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第九話 対策

王立アルカディア魔導学院の門。

短い沈黙のあと、ユリウスが口を開いた。

「条件が満たされれば

時間は巻き戻されます」

その事実は、すでに誰も否定しなかった。

エレナが小さく言う。

「……どうすればいいんでしょう」

ユリウスは落ち着いた声で答えた。

「簡単です

確認されなければいい」

レオンハルトが腕を組む。

「つまり

隠れるわけか」

ユリウスは頷いた。

「可能性のある人物は二人」

静かに言う。

「クラリス様

そして殿下です」

その場が静かになった。

リディアが言う。

「では二人を分ければ」

ユリウスは答える。

「ええ、どちらが原因か分かります」

そしてクラリスの方を見る。

「クラリス様、令嬢の皆様にお願いがあります」

エレナが姿勢を正す。

「何でしょう」

ユリウスは言った。

「クラリス様を囲んでください

そして保健室へ」

ミレイユが驚く。

「保健室ですか?」

ユリウスは頷いた。

「学院の中でも人の流れが少ない場所です、

学生が近づく理由もほとんどない。

姿を隠しやすい」

リディアが理解したように言う。

「なるほど

視認されない場所ですね」

ユリウスは続けた。

「決して一人にしないでください

視認されたらどちらが原因かわからなくなる」

エレナが胸を張る。

「任せてください」

三人の令嬢はすぐに動いた。

クラリスを中心に立つ。

自然な壁ができる。

クラリスはユリウスを見る。

「分かりました、保健室へまいります。

 みなさん、ご協力ありがとうございます。

 まいりましょう」

そして、4人は保健室へと歩みだした。


そのあと。

レオンハルトが小さく笑った。

「俺はどうする」

ユリウスは答える。

「殿下は動いてください」

「動く?」

レオンハルトは眉を上げる。

ユリウスは言う。

「この学院には

魔導対策官がいます」

レオンハルトはすぐに理解した。

「なるほど」

そして後ろの騎士を見る。

「行くぞ」

護衛騎士たちはすぐに動いた。

自然な形でレオンハルトを囲む。

王族の護衛陣形だ。

その後ろにユリウスは付く。

レオンハルトは歩きながら言う。

「アレクシスに会う」

第一王子。

王太子。

そしてレオンハルトの兄だ。

ユリウスが頷く。

「一学年上でしたね」

レオンハルトは言う。

「ああ

魔導対策官を動かすには

王太子の命令が一番早い」

ユリウスは静かに答えた。

「権力を使うのですね」

レオンハルトは言葉を続ける。

「そうだ、簡単に

時間を繰り返させるつもりはない」

ユリウスは小さく頷いた。

そして言う。

「では

今回で終わりに

犯人を見つけましょう」

そのとき。

少し離れた場所で。

ピンク色の髪の少女が、レオンハルトの後をゆっくりと後をつけていた。



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