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2章① レオン視点

拙い部分があるので完結後加筆修正があるかもしれません。



 エリィは僕の癒しだった。シャルダン家とコルネイユ家は領地も隣で何より母同士が学園での親友だったこともあり仲が良かった。エリィの母親は留学してきたのだが、その時厚くフォローしていたのがうちの母だったらしい。


 そういうわけでエリィが生まれたばかりの時から僕は知っている。

 まだ産まれたばかりの赤ちゃんが僕がおずおずと差し出した人差し指をギュッと握って笑いかけてくれたのだ。なぜか胸がぎゅ、と締め付けられた。


 そして、休みが被るとエリィに会いに行った。コルネイユ領は、王都のすぐ近くだが川を挟んで自然が豊かな立派な領地だった。

 僕が10歳、エリィが6歳の時いつも通り木登りをしてた時、僕が足を滑らして落ちてしまったんだけどその時のエリィは忘れない。

 ――何故か一緒になって落ちてきたんだもの。


「いった……」

「きゃははっ」


 2度目の衝撃で頭を抑えていると、僕に馬乗りになった形で笑顔をみせていたのだ。その笑顔に心が奪われたのを覚えている。


 それからどんどん大人になるにつれて可愛くなっていくエリィ。教育を受けるにつれ、あのような無邪気な笑顔は見れなくなったが、その代わりにお淑やかな笑顔が増えていった。


 僕は騎士を目指していたから寮に入ってしまい会う回数は減ったけど月に2度は会うことにしていた。茶会では手紙では書ききれなかった近況を報告しあった。そのひと時が癒しで寮や学園での厳しい訓練も乗り越えられた。


 そんな時、家から急ぎで手紙が届いた。


 ……エリィの両親が他界した、と。


 とにかく心配ですぐに駆けつけ葬式に参列する。エリィの目はどんだけ泣いたのか赤く腫れており、でも葬式では毅然とした態度で立つ姿を見て抱きしめたくてしょうが無かった。

 土に埋もれていく棺を見て僕が必ず残されたエリィとランベールを守ると心の中で誓ったつもりだったが、思わず声に出してたらしい。


 式の後エリィから話があると言われ、事故に不自然な点があるとのことだった。たしかにその話はシャルダン家でも出ていた。しかし僕は浅はかで、遺族からの再調査依頼をかけるべきだ、1度モールス氏に話してみては?と今思えば見当違いな助言をしてしまったのだ。


――――――


 次の日の朝、外が騒がしく起きるとエリィ付きの侍女の姿があった。門番の騎士に僕に取り次ぐよう騒いでいるようだ。

 急いで着替え外に出ると、汗と涙でぐちゃぐちゃの顔で手紙を渡してきた。読み進めていくにつれ眉間にしわが寄ってくる。


 

「……グズッ……うう、エリィ様が…」

「なっ……なぜこんな判断に至ったんだ!?」


 思わず侍女の腕を掴んで問いただしてしまう。

 すると、エリィから聞いた話を侍女から聞いて怒りがわいてきた。思わずエリィからの手紙をぐしゃり、と潰してしまう。

 

「……エリィはどこに行ったんだ」

「それが…ランベール様とお2人で遠い地に行くと……。」

「誰もついて行っていないのか!?」

「あまりにも突然の事で私しか起こさず手紙を託されて行かれました…。」


 そんな……。じゃあ本当にエリィとはあれきりなのか?


 


 

 

 

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