瑠美姉と真弥と咲さん
「光ー、朝ありがとね〜!」
そーいってきたのは、真弥だった。
「てか、言うの遅い」
今は朝でも昼でもない。
「あはっ。余韻に浸りすぎて時間が過ぎるのがはやかったよ」
時計を見るともう4時過ぎ。
とっくに帰りのHRは終わっている。
「そー言えば、真弥は部活はいらないの?」
私たちは入学したばっかで、まだ仮入部など体験入部などの時期だ。
「んー、咲さんと同じ部活がいいけど。咲さん部活入ってないみたいだから」
と、急に暗くなった。
「いや、逆にカッコいいところ見せて惚れさせれば?ここ女子校なんだし、真弥にとっては簡単な事だと思うよ?」
とか、なんとか言って。
真弥を明るくさせようとするけど。
「だって、もし、試合とかに見に来てくれなかったら?」
無意味だった、初めて見る真弥の凹み具合に私も大分気が滅入りそうだ。
「瑠美姉に手伝ってもらうよ」
私がそう言うと何故かそこは断られた。
「いや、いいそれは」
「何で?」
「んー、なんとなく?さ、帰ろ?」
「うん」
***
帰宅後
「瑠美姉」
ご飯の準備をしている瑠美姉に声をかけた。
うちは対面式のキッチンなので椅子を持ってきてそこに座り瑠美姉の顔が見えるようにした。
「何?珍しいねひかりちゃん」
いつもの甘ったるい声で反応してくれた。
「咲さんて好きな人いるの?」
私がそう聞くと、瑠美姉はどことなーく知ってる雰囲気をかもしつつ。
「あー、真弥ちゃんね?真弥ちゃん咲の事好きみたいだね」
「瑠美姉も気付いてたの?」
「そりゃね、真弥ちゃんは中々人に引っ付いたりしなさそうなのにね」
「うん?まー、確かにね」
「瑠美姉は?咲さんの事どー思ってるの?」
その質問をしたとき、瑠美姉は
「んなわけないじゃん!光ちゃんが好きなんだよ?私」
なんて言って取り乱していたのは、よーく分かった。
「瑠美姉は素直になった方がいいと思うよ」
わたしはそう言うと、瑠美姉に微笑みかけてその場から去った。
私も自分自身が何をしたいのかわからんくなってきたな。