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ep22 ポップアップ



【クロエ?サマンサ?コーデリア?本名アオイの帰還】





西暦20xx年







  アレ?

  此の懐かしくも耳慣れたコール音。



  私は薄く目を見開くと、見慣れた高さの合板の木目と合成樹脂のベージュ色の安っぽい壁紙。

  そして狭いけど寝心地の良いベットから腕を伸ばしてヘッドテーブルに置いてある携帯を持って、耳元で通話ボタンを押して、コール音を切った。


  「葵さん?今日〆なのに休みなのかしら?」


 冷たく響くその声は私が今派遣されている事務所の社員である『シバザキ ナオミ』だった。

 慌てて枕もとのソーラー式デジタル時計を見ると「11時30分」を過ぎようとしていた。

 まずいまずい。

 今日は、午前9時までに行かなければ成らなかったのだ。


 私は慌てて掛けていた毛布と布団を跳ね上げて、ベットから床へと降りて立ち上がろうとした時に、バサバサバサと文庫本が3冊落ちた。


 何気なく床を見降ろし私は本のタイトルを見た。





 『悲劇の王妃アンジェリーク 著エドワード・エイム』


 『エイム探偵の憂鬱 著 エドワード・エイム』



 『ファースト・シークレット 女帝コーデリアの最初で最期の秘密 著 エドワード・エイム』





 本のタイトルと著者名を観て、私はこれまでの事が思い出されて、ストンとベットへ腰を落とし床へ散らばった文庫本を身体を前へと折って「ヨッコラショっ」と拾い上げ、目次をパラパラと眺め、長い溜息を吐いた。




 『悲劇の王妃アンジェリーク』では1767年から意識が覚醒してアリロスト歴1829年までクロエ・ロヴァンスとして生きて死んで直ぐに、『エイム探偵の憂鬱 著 エドワード・エイム』で、アリロスト歴1844年4月にサマンサ・シェリンクとして覚醒し、1922年に死に、そして、、、。


 まだ読んでいない『ファースト・シークレット 女帝コーデリアの最初で最期の秘密 著 エドワード・エイム』で、クリイム歴1750年にコーデリアの身体で意識が覚醒したのだ。



 私は、神か悪魔の悪ふざけに怒りが沸いて、「ふざけるな!知るかっ!」って怒鳴って、麻疹で発熱していたコーデリアの肉体が死んでも良いと思い、何もせずに意識を奥へ沈めたのだ。

 流石に疲れ過ぎていたし、もう私の精神が持たないと思ったのだ。

 今回は、魂仲間(タマトモ)のアルフレッドも緑藍も居る様子が無かったし、もう一度人生をリトライする気力は、流石にタフなグランマと緑藍に呼ばれていた私も無理だった。



 私が起き出さなくてもコーデリアは無事回復してホッとしたけど、すっごく面倒そうなコーデリアの幼少期を傍観してて、絶対にコーデリアには成りたくないと決意した。


 そして、コーデリアが10歳に成ったあたりで、私の意識が断線するように成って、コーデリアの初恋の相手、チャールズ・レスタード男爵が結婚して、彼女の意識が哀しみで荒狂っている中、私の意識が追い出されて、気が付けば西暦20xx年に戻って来た。


 此の世界で過労死をしたと思っていた私は、無事に?生存していた。



 あれが全部夢だったとか、それはそれであんまりだと思うのよね。

 


 でもまあ、コーデリアの人生から余計な不純物の私が消えた事で、彼女らしい人生を生きて行けるんじゃないかな?

 そう思う事にした。


 なんだか仕事に行くのも疲れてしまって、私はメールで体調不良を理由に休み事にした。

 きっと、首になるかもって思ってみたけど、「まあ、良いか」って思えて来た。

 あちらの世界みたいに、別に物理で首にされるわけでも無いし。




 きゅるるるる~。

 お腹が凄い音を立てて空腹を訴えった。



 炊き立ての白いご飯が食べたい。


 そう思って、狭い六畳の自室古びた襖を開けて、いそいそと襖を開けてすぐ前に或るキッチンへと向かった。

 


 その時ポップアップが携帯のメールで流れた。

 『アオイさん・ログアウト』




エイムシリーズ全3作に出していた前世持ちメインキャラ3人目アオイことクロエを回収した、、、つもりのお話。これ以降物語には出て来ません。


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