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奇霊譚(くしびたん)  作者: #モノ
魔術手術 ~ Contraindicated Surgery
2/14

暗夜に光る目 ~ Ominous Bird

( *・ω・)ノヤァ( _ᐛ )ノユゥ(*゜▽゜)ノヨォ


【#モノ】です。鴉は可愛いです。

時刻は深夜2時…

世間で言う丑三つ時の時間である。


僧侶の少年空泡(くうた)と普通の少年射竜(うりゅう)は光無き道を進んでいる…

会話と言う会話はあまり無かった…

気になる事は沢山あったが、聞いても良いのかと考えたが、それどころでも無い事を理解していた為、射竜はずっと黙っていた…


空「…なぁ射竜」

射「えっ!?なっ…何?」

空「疲れたか?」

射「へっ?」

空「ぶっ通しで歩いたから、疲れたよな?

  休むか?」


空泡から言われた言葉に、射竜は口が開く…

そんな様子を見た空泡も、不思議そうな顔で射竜の顔色を伺う。


空「…射竜?」

射「あっ…いや

  平気だよ…」

空「そうか、でも疲れたら遠慮なく言っていいから

  な」


空泡は優しく言うと、また進み始めた。

射竜も必死について行く…

緊張も解れたのか、射竜も空泡に色々質問してみる事にした…


射「ねぇ、空泡くん」

空「ん?なんだ?」

射「キミって…僧侶…なんだよね?」

空「僧侶だけど、世間的な僧侶とは違うな」

射「どういう事?」

空「俺は仏教を信仰していないんだ

  だけど、霊力はそんのそこらの僧侶より遥かにあ

  るんだ」

射「それで僧侶って名乗ってるの?」

空「そうだな

  この場合、不思議な力を持ってる奴って認識して

  れば良いよ」

射「はぁ…」


射竜は納得しようとしたが、空泡が僧侶として活躍している所をまだ見ていないから、その立場が何なのかをあまりまだ理解していない…


空「その感じ、まだ疑っているな?」

射「あっいや…疑っている訳じゃ…」

空「まぁ、信じられないのも無理は無いからな」


空泡は射竜の肩を叩き、クスッと笑った。

その表情は、自分と然程変わらぬ同世代の男の子の顔だった…

─────────────────────

二人は会話したり、廃病院での出来事を話ながらしばらく歩いて行くと、何やら声が聞こえて来た…


射「なっ…ゆっ!ゆうれ…!?」

空「いや、違う

  幽霊とかの気配じゃないな…」


空泡が声が聞こえる方へ近づく…

射竜も恐る恐る近づいて、様子を伺う…


「にゃはは!死体が1匹2匹3匹…

 にゃは!にゃは!にゃはははは!」


そこにいたのは、リヤカーらしき物に動かない人を乗っけている赤髪の少年…

赤髪の少年の頭には猫耳と毛先が燃えている尻尾が2本生えていた…


射「…えっ、あれは…」

空「彼奴(きゃつ)は化け猫…火車(かしゃ)だな」

射「火車って…妖怪の?」

空「そうだな、死体回収屋だ」

射「現代に妖怪なんているのかい?」

空「(まれ)だが、たまにいるぜ

  アイツ、何か知ってるかもな…」


空泡がゆっくり火車(ようかい)の元へ近づく…

音を立てずに慎重に…

射竜は息を殺し、空泡の邪魔をしない様にしていたが…


「阿呆!!!

 ここで何してる!!!!」


上空から怒号が聞こえて射竜と空泡は上を向く…

突進してきたのは鴉らしき鳥


射「うわっ!?」

空「射竜!」


射竜は鋭い(くちばし)を避けると、鴉は地面に突き刺さる…


空「ッチ!射竜!

  離れ…」

「シャアァア!!」

空「!」


空泡の背後から威嚇(いかく)声が聞こえ、確認してみると、火の玉が飛んできている事に気づく…

空泡は華麗に避け、持っていた札を火車の元へ投げる…

しかし、相手も華麗に交わし、逃げられてしまった…


空「逃げたか…」


火車(ねこ)の逃げ足は早く、リヤカーと共に消えてしまった…

空泡はとりあえず、射竜の傍へ行き、無事かどうかを確認する…


|


射竜に傷という傷は無く、ただ尻もちを着いただけだった。

2人は安堵し、目の前にいる鴉に目を向ける…


空「…こいつ、何してるんだ?」

射「えっと…地面に刺さったんじゃないかな?」


2人の目の前にいる鴉は、じたばたと暴れ回っている…

鳴き声も出せないのか、必死に悶えている…


空「まぁ、お前が無事で何よりだし

  さっきの猫を探すか」

射「えっ…この()はそのまま?」

空「間抜けな鴉なんて、放っておけば良い

  行こうぜ」


空泡は無情にも先へ進むが、慈悲深い射竜は鴉の体を持ち、ゆっくりと大地から抜いてあげた

鴉は疲れたのか弱っている…

射竜は持っていた水を鴉にあげようとした。


「阿呆!!!そんな物はいらん!!!」


水をあげようとした瞬間、鴉は喋り、水を拒絶した…


射「えぇっ!?」

空「ん?どうした?」

「貴様ら!吾輩の屈辱的な姿を見やがって!

 末代まで呪ってやる!(ついば)んでやる!」


饒舌に喋りだす鴉を見て、2人はポカーンとする…


「貴様ら!何か言ったらどうだ!」

空「………」

射「………あっ!?

  えっ…えっと…」

空「お前がミサイル並の速さで飛んできたのが悪いん

  だろうが」


空泡の辛辣な言葉を聞いた鴉は、図星なのか黙り込んでしまった…


「………カァー!!もう許さん!」


逆ギレをした鴉は、何やら力を貯めている…

力が集まっている鴉は大きくなり、やがて人の姿へとなった…


「………ふぅ

 待たせたな」

2人「………」


現れたのは腰まである白髪の少女…

毛先は紫であり、黒装束を身にまとっている姿は、鴉と言えば鴉だが…


空「別に待ってない」

「吾輩はククロである!

 貴様らを(しかばね)にして、吾輩の餌にしてやろう!」

空「…射竜、コレ持って離れろ」


空泡は射竜に人型の札を差し出し、木の影に隠れさせた…

空泡は分かっていた…面倒な事が起こると…

─────────────────────

鴉のククロに絡まれ、空泡とククロは()()へ飛んで行ってしまい、怒涛の空中戦が繰り広げられている…


射竜は驚きつつも、カメラマン魂が勝ち、2人が戦っている様子を地上から撮る…


空泡は何故か普通に空を飛び回っているが、細かい説明は後にしよう…


ク「ハハハッ!逃げてばかりじゃつまらんぞ!」


ククロから放った弾幕から、V字の弾幕が解き放たれる…

空泡は弾幕に当たらぬように必死に避け、頃合を見て、反撃の札を飛ばしている…


ク「効かん効かーん!

  そんなしょうもない攻撃何か当たるもんか!」


空泡が解き放った札は弾幕によりかき消され、ククロから更なる猛攻が飛んでくる…


ク「【(ついば)(みなごろし)】!」


さっきの攻撃はたまから弾が出されていたが、今度はククロ自身から弾幕が放たれる…

V字の弾が渦の様に放たれ、さっきとは比べ物にならない程の猛攻だ。


ク「クックック…!

  ん?」


しかし、空泡はいとも容易くククロの攻撃を交わしながら、弾源(ククロ)に近づいている…


ク「なんだと!」


そして、空泡はククロに手刀を食らわせて、ククロは気絶して、下へ落ちていく…

涼しい顔をした空泡はククロが落下したのを確認すると、下で待つ射竜の元へ向かっていった


|


ククロとの戦闘時間は約10分…

疲れてもいない空泡の元に射竜が近寄る。


射「くっ…空泡くん?」

空「う〜ん、準備運動にもならなかったな」

射「いや!それ以上に聞きたい事だらけなんだけ

  ど…」


射竜は混乱している…

突如前触れも無く、鴉が女の子になったし、僧侶の男の子は空を飛んでいるし…

しかも謎の発光体を飛ばし合っていたし…

さっき撮った写真を見せながら、空泡に確認をしてみる…


射「キミは一体…」

空「普通の僧侶だぜ」

射「そんな訳…」


射竜がもう少し追求してみようとした時に、気絶してたククロが目を覚ました…


ク「ぐっ…地に這い蹲る(はいつくばる)種族の癖に…」

空「手刀でやられてる時点で、身の程知らずなんだ

  よ」

ク「ッチ!」


ククロから大きな舌打ちが聞こえた…

しかし、空泡はマイペースに話を続ける。


空「お前、あの猫と知り合いか?」

ク「猫…あぁ、火車(ヤマト)の事か?

  あの黒猫、よく吾輩の領域にある死体を盗んでい

  くんだよ…

  吾輩の領域(テリトリー)だと分かっている癖にだ!」


ククロは大きく唾を吐き捨てる…

可憐な女の子だと思っていた射竜は、背筋を凍らせる…


空「そいつは何処にいる?」

ク「さぁね

  まっ、最近よく解体された死体が転がってる廃病

  院にいるんじゃないか?」

射「廃病院…!」

空「そうか、良い情報をありがとうな」

ク「あの黒猫に1発かましてくれたなら、領域(テリトリー)を冒涜

  した事を許してやる

  頼んだぞ」


ククロにより、さっきの猫は例の廃病院にいる事が分かった。

あの黒猫にも話を聞いてみる価値はあると思い、二人はまた歩きだす…


To be continued

キャラクター。


*无色 空泡


普通じゃない僧侶です。


*麻生 射竜


普通だけど普通じゃない少年です。


*ククロ

二つ名:不吉な鴉


不幸な鴉。

「知能が発達している」という特徴を持つ。


鴉の中でずば抜けで頭が良く、人間の言葉を覚え、仲間の鴉を馬鹿にしたら疎まれ、鴉の群れから追い出されてしまった。

そして死体やら幽霊やらを食していたら、いつの間にか妖怪になっていた。


先住民を自称しており、その場にある死体や幽霊は全て自分の物と豪語している。

よく黒猫と縄張り争いをしているらしい。

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