第二十三回目 最近抽象的なことばかり書いている気がするので具体的な小説の書き方も書こうと思う
第二十三回目だ。
最近の記事は抽象的・概念的なことばかり書いている気がするので、具体的なことも少しは書こうと思う。
初めて小説を書く人は、起承転結を意識して書くといい。
今回は、起承転結の「起」の部分について。
「起」の部分では、ど派手な事件や事故を起こしましょう。飛行機の墜落とか、学校が爆発したとか、癌になって余命一年と宣告されたとか、誘拐事件が起きたとか、通り魔プロレスラーにラリアットされたとか。そんなんでいいのです。とにかくまず、ど派手な事件や事故を起こすのです。ミステリー小説を書くときは、まず死体を転がせという格言があるくらいです。まず、事件を起こしてしまいましょう。
例:道を歩いていると、後ろから悲鳴が聞こえた。振り返ってみると、そこには覆面レスラーがいた。覆面レスラーは赤いレスラーパンツを履いていて、上半身は裸だ。今は朝の通勤時間。学生やスーツ姿の社会人が歩いている。その中で、覆面レスラーは明らかに異質だった。
「きゃー」
道行くスーツ姿の女性が覆面レスラーにつかまり、卍固めをされた。女性は痛みで気を失い倒れた。
「ぎゃー」
今度はおじいさんが捕まって、ドラゴンスクリューをされた。おじいさんの口から入れ歯が飛び出した。
これが噂の「通り魔レスラー」か。僕はニュースの内容を思い出した。突然町中に現れ、無差別でプロレス技をかける。通り魔レスラーにやられて病院送りにされる人が後を絶たないらしい。僕は巻き添えをくらわないように、逃げだそうとした。しかし、覆面レスラーが急に立ち止まったので、もう少し様子を見ることにした。
覆面レスラーは一人の学生をにらんでいる。あれは、柔道でインターハイに出場したことのある、古河先輩だ。古河先輩は鞄を置いて、構えた。やる気だ。身長は同じくらいだし、ガタイのでかさも負けていない。もしかしらたら、古河先輩なら通り魔レスラーをやっつけてくれるかもしれない。僕はゴクリと生つばを飲み込み、二人の戦いを見守った。
「へごし!」
古河先輩はバックドロップをされて、撃沈した。まずい、逃げないと。僕は身を翻し、走って逃げた。後方から地鳴りのような足音がする。何か巨大なものが迫ってきている圧迫感がある。まずい、追われている。しかも、はやい。追いつかれるーーー。
次の瞬間、後頭部に激痛が走り、気を失った。
後に看護師さんから聞いた話では、僕はこのとき、通り魔レスラーにラリアットをされたらしい。
こんな感じで、とにかく事故・事件を起こす。とにかく、何も考えずにど派手なシーンを描きましょう。理由付けは後でやればいい。むしろ、事故・事件の理由付けをしていく過程で、物語がつくられていくのです。
※これはあくまでも小説の書き方の一例です。小説は自由です。起承転結を無視して書いてもいいのです。自分の書き方がある人は、自分の書き方を信じて書きましょう。どうやって小説を書いていいか皆目見当がつかない人だけ、参考にしてください。
第二十三回目まとめ
「インパクト」




