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雅と理奈

「行ってきます」


「行ってらっしゃい」


朝早くから、理奈が一人で出かけた。


私は眠かったので部屋に向かった。


***


「おっ、来たね。約束通り」


そう言ったのは、雅姉だった。


「それより、話ってなに?」


私は、光姉と過ごせるはずだった休日の日に、この人のせいで時間を潰されたことに怒りを覚えていた。


「まぁ、ここだと人いるから、別のところへ行こう」


私は、雅姉の後ろを付いて歩いた。


しばらく歩くと、どうやら目的地らしきところについた。


「さあ、ここで話そう」


そこは、河原だった。


「なんでここ?」


「まぁ、いいから」


私は、河原にすわり、川を眺めた。


「理奈、光のどこが好き?」


急に聞かれた質問に、びっくりして、雅姉を見た。


雅姉は、まっくず前の川を見つめていた。


「色んな所」


「例えば?」


「そんなの、話したら1日じゃ足りない」


「姉妹だよ?親に言える?世間の目は?」


雅姉は、いろいろ質問してきた。


「親に言えないかもしれないけど、私はそれでもいい。かまわない。世間の目なんて気にならないほど、光姉が好き」


「光は?」


「え?」


「光の気持ちは?どーなんの?」


雅姉からの視線を感じたから、雅姉をみたら目が合い、真剣な目から逃げることができなかった。


「そんなこと、考えさせない。光姉が世間の目を気にしたり、そんなこと気にさせないくらいにする。雅姉は?」


「私も同じ考え」


雅姉とこんな話をしたのは初めてだから、なんかむず痒い。


「てか、なんで急に?」


「んー。なんとなく。理奈は光のこと本気なのかな?って」


そう言い切ると、雅姉は急に立った。


私も、同じように立ち、雅姉と同じ目線に立った。


「光の事、ヨロシクね」


その言葉と同時に、雅姉に肩を押された。


不覚にも、私は揺らついてしまった。


大きな水しぶきとともに、川に落とされた。


「痛っ…。何すんだよ!」


雅姉は、にこっと笑うと、


「光をヨロシクって言ったんだよ」


「ちょっと待てよ!」


私は、停止仕掛けた思考をフル回転させた。


「なに?」


「何でそんなに上から目線なんだよ!光姉の気持ちはいいのかよ。どうせ自分じゃ幸せにできないからでしょ?」


私は、ムキになりながら言った。


「光にはほんとに幸せになってほしいからだよ」


私は、その言葉を聞いた瞬間に、腹が立ち、雅姉の手を引っ張り、私と同じように川へ落とした。


「光姉の幸せは、雅姉が決めるものじゃない」


私は、自然と出て来たその言葉に、自分自身にびっくりして、笑った。


「なんで笑ってんの?」


「絶対、雅姉よりも、好きって言わせるし」


「望むところだね。私も負けないけどね」


お互い笑って終わった。


「てか、雅姉はなんの話がしたかったわけ?」


「んー、ライバル同士、姉妹同士、話しよーかなって。

今まで、理奈とはあんまり話さなかったからね」


雅姉は、立つと。


服びちょびちょといい、川から出た。


「今日、光に告白しようと思う」


雅姉はそう言った。


「私も」



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