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ここはどこ? 4

 しかしだ、現在の私は絶賛迷子中。 いや、もはや遭難と言ってもいい状況だ。

 そんな状況の中で飲料水というのは貴重も貴重、あらゆる宝石より価値のあるものだ。 ……ちょっと言い過ぎな気もするが、無意識にそれぐらい現状に切羽詰ってると認識してるんだろう。

 ともかく、そんな状況な訳だから与える量は極僅かに止めたい。 そもそも、水で復活するかどうかもわからないのだし。


 と、脳内で倫理武装を重ね連ねて、キャップの蓋に注ぐという実にみみっちぃ量の言い訳をこさえる。

 ……いやだって、実際無駄になったらガチで勿体無いじゃんか。 これから先どれ位の距離を歩くのかもわからない状態だし。 


 まぁ、どうなるかを見てからでも遅くは無い。 もし復活して効果があるようだったら、もう少し分け与えてあげようじゃないか。


 伸びきったゼリー物体の傍にしゃがみ込み、その上にキャップの中のスポドリを零していく。

 小さくパシャっと擬音がなるどころか、摘んでいた指先に中身が広がりポタポタと地味な絵図らができあがる。

 なんだろう、何故か自分がすごく浅ましい人間に思えてきた。


「さて……」


 何か反応はあるかな? と、言葉にはしないでにゼリー物体を見つめていると、ぷるぷると震えだしたではないか。 しかし、復活しかけてるのか、息絶えそうなのかわかりにくいリアクションである。


「んー……? おや?」


 どう判断したものかと目を細めて眺めていると、ゼリー物体の表面で雫になっていたスポドリがスッと乾いた。 いや、乾いたというより、吸収した?

 次いで、平べったく伸びていたゼリー物体が、若干膨らんだ様にも見える。

 どうやら効果はあったらしい。


 そして驚くことに、ゼリー物体から突起が生えた。

 指先で軽く摘んだかのような、鋭さも長さもない突起がにゅっと、指先で持っていたキャップに向かって生えたのである。 しかもこの突起、キャップを移動させるとその方向について来るのだ。

 つまり、自分を復活させたモノがキャップから零れ、その位置を認識してる事になる。 それが本能からくる行動なのか、知性を持っているのかは定かではないが、このゼリー物体が生物である事は確かなようだ。


「……体のこの形にできる? コレが零れると勿体無いんだ」


 そうとくれば、今度は知性があるのかどうかが気になる。

 キャップを見せて、スポドリが入ったペットボトルをチャプチャプと揺らしながら、ゆっくりとゼリー物体へと私は話しかけていた。


 すると、まず突起が引っ込んだ。 その時点で、声か動きに反応しているのは確実で驚きなのだが、やや待ってからゼリー物体の中央が凹んだ。

 それはとてもキャップの形とは言えないが、私の声を聞いて零れにくい形を取った事に驚愕する。


 こんな、スッケスケのゼラチン質で内臓物が何も無さそうな物体なのに、確かに知性がある。 なんだこの不思議生物は。


 本当に復活させて大丈夫なのか不安になる。 

 生態が意味不明すぎる。 水を吸収するという事意外は、何かに絡みつくという事しか知らない。 何だろう、無理やり生物に当てはめるならヒルとかその辺か? この大きさで知性があるヒルとかやばくないか?


 受け皿の形を取ったのに動きを止めた私を催促する様に、ゼリー物体から突起がにゅっと生える。 それを見て私は腹を括った。

 とりあえず、キャップを土の付かない場所の置いて、利き腕で傘を持ち直す。 そして、極力ゼリー物体から距離を取りつつ、スポドリを凹みに注いだ。 

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