたり、多種多様な景色を見ることができた。
頭を空っぽにし行く当てもなく歩き続けていると、かなり幅のある河にたどり着いた。
ほとんど無意識のうちに川の方へ歩み寄る。
まだ四月だったので、河で泳いでいる子供などはいなかったが、夏になったらはしゃぐ子供の姿が見れるのだろうか?
そんなことを考えながら河川敷に腰を下ろす。
ただ綺麗に流れているだけの河を見ているだけで心が癒されている気になるのは日本人の風情というやつなのだろうか。
しかし、散歩によって気分がよくなったことは確かだろう。
今度はさっちゃんと一緒に行くことにしよう。
どうもLrmyです。
学校が始まることをすっかり忘れていて、朝投稿していなかったので、明日あたりからは朝夕晩のどれかを使い2∼3話投稿すると思います。
今日は朝投稿できなかったので、夜も上げると思うのでよかったら見てください。
作品の話はまた夜の部ですると思います。
以上で後書きを〆させていただきます。ではでは~