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第三十七話 不気味な静寂


 あの後、何事も無く城に帰った。

 急なダンジョン探索に巻き込まれてかなり疲労していたのだろう。部屋に就くと飯も食わずにベッドに倒れ込むように眠っていった。

 気が付いた時は翌日の夕方だったので思わず苦笑してしまった。


 ちなみに他の面々は昼前には置きだしていつも通り訓練をしていたらしい。

 まあ、昨日の今日なので軽めの訓練だったらしいが……

 それでも十分元気な奴らである。


 そして、大輔は長時間寝ていたこともあり、空腹が限界だったので食堂に向かった。

 はっきり言って伸治たちに会うのは気まずかったのだが、そんなことを言ってられる状況ではなかったので仕方がない。


 と言う訳で食堂に入るとそこには伸治を始め同級生が勢ぞろいしていた。

 こちらに気付いたのか絢奈やみな実、西郷が軽くこちらを睨んでいる。

 やっぱり、昨日の件でわだかまりがあるのだろう。


 そして、伸治はというと


「やっと起きてきたのか。いつまでも寝てるから心配してたんだぞ」


 笑みを浮かべてそんなことを言っていた。

 少々拍子抜けな反応だった。

 それは他の三人も一緒のようで軽く面を喰らっている。

 そんな中、伸治は素直に頭を下げてきた。


「昨日は少しテンパってたみたいだ。すまん。お前が上の階層に向かうと言ってくれて助かったよ」


「そんなことはないよ。結果論だから。もしかしたら、上に出口が無くって二度手間になってたかもしれないし」


「まあ、そうかもしれないけど、みんなの安全を考えれば先に上の調査はしとくべきだったんだ。下に行けば行くほど危険度が高まることはみんな感じてたんだからな」


「…………」


 昨日とは全く違ってすごく冷静になっていることに大輔は戸惑っている。

 まあ、いつもの伸治は思慮深い方なのでこれが元の姿なのだが少々複雑だ。

 そんな考えが顔に出ていたのか伸治が苦笑いを浮かべる。


「そんな変な顔するなよ。ここは素直にオレの謝罪を受け止めて気にすんなよ。って慰める所だろ」


 伸治はお道化てそう言うと『この件はこれで終わり』と締めて食事を始めた。

 食事中の反応もいつも通りで大輔はようやく安堵する。


 ただ、涼子の表情がずっとすぐれなかったのが少し気になった。


いつもお読みいただきありがとうございます。

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