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人生の8割はコネと人脈らしいですよ

イヴリースさん達との出会いから数日後、ようやく黄泉山さんが退院する事になった。


「ウチの黄泉山さんが世話になりました」


「月詠さんは俺の何なんだい?」


「もう2、3日ゆっくりして行ってもいいのに」


ベインさんが心配そうな表情で言う


「権蔵さんからセーフハウスの準備が出来たって連絡が来たからね、何時までも世話になる訳にもいかない」


そんな会話をしていると、ユキちゃんが部屋の扉を開けた


「皆さん、局長さんが到着っすよ!」


「…という訳だから、じゃあね」


「お世話になりました!」




ーーー




私と黄泉山さん、それにユキちゃんとミドリさんの4人は権蔵さんが用意してくれたゴッツい車で移動していた


ユキちゃんとミドリさんは窓から見える景色にキャッキャと騒いでいる


「それにしても…こんな事までしなきゃいけないなんて大変だね、権蔵さん」


黄泉山さんが運転席で運転している権蔵さんに声をかけた


「どこに『得難き翼の黎明』の手先が潜んでおるか分からんからな」


権蔵さんが1冊のファイルを黄泉山さんに投げ渡す


「貴様が入院していた間の調査結果だ、目を通せ」


黄泉山さんがファイルに目を通しているのを何となく眺めていると、権蔵さんが話しかけてきた


「月詠、だったな」


「あ、はいそうです」


「今からならまだ『何も知りませんでした』でこの件から抜けられるぞ?何もこんな命懸けの案件に首を突っ込まんでも…」


そう言われれば、まあ思う所がない訳じゃないが…


「私、ワケありで黄泉山さんの所に住み込みでバイトしてる訳なんですよね、帰る所が無いっていうか」


「…詳しく聞いてもいいか?」


「…少し前にさ、ものすんっごい{不死者(イモータル)}が暴れた時あったじゃん、黄泉山さんが片付けたやつ。アレで家無くなっちゃったんだよね」


「少し前…あの大規模事象か」


権蔵さんが運転しながら腋の端末を操作し、当時の記事と映像を車内モニターに映し出す


「そうそう、この時」


「家族はどうした?もしやこの時に?」


「あー…そこもまた複雑なんだけどさ…この少し前に父さんが再婚したんだけど、その相手がすっっごい怪しくてさ、{不死者(イモータル)}なんじゃないかって思って黄泉山さんに相談しに行ったのが私達の出会い…みたいな?」


「ふぅむ…名前は?」


「照菜、前の苗字は知らない」


権蔵さんは再び端末を操作し、それに合わせてモニターに表示されている情報が目まぐるしく変わる


「データベースには無い名前だな」


「ふーん、そっかぁ」


「…思ったより素っ気ないな」


そうかな…そう言われても、今は色々考える事もあるし…


「…月詠さん、照菜さんに会いに行ってみない?」


「え!?いやいや、今はそれどころじゃないっしょ?」


「それどころじゃないからこそ、会っておくべきな事もあるぞ?」


「権蔵さんまで…」


そうなのかな…まあ確かにハッキリさせたいっちゃハッキリさせたいけど…


「…うん、やっぱり大丈夫」


「そう、分かった」


そう言うと黄泉山さんは再び資料に目を落とした





ーーー




権蔵さんが用意してくれたセーフハウスは、都内のタワーマンションの高層階のワンフロアだった


「すっっご…え?ここに住んでいいの?」


「あくまで事態収束までの間だからな?欲しいものがあればコンシェルジュに伝えれば用意させる」


「やば…VIPじゃん…」


ユキちゃんはベランダで日光を浴び、ミドリさんは高そうな空気清浄機に張り付いている

…何で?


「空気が綺麗なので〜」


「あ…そうなんだ…」


そんなこんなで各々が自室に私物を持ち込み、なんやかんやしていると夕飯時になった


コンシェルジュさんが用意してくれた豪華な夕食をワイワイと楽しみ、テレビを見ながら皆でのんびりくつろいでいると、突然部屋の電気が消えた


「何!?」「きゃあ!」「なんなんすか!?」


誰かが歩く音が少しして、カーテンが開かれ月明かりが射し込む

カーテンを開けたのは黄泉山さんだった。


黄泉山さんは部屋の備え付けの電話の受話器を手にし、ボタンを押す


「…駄目だ、繋がらない」


私はポケットからスマホを出して権蔵さんに電話をかける


「こっちもダメ」


「ミドリさんと少し様子を見てくる、ユキさんは月詠さんとここで待機、何かあったら飛んででも逃げて」


「了解っす!」


黄泉山さんがミドリさんを連れて部屋を後にする




ーーー




どれくらいの時間が経っただろうかと、スマホを見てみると30分程時間が経っていた


「…ユキちゃん」


「なんすか?」


「黄泉山さん達、大丈夫かな?」


「…大丈夫っすよ!あの人めっっちゃ強いんで!」


「…そうだよね!きっと…」


その時、突然スマホが着信音を鳴らした


画面に表示されていたのは、『権蔵さん』


「もしもし?」


『無事か!?』


「私とユキちゃんは大丈夫、でも黄泉山さんとミドリさんが戻ってこなくて…」


『何?とにかく今部隊を向かわせてるからそのままじっと…』


「権蔵さん?…権蔵さん!」


画面を見ると、再び圏外になっている


「ああもう!」


思わず声を荒げたその直後、爆発音が鳴り響いた


そして部屋が激しく揺れる


「崩れる!?」


「…逃げるっすよ姐さん!」


ユキちゃんが私の手を掴んで、ベランダから飛び立つ


「うわわわわわわ!!!」


「あんまり暴れないで!」


マンションの方を見ると、中腹の辺りのフロアから火の手が上がっている


そして、炎が上がっているフロアから数人の翼が生えた人影がこちらに向かって飛び出してきた


「ユキちゃん!追手!」


「へぇっ!?飛んで来るんすか!?」


ユキちゃんが全力で羽撃くが、当然相手の方が速い


追手がいまにも私達に追いつくかと思ったその瞬間、どこからが飛んできた光弾が追手を吹き飛ばした


「お待たせ!」


「イヴリースさん!」


イヴリースさんが残りの追手を一瞥する


「とにかく今は逃げるのが優先だから…エンジェ、2人を案内してあげて」


『分かったわ』


イヴリースさんから一回り小さな少女が分離して、私達の前に来た


「エンジェよ、事情の説明は後、案内するから付いて来なさい」


そう言い飛び去るエンジェちゃんの後を追い、私達はその場から避難した

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