朝餐
体の調子を整えるのに、食事は重要な類いだと思う。
大学に入った幸一はそう考えている。
もともと痩せ型で、精神状態がふるわない彼は、食事に意味を感じ取っていた。
幼い頃、祖母の家に預けられ、青年期には既に実家で夕食の準備などをしていたので多少の調理の心得はある。
今日は一限目が休みで朝に余裕があるのでスープをじっくり作ることにした。
まず、小ぶりの玉ねぎを2つ取りだし、みじん切りにする。
次に熱したフライパンに少しの油とバター2欠片いれ溶かした。そうして先ほどみじん切りにした玉ねぎをフライパンに入れる。
火加減を見ながら中火で焦がさぬようにじっくり炒めた。
炒めてほんのり飴色に色づいた玉ねぎを鍋に投入。このバターで炒める一手間がスープにたまらない旨味を加えるのだ。
キャベツを用意する。ざく切りした後に更に刃を加え、手頃なサイズに切ったものも鍋に入れる。水を鍋の4分の1ほど注ぎ、弱火にくべた。ここで欠かせないのが動物性たんぱく質だ。肉の脂でスープの深みが増す。
冷蔵庫に残っていた賞味期限迫るソーセージを半分に切って山ほど入れた。
コンソメ一欠片を包丁の裏で軽く潰したもの、更にはニンニクチューブに生姜チューブを少々足した後、塩で味の調整。使い勝手のいいこれらのチューブなどは常備している。
後は待つばかり。キッチンには先ほどのバターの薫りや野菜の煮込まれた薫り、そしてソーセージの脂のいい薫りが立ち込めている。
トーストの準備をすまし、炭酸水を棚から出したところでコンロの前に向かった。
弱火を止め、蓋をあける。
顔を覆う湯気に歓喜した。待ちきれず、皿を出し、めい一杯によそった。
席に着き、一口目を運んだとき、彼の一日が始まった。




