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第十二話 肉壁

王立アルカディア魔導学院の門。

クラリス・ヴァレンシュタインは静かに目を開いた。

門の石畳。

朝の光。

集まる新入生。

また戻った。

しかし今回は、胸の奥に確信があった。

……やはり。

自分ではない。

直前までクラリスは保健室にいた。

誰にも見られていない場所だ。

友達にも壁になってもらっていた。

それでも時間は巻き戻された。

つまり。

ターゲットは自分ではない。

「クラリス様!」

声が響いた。

エレナ、リディア、ミレイユ。

三人の令嬢が駆け寄ってくる。

そして自然な動きでクラリスの周囲を囲んだ。

ほとんど同時に。

「クラリス」

レオンハルトが護衛騎士達をつれて近づいてくる。

令嬢たちは自然な動きで、レオンハルトを自分たちの壁の中に取り込んだ。

エレナが小さく言う。

「また門です」

ミレイユも頷く。

「保健室の後ですね」

クラリスはレオンハルトを見る。

レオンハルトは落ち着いた様子で言った。

「兄上が動く」

クラリスが目を瞬く。

「アレクシス殿下が?」

レオンハルトは頷く。

「魔導対策官を動かすそうだ」

リディアが驚いた。

「それは……

学院全体の問題になりますね」

レオンハルトは肩をすくめた。

「すでになっている」

そのとき。

「アレクシス殿下」

静かな声がした。

振り向くと、銀髪の少年が立っている。

ユリウス・フェルンベルク。

魔導科首席だ。

レオンハルトが言う。

「来たか」

ユリウスは頷いた。

「はい」

クラリスが言う。

「わたしは、先ほどの今日は保健室で終えました。」

ユリウスは答える。

「やはり

結論はでました」

その場が静かになった。

ユリウスは言う。

「クラリス様は保健室にいました」

クラリスは頷く。

「はい」

ユリウスは続ける。

「それでも時間は巻き戻った」

レオンハルトが腕を組む。

「つまり」

ユリウスは静かに言った。

「ターゲットは

レオンハルト殿下です」

エレナが息を呑む。

ミレイユも目を見開く。

レオンハルトは小さく笑った。

「やはり俺か」

ユリウスは頷いた。

「講堂で殿下が視認された

その瞬間に巻き戻された」

クラリスは静かに言う。

「だから

保健室まで進めたのですね」

ユリウスは答える。

「殿下が見えない間は

時間が続く」

そのときだった。

「殿下!」

大きな声がした。

振り向くと、一人の青年が走ってきていた。

赤い髪。

鍛えられた体格。

騎士科の制服。

ガルド・ヴァルグレン。

騎士家系の学生であり、学院でも有名な人物だ。

そして乙女ゲーム『ロイヤル・スペル』の攻略対象の一人でもある。

ガルドはクラリスたちの前で止まる。

「王太子殿下から連絡を受けました!」

レオンハルトが聞く。

「内容は」

ガルドは後ろを指した。

そこには数人の学生が立っていた。

騎士科の学生たちだ。

ガルドは真顔で言った。

「肉壁です」

クラリスが思わず聞き返す。

「肉壁?」

ガルドは頷いた。

「王太子殿下が言ってました」

そしてレオンハルトを見る。

「殿下を見えなくしろ」

そして笑った。

「だから」

「俺たちが壁になります」



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