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第一話 1000分の1の入学式

乙女ゲーム

『ロイヤル・スペル:身分違いの恋は魔法にのせて』。

それが、今私がプレイしているゲームだ。

ダイブ型体験ゲーム。

プレイヤーは実際に世界に入り込み、魔導学院の学生として二年間を過ごす。

恋をして、友情を築き、卒業する。

そんなリアルな学園恋愛ゲームだ。

――普通に遊べば、の話だけど。

私は今、学院の門の前に立っていた。

王立アルカディア魔導学院。

この国で一番有名な魔法学校だ。

門の前には新入生が集まっている。

貴族の子どもたち。

庶民の学生。

そして私。

リリア・フェアライト。

表向きは、光魔法が得意な庶民の少女。

でも本当は。

このゲームのプレイヤーだ。

私はそっと視界の端に意識を向ける。

すると、普通の人には見えないウィンドウが開く。

MODメニュー。

本来このゲームには存在しない機能だ。

ダイブ型ゲームは基本的に

セーブなし。

人生を一度だけ体験するゲームだからだ。

でも私は入れてしまった。

セーブMODを。

理由は簡単。

このゲームには、どうしても気になる攻略キャラがいる。

第二王子

レオンハルト・アルヴェリア。

黒髪、紫の瞳。

高身長で、騎士のような体格。

そして性格は、真っ直ぐでカリスマ的。

でも。

このキャラにはルートがない。

公式の攻略対象は四人。

第一王子

魔導科首席

騎士科エース

商会の御曹司

第二王子は含まれていない。

でも、データ解析をすると分かる。

未使用イベントがある。

それが。

入学式イベント。

条件は一つ。

「第二王子と婚約者の関係が悪い状態で入学式を迎える」

その確率。

1000分の1。

普通にプレイしていてはまず起きない。

でも、セーブMODがあれば話は別だ。

入学式直前でセーブして、

外れならリセット。

当たりが出るまでやればいい。

私はすでに――

三百回以上、やり直している。

そのときだった。

ざわり、と周囲が騒いだ。

「第二王子殿下よ」

人混みの向こうから、黒髪の青年が歩いてくる。

レオンハルトだ。

私は思わず息を止める。

やっぱり格好いい。

でも。

問題はその隣だ。

茶色の髪。

落ち着いた雰囲気の令嬢。

緑の瞳。

侯爵令嬢。

クラリス・ヴァレンシュタイン。

第二王子の婚約者。

二人は並んで歩いていた。

自然な距離。

まるで長年連れ添った夫婦のように。

クラリスが小さく言う。

「殿下、手を離してください」

レオンハルトは答える。

「嫌だ」

「ここは学院です」

「婚約者だから問題ない」

周囲の令嬢たちがざわつく。

私は思わず顔をしかめた。

……まただ。

毎回これだ。

二人は。

めちゃくちゃ仲がいい。

私はすぐにMODウィンドウを開く。

レオンハルトのパラメータを確認する。

好感度

クラリス:最大

私はため息をついた。

「……また外れ」

私はMODを操作する。

セーブポイント

入学式前。

リセット。

その瞬間。

世界が白く染まった。




――運営からのお知らせ――


お疲れ様です、お嬢様(プレーヤー)


本日『ロイヤル・スペル』は

Ver.1.635.0にアップデートされました。


【問題修正】

・各種不具合の修正

・バランス調整

・不正改造への対策


アップデートを適用しています……



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