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第十話 プレイヤー

王立アルカディア魔導学院の門の近くの広場。

リリア・フェアライトは人混みの中に立っていた。

ピンク色の髪を揺らしながら、周囲を見回す。

いつもなら。

もう終わっている時間だった。

広場で意識を取り戻す。

門をくぐる王子を見つける。

ステータス確認。

リセット。

それで終わりだ。

だが今回も違った。

「……見えない」

リリアは小さく呟く。

レオンハルト・アルヴェリア。

第二王子。

本来なら門の近くで、すぐに見つかるはずの人物。

しかし。

今回は護衛騎士に取り囲まれていた。

完全な護衛陣形。

人の壁の向こうに隠れている。

キャラ萌えをしないリリアは、ユリウスの存在にまったく気づかなかった。

「……面倒くさいな」

リリアは少し眉をひそめた。

MODウィンドウを開く。

しかし。

ターゲットが視認できないと、ステータスは表示されない。

つまり。

確認できない。

「はぁ……」

小さくため息をつく。

こんなことばかりだ。

今までは。

すぐに見つかった。

すぐに終わった。

だが。

「最近、変なんだよね」

リリアは小さく呟く。

ここ数回のループから。

レオンハルトの行動がおかしい。

門の近くで人に囲まれる。

人の後ろにいる。

妙に見つけにくい。

「気のせいかな」

リリアは首をかしげる。

ゲームのNPCが、そんなふうに行動を変えるはずがない。

でも。

最短でループできない。

それは確かだった。

リリアは少し考える。

そして肩をすくめた。

「まあいいか」

どうせ。

逃げられない場所がある。

講堂だ。

入学式では、全員が席に座る。

王子も当然、席につく。

そのときは。

「隠れられない」

リリアは小さく笑った。

「講堂で確認すればいい」

どうせ。

ステータスを確認した瞬間。

世界をリセット。

何百回もそうだった。

今回も同じだ。

リリアは歩き出す。

学生の流れに混ざりながら。

講堂へ向かう。

「どうせ、また外れなんだけどね」

リリアは肩をすくめた。

それでも。

確認しないわけにはいかない。

レオンハルト・アルヴェリア。

クラリス・ヴァレンシュタイン。

その関係が崩れた瞬間。

1000分の1のイベントが起きる。

その瞬間を見るまで。

リリアはやめるつもりはなかった。

今度はレオンハルトがどこの席に着くのか。

リリアは、静かにその後を追った。


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