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第十三話 包囲網

王立アルカディア魔導学院の門。

レオンハルトとクラリスの周囲には、

令嬢たちと護衛騎士達、

その周りに騎士科の学生たちが立っていた。

ガルドを中心に、数人の学生が壁を作る。

完全な人の盾だ。

ガルドが腕を組んで言った。

「これなら見えない」

レオンハルトは小さく笑った。

「ずいぶん大げさだな」

ガルドは真顔で答える。

「王太子殿下の命令です」

そのとき。

「大げさではありません」

静かな声がした。

ユリウスだ。

「殿下が見られた瞬間、時間は巻き戻ります」

ガルドは頷いた。

「だから壁になります」

レオンハルトは肩をすくめた。

「分かった」

その少し離れた場所で。

セシル・ラウレンツが講堂の入口を見渡していた。

琥珀色の瞳が、人の流れを観察している。

「……なるほど」

小さく呟く。

そして近くにいた学生に声をかけた。

「少し頼みたいことがある」

学生は驚く。

「セシル?」

セシルは静かに言う。

「この話は信じられる人間だけに伝えてほしい」

そして続ける。

「この学院では

時間が繰り返されている」

学生は一瞬固まった。

だが。

セシルの顔を見て、冗談ではないと理解する。

「……本気か?」

セシルは頷いた。

「証拠はある」

そして小さく笑う。

「信じないなら」

「次の巻き戻りで分かる」

学生は息を吐いた。

「分かった」

「協力する」

セシルは軽く礼をした。

「助かる」

その後。

情報は静かに広がっていった。

セシルの人脈。

友人。

顧客。

そして学院の学生たち。

信頼できる者だけに。

「時間が繰り返されている」

その事実が伝わる。

もちろん。

教師陣にも。

学院の教師の中には、魔導研究者もいる。

時間干渉の話を聞いて、すぐに理解する者もいた。

そして。

一つの命令が出る。

――不審な行動をする者を監視せよ。

特に。

レオンハルトの周囲。

誰が近づくのか。

誰が視線を向けるのか。

何か不自然な行動をする者はいないか。

学院全体で観察が始まった。



その頃。

講堂の奥では。

アレクシス・アルヴェリアが静かに立っていた。

王太子の周囲には、魔導対策官が集まっている。

アレクシスは短く言った。

「命ずる」

対策官たちは姿勢を正す。

アレクシスは続ける。

「次の巻き戻りでも

私の命令を待つ必要はない」

一人の対策官が言う。

「殿下?」

アレクシスは静かに答えた。

「時間干渉が確認された場合

 時間が巻き戻って

命令がされていない状態になっても

即座に取り締まれ」

その場が静かになる。

アレクシスは続けた。

「これは学院の問題ではない

王国の問題だ」

対策官たちは一斉に頭を下げる。

「承知しました」



そのとき。

門から少し離れた広場で。

ピンク色の髪の少女が立ち止まっていた。

リリア・フェアライト。

彼女は少し首を傾げる。

「……あれ?」

いつもと違う。

門の前がいつもより騒がしい。



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