呪われた病院 ~ Ghost Spot
( *・ω・)ノヤァ( _ᐛ )ノユゥ(*゜▽゜)ノヨォ
【#モノ】です。どうかよろしくお願いします。
「ここだ…間違いない…」
1枚の写真を持つ男子高校生は小さく呟く。
写真と今いる場所を照らし合わせて、目的の場所だと、再度確認する。
「この寺に…噂の僧侶が…」
噂の僧侶…それはとある都市伝説として一時期流行っていたが、今は忘れさられてしまい、誰も内容を覚えていない…
「とりあえず…行ってみよう」
|
境内に入った少年は、その異質に驚く…
境内に入る前の場所はビル群が並び立っていた筈だが、 透き通った空気と青い空…
まるで別世界に紛れ込んだのかという錯覚に陥る場所だ…
「綺麗…」
少年は無意識に写真を撮っていた。
1歩歩く事に写真を取り続け、いつの間にか賽銭箱の前に来ていた事に気がつく…
「はっ!
いつの間に…
すいませーん!誰かいますかー!」
建物内に精一杯の大声を出す。
しかし、返事は帰ってこない…
少年は諦めず、大声を何回も出す…
「すいませーーーーん!!!!!
誰か!」
「…いるよ」
「!?」
突如聞こえたその声に少年は驚き、辺りを見渡す…
しかし、前後左右見ても、誰もいない…
「上だよ、上」
上と言われ、顔を上にあげる…
そして、右隣にあった桜の木に人が寝ていたのを確認した…
「はぁ…気持ちよく昼寝してたっつーのに…」
木の上にいたのは、高校生ぐらいの少年…
木から飛び降り、目の前に立つ…
「…お前、何か訳ありそうな顔してるな」
|
寺の中に案内され、粗茶を出され、互いに1口ずつお茶を啜る…
「あの…キミは?」
「あん?俺?
俺は无色 空泡
僧侶って肩書きだけど、仏教徒じゃない」
「そっ…そうなんだ…
僕は麻生 射竜…です」
空「別に敬語じゃなくていいよ」
射「はっ…うっ…うん…」
射竜は、都市伝説の僧侶がこんな若々しい存在だと知り、凄く驚愕している…
僧侶だから、想像している様なお坊さんだと思っていたから、尚更びっくりしている…
空「そんで射竜」
射「なっ…何?」
射竜が驚愕している最中、空泡はマイペースに話を進める…
空「お前、一体全体どうして寺にいる?
この場所は常人なら入れない場所だ」
空泡に聞かれ、射竜は重い口を開けて、説明する…
そして、この寺に来た理由も合わせて…
─────────────────────
「射竜〜!
今日の活動内容聞いた?」
放課後のチャイムが鳴ると同時に、心霊部部員の射竜は質問に答える。
射「いいや、聞いてないよ
部長の事だから、今日も当日に内容を発表
すると思うよ」
「だよなぁ〜…全く、困ったもんだぜ」
心霊部の活動は霊的現象の謎を解明したり、見てみたりする部活だが、部長の思いつきで何時も始まる為、部員は何時もドキドキしている。
射竜もそのうちの1人だ。
必要な物や筆箱を鞄に詰めて、射竜は部室へ向かう。
|
「今日のぉぉ〜活動内容はぁぁ〜…」
心霊部の部員は全員合わせて5人程度。
学園内でも胡散臭い部だと言われており、近寄る人もそんなにいない。
部員は変わり者だらけだ。
「ぶちょー!そんな溜めないでくださいよー!」
「そうだそうだー!」
学園内の噂は散々だが、実際は凄く賑やかな場所であり、心霊部とは思えない明るさだ。
「ったく…落ち着けっての!
我々心霊部は今まで多様な奇怪な事を調査してみた
りしましたが…」
周りの部員は全員息を呑む…
今までと違い、重苦しい雰囲気を感じるからだ…
「なんと…なんと…
初めて!心霊スポットと呼ばれる場所へ向かいま
す!」
黒板に大きく書かれ、みんなが和気あいあいと騒ぎだす…
しかし、射竜は冷静に質問をする。
射「心霊スポットって…そんな簡単に行けるの?」
「その心配は問題無い、我らが顧問の先生が許可を取
ってくれたんだ
先生も引率で行くって言ってくれたし」
部長からの言葉を聞いた射竜は端っこにいる先生に目を向ける。
先生も穏やかな顔でニコっと笑い返してきた…
「なんだ射竜〜?怖がってんのか〜?」
射「いや…そういうのじゃないんだけど…」
「今夜行くから、一応報告しといてな
じゃあ、また今夜」
部長から解散の指示が出され、各々部室から出ていく…
射竜は部長に何かを言おうとしたが、部長は颯爽と帰宅してしまい、止める事は出来なかった…
|
引率の先生の車に全員乗り、目的の心霊スポット近くまで向かう。
車内では誰も喋らなかった…
夕方は楽しみにしていたメンツも、いざ本物の場所へ行くとなると、緊張してしまうのだろう…
意を決して、射竜が向かっている心霊スポットの詳細を聞く。
「今から向かう場所は廃病院なんだけど…
その病院に務めていた医者が頭を狂わせて、患者と
か看護師とかを皆殺しにしたらしい…」
詳細を詳しく聞くと、更にみんなが顔を青ざめる…
けれど、ここまで来てしまえば、後戻りは出来ない…
みんながみんな、腹を括って心霊スポットへ向かう。
|
大きく佇む廃病院…周りにあるのは木々と山…
光は月明かりのみであり、懐中電灯が無ければ、前すら見えない…
「じゃあ、みんな…周りには気をつけて…行こう…」
部長が先陣を切って、廃墟化した病院へと入って行く…
射竜は記録係の為、1番最後に建物へと入る…
廃病院へと入った射竜がまず思った事…それは空気の重さと息苦しさ…
外でも嫌な感じはずっと感じていたが、中は持っと嫌悪してしまう様な空気…
射竜はそんな空気に負けずに、写真を取り続ける…
実家から持ってきた、代々受け継がれてきた摩訶不思議な射影機…
コレさえあれば、何かしらは写るだろうと思ったからだ。
射「(…う〜ん…
ずっと嫌な気分だな…
怖さを紛らわせる為に何枚か撮ってるけど…)」
射竜はピント越しに室内を見渡してみる…
散乱としていて、朽ち果てた室内を見て、長い間放置されている事を実感としている…
射「………ん?」
射竜は窓辺付近を見つめ、何かがいる事に気がついた…
射「…えっ?なっ…」
見間違いかと思い、肉眼で同じ場所を見つめる…
白い何かが…窓の外を見ていたように…
射「…いない
見間違い…だよね…」
射竜はそう思い、念の為写真を残す事にした…
射影機を調整する為に顔に近づける…
「あ"あ"ぁ"あ"ぁ"あ"あ"ぁ"!!!!!!」
射「うわっ!?」
突如現れた白い人影に驚き、シャッターを押した…
射「なっ…なに!?」
写真を撮られた白い人影は悶え苦しんでいる…
射竜は勇気を振り絞って声をかけてみる…
射「もっ…もしも~し…
突然写真を撮ってごめんなさい…」
声をかけ、相手も射竜の方を目視してくる…
射「ひっ!?」
しかし、相手は蒼白な肌と、つぎはぎの体…
明らかに生きている人間ではないと理解した…
理解したと同時に、射竜はみんなに逃げるよう伝えた。
射「みっ!みんな!
でっ!でた!」
射竜がそう伝えるが、他のみんなも先生も誰一人いなかった…
射「ちょ!?何で誰もいないんだよ!」
焦りと同時に、追いかけてくる何かから射竜は逃げ、廃病院の外へ逃げ出した…
射「はぁ…はぁ…何なんだよ…
みんな…」
射竜はスマホを取り出して各々に電話をかけてみる…
射「…もしもし!
みんな!だいじょ…」
「きゃああぁぁあぁぁぁ!」
電話の向こう側から阿鼻叫喚の叫びが聞こえてきて、普通じゃないことが起こっている事が分かった…
射竜は何が起こっているかを聞こうとしたが、こっちの声が聞こえていないのか、それどころではないのか、情報を聞き出せない…
やがて電話は途切れてしまい、他のみんなと完璧にはぐれてしまった…
射竜はもう一度廃病院に入ろうとしたが、恐怖のあまり、入ることができなかった…
いろいろ悩んだ挙句、廃病院から逃げ出してしまった…
何時間もかけて、どこをどう走ったかは覚えていない…
一心不乱に、あの場から離れるため…
│
体力を限界までだして、自分の家に帰ってきた射竜はあの廃病院について一から調べてみることにした。
しかし、インターネットでも本を利用しても的確な情報は何一つなかった…
射「早くしなきゃ…例え手遅れだとしても…みんな
を…救う方法を…」
(カシャ!)
射「うお!?」
必死になって調べている射竜に、射影機だ突如動き出した…
射「なっ…何なんだよ…」
射影機から出てきた写真を恐る恐る確認してみる…
写し出されていたのは廃れた小さなお寺だった…
射「なんで突然写真が…
…もしかして、ここに解決する方法が?」
射竜の思考回路は限界まできていた…
明日の早朝から、この写真の場所を探してみようと決心して、今日はこのままでいようと考えた。
─────────────────────
射「…って、ことがあったんだ…」
空「ふーん…」
射竜はありのまま昨夜のことを空泡に話した…
空泡は黙って真剣に聞いてくれた。
射「だから…その…無理を承知の上でお願いするけ
ど…
どうか僕の友達を助けてください!」
射竜は土下座をして、空泡に助けを求める。
その様子を見た空泡は口を開く…
空「勿論、断る」
射「えっ!?」
空「…と言いたいところだが、しょうがないから手を
貸してやる」
その言葉を聞き、射竜は驚きを隠せなかった…
射「えっ…あの…」
空「本当なら、そんな依頼は断るんだけど
別の奴からも、似たような事を頼まれたんだ
だから、ついでにお前のお友達を助けてやるよ
ほら、準備して、今から行くから」
空泡にせかされ、再びあの呪われし廃病院へと向かうこととなった…
何が待ち受けているかは、誰にもわからない…
To Be Continued
キャラクター紹介
名前の下にあるのは二つ名的な奴です。
*无色 空泡
二つ名:存在しない僧侶
存在しない僧侶。
存在を司る霊能力を持つ。
本物の僧侶で、正体不明です。
常にマイペースですが、やるときにはやるタイプです。
*麻生 射竜
二つ名:霊を撮る心霊部員
霊を撮る心霊部員。
強い霊感を持つ。
強い霊感を持っていて、見えないものが見えます。
藁にも縋る思いで、都市伝説の僧侶(空泡)に助けを求めました。




