第五回目 物語の書き方
第五回目だ。
今回は物語の書き方について書こうと思う。
私が思うに、物語とは、『大局にファンタジーを、細部に真実を』だと思う。
はい? 何を言っているんだこいつ? 脳みそゴリラじゃねーか。そう思ったあなた、ちょっと解説をさせてほしい。ウホウホ。
小説は、何だってできる。だからこその小説だ。しょーもないありふれた日常を描いて何が楽しいの? 小説はありえないファンタジーであるべきだ。ありえないものだから、書く意味がある。
だがしかし、あまりにもファンタジーが過ぎると、バカらしく思えてしまう。現実味がないと、受け入れられない。それが人間だ。
そこで重要になるのが、「細部に真実が宿っているか」ということだ。ここでいう「真実」にはいろんな意味が含まれている。それは、「説明」であったり、「理論的に正しいこと」であったり、「理由」だったり、「因果」だったり、「可能性」だったり。それらを全部ひっくるめて、私は「真実」という言葉を使っている。
とにかく、細部に真実があれば、それが現実味へとつながる。私はそう思う。
細部に真実があれば、いかに大局がファンタジーでも、成立する。
「これは明らかにファンタジーだけど、もしかしたら、世界のどこかで実際にあった話なのかもしれない」
「もしかしたら、歴史の事実は、この小説なのかもしれない」
「未来では、実際にこの小説と同じようなことが起きるかもしれない」
そうやって、読者に「実際にあることかもしれない」と思わせる。その力がある小説でなければダメなんだ。
小説とは、読者に「ありえないものをありえるかもしれないと思わせるもの」でなければダメなんだ!
それがつまり、『大局にファンタジーを、細部に真実を』という言葉の意味することなんだ。
だから、どんな物語を書こうか迷っているあなた。ありえない妄想をビッグバンのように無限に膨張させるがいい。とにかく好き勝手に、ありえない話を創ればいい。
ただ、書くときは慎重になった方がいい。細部に真実があるかどうか、手探りで一つ一つ確かめながら、慎重に書くべきだ。
読者は優秀だから、細部に真実がなければ、簡単に見透かす。そして、あなたの小説を見て、嘲笑するだろう。
第五回目まとめ
「かもしれない」