第十一回目 読者を信じていいと思う
第十一回目だ。
読者を信じていいと思う。
読者は優秀だ。あなたは読者にこびを売る必要はない。あなたが真実の宿る小説を書けば、ちゃんと評価してくれる。逆に、そこに嘘があれば、簡単に見破る。
ちゃんと伝わるだろうか? その不安はわかる。でも、信じていい。
あなたは、読者を信じていい。いや、信じるべきだ。
小説は、読者が読んで初めて、完成する。あなた一人ではけして、完成しえない。
一番恐ろしいのは、自分を否定されることじゃない。ちゃんと伝わらないことだ。
あなたが真実を貫いて小説を書けば、絶対に、読者に伝わる。ちゃんと伝われば、伝わったからこそ、批判されることもあるだろう。読者の言葉に傷つくこともあるだろう。
それでも、『伝わらない恐怖』に比べたら、屁みたいなもんさ! あなたは知っているかい? 伝わらない恐怖を? 私は知っている。伝わらない恐怖を。
私には残念ながら、小説しかすべがなかった。小説を書くこと以外で、気持ちを伝えるすべを知らない。あなただってきっと、そうなのだろう? だから、コソコソと小説を書いているのだろう?
あなたは読者を信じるべきだ。なぜなら、読者は第二の作者であり、あなたの小説を本当の意味で完成させてくれる、パートナーなのだから。
第十一回まとめ
「読者を信じて託せ。大丈夫、きっと伝わる」




