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様々な世界・世界の詩

鏡の世界

作者: リィズ・ブランディシュカ
掲載日:2022/02/18



 鏡の中にはもう一つ別の世界があるんだよ。


 いつだったか私に向けて、クラスの中にいる物静かな女の子が言ってた事がある。


 あんまり静かだから、みんなその子の存在を時々わすれちゃってて、たまに発言するとびっくりする子。


 だから、ずっと覚えてたのかな。


 で、なんでそんな事を言ったかっていると、目の前に大きな鏡があるからなんだ。


 家族と一緒に、美術館に行ったんだ。


 それが今日。


 鏡の展覧会を見てるんだけど、一番最後の区画にはとてつもなく大きな鏡があったんだよね。


 部屋の中がぜんぶうつるような鏡。


 だから、びっくりしてついじっくり観察しちゃった。


 鏡なんて、普段あんまりみないけど、ここまで大きいと珍しくなっちゃう。


 いつもは、鏡そのもの自体より、そこにうつっているものの方みてるんだけどね。


 あらためてじっくり観察してみると、見れば見るほど不思議だなって思う。


 そこにあるはずがないのに、あるように見えるから。


 鏡の世界にある。


 でも、鏡の裏側にはない。


 とっても不思議。


 手を伸ばしてみた。


 すると、するっととおりぬけてしまった。


 それはとても、おかしな事だけど。


 なんだか頭がぼうっとして、まあいいかって思ってしまった。


 するする。


 伸ばした手がどんどん、鏡の中に入っていく。


 このまま入っていったら、どこに行くんだろう。


 鏡の中の世界ってあるのかな。


 好奇心につられるまま、腕を鏡の向こうにつきだしていくけれど、お母さんとお父さんが私を呼ぶ声がした。


「先に行っちゃってたのね」

「勝手に歩いて行ったらだめじゃないか」


 両親はすぐ後ろにいたようだ。

 気が付かなかった。


 私は、慌てて振りかえって「ごめんなさい」と言った。


「もう帰るわよ」

「ここで、展示区画は終わりみたいだな」


 私はお母さんとお父さんと手をつなぎながら、展示会場から出ていった。


 出口で係員の人が他の人と何か話しをしていた。


 手になにか小さなものを持ってる。


「おかしいですね、出た人間と入った人間の数がこんなにあわないなんて」


 後から分かった事だけど。


 その日、数人の人間が行方不明になったようだった。



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