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夕暮れ時の観覧車

ある人のおかげで何となく物語が思いついてきたので、もー、ほんとに感謝感謝です!


ご愛読ありがとうございます!

「なんで、るーちゃんと中々ペアになれないの?!」


ジェットコースターや乗り物。


グットパーで決めてるのに、真弥の思惑通り毎度毎度変わらないペアに咲さんは痺れを切らしてる様子。


「もー、咲がグー出すからだよ」


瑠美姉が笑いながら言う。


「だって、るーちゃんがパー出すんだもん!」


仲が良過ぎて中々ついてけない私です。


真弥はそのやり取りを見てたくないのか、遊園地のパンフレットを見ている。


「分かった!なら、次は一緒に乗ろうね」


嬉しげに言う瑠美姉に、寂しげに返事する咲さん。


ほんとに両思いみたいだ。


***


夕日が落ちる前、ほとんど乗り物を乗りつくした私達は最後の乗り物へと向かった。


なんだかんだでトラブルもなく過ごせて、私はほっとして胸をなでおろした。


「最後は観覧車だね!」


瑠美姉が言った。


「るーちゃん、話したい事があるから一緒に乗ろう?」


真剣な咲さんの顔に瑠美姉は何となく何かを感じ取ったそうで、一緒に乗ることに決めたらしい。


一方真弥は、最後の最後で咲さんを取られてちょっと不機嫌な様子。


瑠美姉と咲さんが乗る前に先に私達が観覧車に乗った。


「扉にもたれないようにお願いしまーす!」


ガチャン


「もぉー、いつまで笑ってんの真弥は。怖いよ」


「いや、だってもう、失恋確実でしょう」


「まだ決まったわけじゃないじゃん!」


「知ってた?この遊園地でのジンクス」


ジンクスって真弥ってそんな事信じるっけ?


「夕日が落ちる頃に観覧車に乗って頂上でキスをすると二人は結ばれる」


「そんなの信じてるの?」


「確実でしょう」


私達は1つ下のゴンドラをみてみた。


何かを真剣に話してる様子で、何となく気になったが、聞こえないものは聞こえないのでそこは割り切ったし、瑠美姉の事だから、また後から相談してくるだろうと思い真弥を励ますことに専念した。



暫くして、夕日が街のビルの間に消えかかる頃私達のゴンドラは頂上を目前にしていた。


「光、私やっぱり片思いでもう一回頑張るよ」


真弥のいつも通りの答えに嬉しくなり、私は真弥の頭を撫でた。


「私も応援する」


「ありがとう」


そして、次は瑠美姉たちのゴンドラが頂上に上がった。


その途端に軽くゴンドラが揺れた。


真弥の目を見ると動揺していた。


きっと何かを悟ったのだろう。


静かに泣く真弥を抱きしめて地上に着くのをただ待つだけだった。




十数分待ちようやく開いた観覧車の扉。


足取りが重く感じた。


真弥はすっかり泣き止んでおり、いつもの顔に戻っていた。


「光ありがとね」


「うん、全然いいよ」


そして、次に降りてきたのは瑠美姉たちだった。


真っ赤な顔の瑠美姉に、少し目の赤い咲さん。


「さ、帰ろうか」


瑠美姉の一言で今日は帰ることとなった。


歩いてる時も真弥は笑顔を絶やさなかった。


「咲さん!」


家に着く前に、真弥が急に咲さんの名前を呼んだ。



「どしたの?真弥ちゃん」


「話したい事があるんでちょっといいですか?」


「うん、いいよ。あ、るーちゃんたちは先に帰ってて」


私は、真弥頑張れと心の中で呟いた。


そして、私達は家に帰った。


「ただいまー」


「ただいま」


「光ちゃん、ありがとね今日」


「んーん、全然気にしないで、私も楽しかったから」


「あのね、私咲に告白されちゃった」


少し俯いた様子で言う瑠美姉は、どうやら気づいてない様子だった。


「瑠美姉が好きな人なら私は歓迎するよ」


私は微笑みながら言った。


「私ね、返事は先送りにしてもらった」


「そっか」


「難しいよね。きっと今も昔もずっと好きでいてくれたこと心の何処かでは気づいていたのに」


なんて、瑠美姉は寂しげに言ってた。


「さ、ご飯作ろ!何がいい?」


「今日は咲さんの好物でいいよ、きっともーすぐくるだろうから」





***



「ごめんね、私はるーちゃんが好きなの」


「そんなの知ってます。私片思いでもいいです。絶対、この1年間で少しは私の方に目を向けてもらえるように頑張ります」


「真弥ちゃんの気持ちはほんとに嬉しいよ。ありがとね」




きっと、みんな辛いんだ。


大切な、大好きな人が誰を選ぶかなんて誰もまだ何も分からないから。

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