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才能は呪いとも読むらしい  作者: だーおし
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004

有象無象の大活躍。

「よー、人を探してんだけどよー」


「あ、はい。ここの構成員ですか?」


ギルドの中に入り、受付嬢に問う。


先の王国兵のように会話が出来ないでは文字通り話にならないので、歪みを抑える。

受付嬢は笑顔で返答する。


「おー。シオンっつー奴だ。そいつに会いてーんだ」


「む、あなたもシオンさんのファンなんですか?」


受付嬢は少し頬を膨らませて言う。


「あなたも?どーゆーことだ?」


「どうもこうも、ここ最近のシオンさんの快進撃を知らないんですか?王国騎士団の四番隊隊長と手合わせして、見事に打ち勝ったんですよ!」


説明に熱がこもっている。四番隊隊長がどれほどの実力者なのかは知らないが、字面だけを見ればなかなかに強そうだ。


「ほー、そりゃすげーのか?」


もう少し付き合ってやるか。受付嬢に問う。


「当たり前じゃないですか!四番隊隊長も将来を約束された出世頭、セイカ様!あの方のギフト──『攻める盾(防御は最大の攻撃)』をものともせずに圧倒!王国騎士団七番隊隊長の座を用意されるまでに至った大快挙です!」


「あ?じゃーシオンはここにゃーいねーのか?」


騎士団の隊長に引き抜かれたか。せっかく道を教えてもらったのに無駄足だったか。


「ちっちっちっ」


受付嬢はニヤけた顔で指を左右に振る。


「んだようぜーなそれ」


やべー、本音が出ちまった。


「『俺は騎士団には向いてないさ。信念がないからな。悪いが他を当たってくれ』──、、、きゃー!」


手を額に当ててニヒルに決めた。その後に頬を両手で抑えてイヤンイヤンする。


「、、、ふー」


胸の底から湧き上がってくる殺意をなんとか落ち着かせる。

あぶねーあぶねー。

ウザすぎて首をもぎとる所だった。


「まだこのギルドに所属してるってことか?」


「ですです!シオンさん効果で、このギルドに登録する人々──もとい、女性が後を絶ちません!」


周囲を見ていると女性のギルド構成員がうんうんと頷いている。モテるのか。まあ、それはどうでもいい。


「、、、そいつぁ──」


「はい?」


「つえーのか?」


「うーん。強い、というよりは」


ぴん、と指を立てて勿体ぶる。


「勝てる人がいない、ですかねっ!」


──おもしれーじゃねーか。


「、、、くひひっ──そーか。わーった。ありがとな」


飽きた。もういいや。


受付嬢を含めた、周囲の人間の身体がばらばらになった。

人との別れ際が苦手です。

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