第十話:反射
「ん?暮葉ちゃん?」
知っている声がしたのでその声の主であろう名前を呼ぶ。
「やっぱりなななだぁ!こんな時間に買い物なんて大変だね」
「そっちこそ!」
暮葉ちゃんは一人暮らしではなかったため、多分おつかい的な感じなのだろう。
「ねぇねぇ、旭君とはそういう関係なの?」
「そういうってどういう関係のこと!?」
「あー焦ってる!かわいー」
「ちょっと!からかわないでよ!」
ほかのお客さんの迷惑にならないように小さな声で喋っていたので、さっちゃんに会話は聞かれてはいないと思う。
というか空気を読んでいるのか読んでいないのか少し離れたところできょろきょろとしていた。
暮葉ちゃんにはばれているので今更他人のふりをしても意味ないと思い、さっちゃんを呼び会話に参加させる。
『変な誤解をされたくなかった』
と言っていたが、一緒にいたところを見られた後に他人のふりをする方が怪しく見えてしまうだろう。という意見は心の中に秘めておくことにする。
幸い暮葉ちゃんは物分かりがよい子なので変な風にはとらえないだろう。
そういう性格的な面もモテる要因なのだろう。
暮葉ちゃんも買い物に来たばかりらしく、スーパーの中は同行することになった。
一緒に買い物をしていて気付いたが、暮葉ちゃんは今日の夕飯を買いに来たというわけではなく、野菜などを買いに来たらしい。
「暮葉さんの家はここから近いの?」
そうさっちゃんが質問をすると、
「うん、すぐそこにあるよ」
「さっちゃんもおいでよ!暮葉ちゃんの家とっても大きいんだよ!」
私は一度暮葉ちゃんの家に行ったことがあったので、少し説明をする。
「これから予定あるから今日は無理かもしれないけど、今度暇な時があったら連絡する」
「今度…ねぇ……」
もしかして地雷踏んでる?
さっちゃんと私が一緒にいて、尚且つ今から用事があるという風に思われているのであれば…
「特に変な意味じゃないからね!」
「わかってるよ~」
これ詰んでそうな感じがする…
そんなこんなで買い物自体は終了した。
「それじゃあ私こっちだから」
スーパーから近いとは言っていたが、私たちの家とは反対方向らしい
「また明日ね!」
「うん!」
そういって歩き出すとあたりが真っ暗であることに気が付いた。
数十分前まで明るく光っていた太陽が隠れ、代わりに月が白く、薄く、輝いていた。
「もう暗いから早めに帰ろうぜ」
「そうだね!」
二人は同時に早足で歩きだした。
どうもLrmyです。
昨日新キャラが出てきましたが、紹介をしていなかったのでここで少しだけ、
菊池暮葉
テニス部に所属しており、七海とはクラスで一番といえるほどの仲良し。
なつきななみという名前から『ななな』と呼んでいる。
こんな感じでしょうか。
正直読み返してみて七海の愛称について触れていなかったんで、わかりずらかったかなと思い反省しております。
『ななな』という愛称は、クラスの女子から呼ばれることが多いらしいです。
今日のおやつはプリンでした。(誰得情報)
以上後書きでした。ではでは~