第十回目 キャラクター
第十回目だ。
今回はキャラクターについて書こうと思う。
どうしたら個性的なキャラクターを書けるだろうか? 悩んでいる人は多いのではないだろうか?
小説を書くうえで、キャラクターはひじょーーーに重要だ。時に、キャラクターが物語を超えて一人歩きすることもある。キャラクターが物語の”色”を決めてしまうこともある。キャラクターが勝手に物語を創ってしまうことすらあるのだ。
キャラクターが重要なのはわかっている。でも、どうしたら、個性的なキャラクターが書けるのだろうか。これは、非常に難しい問題だ。
小説を書くのはあなたなのだから、あなたの中に全く存在しないキャラクターは、ハッキリ言って、書けないだろう。とても残念なことだけれど、小説があなたを超えることは、ない。
だから、個性的なキャラクターを書くためには、あなたがいろんな経験をして、あなたの感性を高めることが、一番の方法なのだと思う。きっと、それが一番正しい、個性的なキャラクターの描き方だ。
でも、小手先の技術というものが、ないわけじゃない。
個性的なキャラクターを書けなくて困っちゃう! というそこのあなた。
まず、やってほしいのは、『過去と未来をしっかりと描く』ということだ。これをちゃんとやっていない人が意外と多い。過去と未来をちゃん描くだけで、それなりに個性的なキャラクターが書けるはずだ。
過去と未来は行動理由になる。過去にこういう経験をしたから、登場人物はこういうものの考え方をする。未来にこういう目標があるから、登場人物はこういう行動をとる。といった感じだ。
あなたが書くのは、架空の生き物ではなく、”人間”だ。人間には過去と未来があるのは当然。むしろ、過去と未来がなければ人間ではない。過去と未来が人間の個性を決めると言っても過言ではない。
あと気をつけてほしいのは、キャラクターの個性は、絶対的に決まるものではなく、相対的に決まるものであるということだ。
個性的なキャラクターを描くためには、平凡なキャラクターや、ありふれた日常が必要なのだ。個性的なキャラクターばかりいたら、それはもう、個性ではなく平均になってしまう。だから、個性的なキャラクターを書こうとして、登場人物の個性的な描写ばかりに凝るのではなく、登場人物の周りの環境を変えてみることも、やってほしい。
登場人物のいる場所が変わるだけで、キャラクターの個性が光ることもある。
庭園で咲く薔薇よりも、砂漠で咲く薔薇の方が、私は好きなのである。
第十回目まとめ
「過去と未来をちゃんと描く」「相対的」




