宇宙軍2(停留地で)
確かに一人一人の力を鑑みると、戦争になれば、強い力を発揮する。
でも、ある意味てんでバラバラの方向を向いている。
でも、それが同じ方向を向けば、こんな強い艦はないかもしれない。
「でも、代わりを申し出る、優しい人が欲しいならそれも考慮に入れて引っ張って来ないと」
「確かにな。でも、そう言う奴は、この艦では使えない」
「なぜです?」
「自分の時を思い出してみろよ。普通の神経の持ち主はまず、続かないよ。この艦ではね」
そう意味深に言って笑う。
「確かにそうですね」
「だろ。う~ん、疲れた」
「お疲れ様です」
光輝は延びをし、腕を回す。そして、画面に自分のコードを入力する。これで、勤務終了となる
「なぁ、冬眞君。こんなヘロヘロの艦長を見て、マッサージしたくならないか?」
「なりませんよ。そんな、元気が余ってる人に、何でわざわざマッサージしなくちゃならないんですか?」
「えっー、元気余ってないよ。ホラ」と言って、ガックシ肩を落とす。
「それだけ元気なら、大丈夫ですね」
「冬眞君が厳しくなった」
光輝は、そう言って泣き真似をする。
光輝が考えに耽っていると冬眞が言う。
「もう少しで停留地に着きますから、少し寝て格好を整えて下さい」
「そんな言う程不味いか?」
「ええ、艦長の目の下に熊が3匹位いますし、その格好は非常に不味いですね」
と言うのも、光輝の格好は短パン、ランニング、その上髪はボサボサ、隈までいるとなったら、ちょっとである。
で、光輝は、欠伸をしながら、自分の部屋に戻る。
戻った光輝は、腕時計を操作する。
3時間後にアラームを設定する。
アラームが鳴ると光輝はそのまま風呂場へと直行する。
光輝は、熱い湯を掛けると目を覚ます。
光輝は両頬を叩くと、髪や体を洗う。
「よし」
そう言って、光輝は髪を拭くと、ワックスをかけ
髪をおろし、帽子を被り、伊達眼鏡をする。少しでも、素顔を隠そうとするかのように。いつものことだ。
そして、軍服に腕を通し、ネクタイを締める。
まるでおろしたてのように軍服はピッシリとしていた。
光輝はブリッジへ戻った。
すると、冬眞が弾かれたように、顔を上げた。
そして、感動する。
「やはり、艦長格好良いですね。ずいぶん印象が変わりますよ」
「そんなに違うかな?」
「ええ。いつもボケラとしてるのが。凄くピッシと引き締まっていて、格好いいです」
「ボケラって、それは酷いだろ? それに、いつもはどう見えているのかね。気になるな」
「それはまた次の機会に。だって、そのぐらい違います」
「ありがとさん、でも、惚れるなよ」
「惚れませんよ、安心して下さい」
「良かった」
「そこまで。僕は女性に、不自由してませんから」
「お~、冬眞君から、モテる発言か?」
「そんなんじゃありません、艦長には負けます」
「俺は、心酔されすぎて、逆にモテないよ」
「えっ、どうして?」
「なんでも、彼女たち曰く、俺には誰も手を出しちゃ行けない決まりがあるらしいぜ」
「何かそれも、嫌かも」
「いや、俺には大歓迎だ。今、付き合いたいと思う女がいないしな。出来たらその時考えるよ。それより、艦内に放送を掛けろ。もう、すぐ着くからな。皆に部屋から一歩も出ないか、もしくは、身だしなみを整えて、星に降りるか。ただ降りた場合の宿泊施設は、自分で何とかしろって言っておけ。皆に、どちらか好きな方を選べってな。ただ、降りた場合、艦員として秩序ある行動しろと言っておけ。それで、下りるか、残るかを決めておけってな」