終わりと始まり
「…なんでこうなったんだろう。」
見慣れない平原に放り出され、
しかたなく離れたところに見える街に向かいながら、
自分を恨んだ。
「なんで無責任なこと言っちゃうかなぁ。」
そうつぶやきながら、俺はふらふらと丘を降りていった。
〜〜〜〜〜
「今日も部活疲れたなぁ〜!」
俺はそう言いながら体を伸ばす、、
周りに誰も居ないことを確認すると、
「・・・はぁ、、」
とため息を付く、
俺の名前は成田 海人、成田空港の成田に、海と人と書く、
部活でつかれたな、と見栄を張ってはいるが、
実際は図書局員という、ただ座っているだけでいい、疲れる要素の一つも見当たらない部活だった。
「今日はカレーだったっけなぁ、早く食べたい。」
そういい頭をポリポリかきながら青信号を渡る、
退屈で、家以外居場所のない俺、
部活も、内申点のために入っているだけ、
異世界に行く方法も、何度も試したが、
結局何も上手くいかない、
異世界に行きたいなぁ、そんなことを考えていると
ドン!
と、俺の体に衝撃が走り、体が一回転する、
咄嗟に柔道で習った受け身を取るも、上手くいかず尻もちを着いてしまった。
「痛え、、」
そう言いながらゆっくり立ち上がった、
どうやら右折車に巻きこまれたらしい、
「だ、大丈夫ですか!?ごめんなさい!ぼーっとしてて、、」
相手の男性が平謝りしてくる。
「い、いえ、大丈夫です。」
そう言い立ち上がった瞬間、俺の意識は闇へと落ちた。
目が覚めると、
真っ暗な世界にぽつんと立っていた、
眼の前には淡く光る女性が居た、
俺はその人のことを、直感的に女神だと悟った。
俺は心に思ったことを口に出した。
「俺、、死んだんですか?」
女神が言葉を口にした
「はい、残念ながら、亡くなりました。」
俺はフッと笑った。
「死因はやっぱ車に撥ねられたからですか?」
すると女神は言う
「違います。車のはただの打撲と捻挫です。」
「え?」
間抜けな声が出た。
「いえ、間接的にはそうかも知れません。」
女神は困惑しながら言う
「立ち上がったときにふらつき、ガードレールの端に頭を強打、出血多量でお亡くなりになりました。
驚きましたよ、車にはねられて亡くなってしまった方はよく来られるのですが、
無理に起き上がってガードレールに頭を強打して亡くなるなんて、、」
俺は絶句した、まさかそんな死に方してたなんて、、
「それでは、あなたを輪廻の輪に戻します、来世は良い人生を送れるように、、」
その言葉を聞いて、俺は咄嗟に叫んだ
「え!?異世界に行けるとかは?」
すると女神は不思議そうに言った
「そんなことはございませんが?」
「いやいや、ここは異世界の勇者的な、、もっとこう、、なんか無いんですか!?」
女神は少し考えていると、
「えっと、、もう勇者は居ますし、特段与えられる能力も無いですが、
それでも良いなら、転生枠があるので、そことかにします?」
(よっしゃ!言ってみるもんだな!う〜ん、でもなぁ、、能力なしか、、)
「勇者以外に、なんかこう、使命とかある仕事とかありませんか?」
「使命、、ですか、、」
女神様は少々困ったように考えると、
「う〜ん、ちょっと上と相談します、、」
すると、白い黒電話が出てくる
カラカラカラ、、、カラカラ、、
「あ、すいません、…様はいらっしゃいますか?」
そう言い、女神様は誰かと電話し始めた
「えっと、、はい、そうです、使命的なものが欲しいらしくて、、」
「そこって、、確かあの枠空いてたはずですね、そちらに送っていただけると管理的にも助かります。」
「あ、わかりました、ありがとうございます。」
そう言い、電話を切った女神様
「少々、たまに依頼があるかもしれませんが、使命付きで能力とかもらえるものありますよ、」
「マジですか!!」
やったぜ。
「仕事って、、ペースはどれくらいに?」
女神様は指折り数えると、
「多くて月一、少なくとも半年に一回ですかね。」
「受けます。」
「ただし、、え?あ、わかりました。では送りますね!!」
なんか急いでないか?
というか、、ただしってなに
「では、、行ってらっしゃいませ!!」
ふわっと体が浮かび上がる、
「ちょ!?ただしって何!?」
そういった瞬間、見慣れない草原にぽつんと立っていた、
サァァァァ、、と風が流れる
「ここが異世界、、」
そう言い、顔に差し込む光を遮ろうと、手を掲げたその時、、
「あれ?」
手に皮膚とか、、筋肉とかが無い、、骨だ。
「え?あれ?」
手のひらや指だけじゃない、、
腕にも肉という肉がない。
足に関しては存在すら無い。
見える範囲で体を見ると、
下半身がなく、上半身は骨オンリー、
そして背後に刺さってるコレ
「…なにこれ」
〔死神の大鎌〕
・武器詳細
死神のみ所持を許される大鎌
大抵のものを引き裂き、魔力を込めれば魂すら切り裂く死神のメインウェポン。
・能力
〘抜魂〙対象の魂を引き抜き、手中に収める能力、死亡済みか瀕死の生物にのみ使用可能
〘罪と罰〙対象の犯した罪に応じ、最大体力における割合ダメージを与える
〘絶対切断〙魔力を込めることで、込めた魔力に応じ、切れ味が増加する
〘不破壊〙この武器はいかなる手段でも破壊できない
・代償
〘装備不全〙この武器以外の装備を装備できない
〘解除不能〙この武器を放棄、譲渡、装備解除ができない
なんか出てきたし、、そしてやっぱり、、、
「俺死神じゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」
いったん落ち着こう
とりあえずこのボロいローブは何だ。
〔死神の外套〕
・防具詳細
死神のみ装備を許される外套
大抵の魔法や物理攻撃を防ぎ、日光によるダメージを受けない
・能力
〘魔法攻撃大耐性〙魔法攻撃を95%カット
〘物理攻撃大耐性〙物理攻撃を95%カット
〘不破壊〙この装備はいかなる手段でも破壊できない
〘自然影響無効〙魔法以外の雷、炎、水などからの影響を無効化する
・代償
〘装備不全〙この武器以外の装備を装備できない
〘解除不能〙この武器を放棄、譲渡、装備解除ができない
〘神聖属性脆弱化〙神聖属性の耐性が減少する
めんどくさい外套だなおい
しかし、、コレがなきゃ今頃俺は日光でジュワ〜ってことか、、怖、、
そしてなにより俺についてだ、、
・人物詳細
名前 無名
種族 死神
性別 無性
年齢 解析不能
職業 死神
・ステータス
生命 SS 知力 S
魔力 SS 精神 S
体力 SS 敏捷 S
技能 S 幸運 S
レベル 解析不能
・能力
〘審判〙対象の鑑定を行う、また、解析を行うと、業が表示される。
〘死神の宣告〙業が〔中罪〕を超えた相手に使うと、相手に不幸なことが起こる、
さらに〔生命を侮辱するような行為を行った者〕に死を宣告すると、
1~7日以内に何らかの要因で死亡する。
〘断罪〙業が〔重罪〕を超えた相手に行使すると基本的に即死させる
〘吸魔の接触〙対象の表皮に触れることで、体力、魔力を吸収する。〔無垢〕には使用不可
〘天秤〙その者の業に応じ、対等な罰を与えられる。罰は能力使用者に一任される。
〘死の時計〙対象の寿命を、24時間程度の時間前後させられる。〔無垢〕の寿命を減らすことは出来ない。
〘死の魔眼〙1日以内に亡くなる者の頭上に残り寿命が見えるようになる(任意発動)
〘覇者の言霊〙話す内容が、おぞましい死神のような口調になる、
付属し、業が高い相手には〔威圧〕を発生させる。
なんだよ業って
〔業〕
対象の犯した罪に応じて振り分けられる、スキル発動の条件の一つ、
また、具体的な犯罪内容も記されており、10段階に分けられる
無垢 悪事も知らぬ純粋な者
小罪 軽い罪悪感を感じる程度の罪を犯した者
軽犯 軽犯罪を犯した者
中罪 窃盗など、他者に損害を与える罪を犯した者
侵害 暴行など、他者に著しい傷害を与える罪を犯した者
重罪 殺人など、他者の生命を奪うような罪を犯した者
凶行 大規模な詐欺など、規模の大きな罪を犯した者
凶悪 テロや大量虐殺などの、とてつもない罪を犯した者
大罪 神の定めた大罪を大量に犯した者
原罪 神すら見放す巨悪を犯し続けた者
へぇ、、要するに悪いことをしたら増えるってわけか。
、、と、そんなことを考えていたら魔物か?アレ。
目の前から巨大なイノシシのような魔物が突っ込んできていた。
「初戦闘か、緊張すr」
ヒューン
魔物は横を通り過ぎた
「あるぇ!?」
〔死神〕
死を司り、死者をあの世へ導く神
死者か、死に逝きそうな生物にのみ視認出来る
また、念じればその相手のみ視認できる
また、聖なる力を嫌い、強力な神聖魔法を浴びると、一定時間能力が行使不能になる
なるほど、見えなかったのね。
そうだ、ステータスの項目でも見るか
〔生命〕生命力を表す、一定値を下回ると瀕死状態になり、0になると死亡する
〔魔力〕魔の力を表す、一定値を下回ると魔力欠乏になり、0になると失神する
〔体力〕体の力を表す、一定値を下回ると疲労状態になり、0になると酸欠になり、動けなくなる
〔技能〕器用さを表す、高ければ高いほど、製造や罠解除などが容易となる
〔知力〕知の力を表す、高ければ高いほど、相手の解析や、魔法習得が容易となる
〔精神〕精神力を表す、高ければ高いほど、魔法制御が上達し、格上相手に物怖じしなくなる
〔敏捷〕速き力を表す、高ければ高いほど、移動速度や詠唱速度が早くなる
〔幸運〕運の力を表す、高ければ高いほど、宝の発見率や、命中率を上げる、能力に補正がかかる
〔瀕死状態〕死にかけであり、生命を消費する行動を無意識に拒否する
〔魔力欠乏〕魔力がつきかけ、魔力を消費する行動を無意識に拒否する、無理に行うと生命を削る
〔疲労状態〕体力がつきかけ、体力を消費する行動を無意識に拒否する、無理に行うと生命を削る
うわ、結構めんどくさいな、といっても、俺の場合はSSなのでそうそう切れないだろう。
そう考えながら街に入る、
検問中だが、俺は見えないらしいので、列も検問もすり抜けだ。
そう思い街を練り歩く、
中世ヨーロッパのような光景だ。
人々で賑わっているが、俺は見向きもされなかった、
右肩に担いだ鎌を担ぎ直し、スーっと通る。
試しに街中の人々の業をポンポン見てみる
「傷害、恫喝、詐欺、窃盗、う〜ん、、犯罪者だらけ」
そう思い、ギルドに入る
「あの〜」
「、、、」
やっぱり、、返事がねぇ、、、
見えてないんだろう。
姿を表したら絶対神官に通報される、、
とりあえずクエストボードの前に立ってみる、
「奴隷商人の捕縛、、」
一つのクエストが目に入った。
奴隷、そんなことがあるのか、
それを剥がそうとするが、触れられない、
現世のモノには触れられない、らしい
「念じれば取れないかな」
ピッ
「とれたわ」
受けることは出来ないので、街に繰り出す
「飛べるかな」
フワッ
「遅い、、けどまぁ飛べなくもないな」
ふわふわと、空から地上を見渡す
「〘審判〙奴隷の売買を行っている者の位置を示せ」
少し視界が暗くなる、そして、街の西門付近に光が立ち上っていた
国を出て少し立っているが、どうやら馬車のようだ。
「すっげ、ズーム出来るじゃん、千里眼だ千里眼」
そう興奮しつつ馬車の下に飛んでいく
「これ加速出来ないのかな、」
そう思い念じてみる
(車くらいの速度で、、)
すると、飛行速度が目に見えて早くなる
「加速できるのかよこれ!」
そう言いながら森に入りそうな馬車の前に立つ
「ええい止まれ!我が見えぬか!!!」
ガラガラガラ
そっか、見えないのか
仕方ない〘覇者の言霊〙を発動、、!
ガラガラガラ、、
俺は咳払いをする
(すいません、少し用事があるので、良いですかね、)
「貴様に用がある、話を聞いてもらおうか」
まじで翻訳されとる〜、、
「なんだ!?どこから声が聞こえる!?」
そう言い奴隷商人らしきおっさんが指を鳴らす
「どこに居るかわからないが、痛い目に会いたくなきゃ、金目のものコッチに投げてとっとと消えな、」
(奴隷を解放しろ!)
「貴様が拐った奴隷たちを解放してもらおう、さもなくば、罰を下す」
男が顔を青くする
「きっ!貴様、どこでそれを、、いや、知ってるなら、生かして帰すわけにはいかねぇな、
まさか、貴族御用達のグレイス商会である我らが奴隷売買などしているとバレるとは思わなかったが、、
痛めつけて、どこから仕入れた情報か吐かせねばな。」
、、、そうだったんだ、知らなかった。
そういう男の業を見る
グレイス・ベリアス
業 凶行
人身売買 暴行 傷害 殺人 乱暴
そして、続いた項目を見て、血が沸騰する程の怒りに襲われた
未成年傷害 未成年暴行 未成年に対しての乱暴な行為
「貴様、、!幼子に手を出したな!!!!
小さな子どもに手を上げるだけでなく、、あまつさえ尊厳すら奪うとはッッッッ!!!!」
ビリビリと大気が震える
それに怖気付いたのか、護衛が少し後ずさった。
「断罪の時だ、貴様らには、死すら生ぬるい、、、永遠を地獄で苦しむが良い!!」
あまりの悪行に絶句していた俺の口からは、勝手に言葉が紡がれていた。
俺は怒りに任せ、鎌を振り下ろした
〘断罪〙
その瞬間、奴隷商人以外の護衛が力なく倒れ、俺の手元に魂が集まった
「地獄で、永劫を苦しめ。」
恨みを込め、魂を握りつぶした。
魂が砕け、残滓が下へと堕ちていく
「、、、は?」
奴隷商人が口をパクパクさせる
「本来は、貴様を殺したかった、だが、ここで全滅させようが、終わらないだろう、
貴様には、王都の法で裁かれてもらう、商会を根本から潰し、
今後このようなことが起きないよう、見せしめにする。」
そして俺は、髑髏の顔を近づけ、耳元で囁いた。
「楽 に 死 ね る と 思 う な よ ?」
その言葉を聞いた奴隷商人は、恐怖に怯えながら失神した
「うわ、汚い、、」
恐怖で漏らしやがった、最後まで汚いやつだった。
そして、隙間から馬車を覗き込む、
内部には、ボロボロの衣服を着て、鎖で腕と首を檻に繋がれた人々が力なく座っていた、
中には10にも満たないであろう子供も居た。
俺は顔を隠し、〘覇者の言霊〙を切って、話しかけた。
「今から助けを呼んできます、もう少し待っていてください。」
その言葉を聞いた人々は僅かに表情が明るくなった。
俺は失神した男を引きずり、門の前に放り投げた
すると男は目を覚まし、衛兵に助けを乞っていた
{私は奴隷を売買していました、この先の森に奴隷を乗せた馬車があります、お願いします、自首します、お願いですから私を守ってください、幽霊に殺される、、}
と供述し、衛兵が奴隷を保護、
後に奴隷商人は王都に連行され、留置所行きとなったらしいその後は知らんが、
おそらく、公開処刑だろう。
解放された奴隷の話によると、
「姿は見えなかったが、私達を解放してくれた人が居た。
私達はあの人に感謝してもしきれない。」
と、口を揃えて証言したそうだ。
なんでそんなことを知っているかって?
そのとき解放された奴隷の少女が、今まさに、眼の前にいるからだ。
金髪で、狐の耳と尻尾がチャームポイントの、10歳前後の少女が、、
「我に何の用だ?」
その少女はコチラにビッと指を指した。
「私、ルナ、、冒険者になって、強くなりたいの、あなた強い、手を貸して。」
「、、、」
〘審判〙
ルナ
業 無垢
(まじかよ、無垢なんてこの世界に来てから初かもしれない。
う〜ん、手を貸してってことは、仲間になってほしいってコト?
ぶっちゃけメリットとかない、、、)
そう思い、断ろうとした。だが。
(俺は基本的にこの世界のあらゆる物に大抵干渉出来ない、
だが、この少女と一緒なら?守護霊的に動けるようになるのでは?)
冷静に考えた、このままこの少女と手を切ってしまったら、
今後自分の話を聞いてくれる人間など現れないだろう
(この少女は狐の獣人だが細かいことはどうでもいい)
それに、前世からずっと、自由な冒険をしてみたかった。
いいかもしれない。
「我は死神だ、怖くはないのか?」
「別に、表情が優しい気がする。」
少女はきっぱりと言いきった。
「、、条件がある、
我の存在は、絶対に信用できる者以外に話さないこと、
我が常に君のそばにいることを認めること。
それでいいなら、付いていこう。」
「うん、それで良い。よろしく、えっと、、名前なに?」
と、コチラを見てくる
「我に名は無い、勝手に呼べ。」
「じゃあ、、ノワール、私の故郷では黒って言うの。」
、、、
「それは、、はるか東にある、極東の島国か?」
少女は耳をぴくっと動かした
「、、知ってるの?私の故郷、」
「いや、なんとなくだ。」
「そうなんだ。」
あるんだ、この世界にも日本的な国。
ルナはテクテクと歩きながら言う
「じゃあ行こ、ノワール。」
「分かった。」
ルナはコチラを見ると、ポツッと言う
「、、、流石にトイレとかお風呂までは着いてこないよね?」
「…流石にそこまでついては行かん。呼ばれたら行くが、、来てほしいか?」
「遠慮しとく。」
新作です。
なんでどんどん増やしちゃうかな俺。
3月11日 追記 物語の都合上少々変更しました。




