作戦参加の許可が下りました!
俺の声にギョッとしたジオは沢山の言葉を並び立てて俺を説得しようとする。
その顔はすっごく困ってて、だけど俺も退くわけにはいかなくてぎゅっと唇を噛みしめてボスとジオの顔を睨むように見つめ続けた。
はぁ、と深いため息がボスの口から零れる。
「俺の言うことを絶対に守れると誓えるか?」
「ボス!!」
ボスの言葉にジオが信じられない。何言ってやがるという顔をして噛みついた。
けれどボスはジオの存在ごと無視するように真っ直ぐに俺だけを見ている。
俺はその射るような鋭い視線に反射的に下がりそうになった。
こんなに真剣な、怖いくらいの目を向けられるのは初めてだった。
だけど、俺も今回は怯えてやっぱり留守番してるなんて言う気は全くない。
だってボスは怪我してる。痛いのを我慢してそれでも姉ちゃんを迎えに行くのに、俺だけ安全なところで待ってるなんて絶対にいやだ。
ボスとジオがあんなに怖い顔をして怖い声をだすくらいに姉ちゃんを迎えに行くのは危なくて、姉ちゃんは怖いところにいるんだと思う。
でも、俺は怖くても危なくてもいいから早く姉ちゃんに会いたい。
会っていっぱい心配したんだよって文句言って、それからぎゅってしてほしい。
……それに、ボスとジオまで帰ってこなかったらいやだ。
「絶対にボスとジオの言うこときく。
だから俺も連れて行ってください」
じぃいいっとボスの目に負けないように見返した。
ボスは少しだけ困ったような顔をして着替えてこいと言った。
俺が慌てて着替えに行こうとしたら今まで黙って見守っていたジオがまたボスに噛みつく。
「何言ってやがる!ガキを連れていくような場所じゃねぇことくらいアンタも分かってんだろ!?」
「うるせぇ。俺もテメェも出るんだ。問題ない」
「問題しかねぇの間違い……まさか、」
「ネズミ捕りもついでに終わらせる」
ネズミトリがなんのことか俺には分からないけど、ジオがすっごく顔を歪めたからきっとこれも悪いことなんだろう。
本当にどうなっちゃったのかな。
ちょっと前まで姉ちゃんがいて、みんな笑ってたのに。
ちょっぴり騒がしくても、仕事帰りのお兄さんたちからお土産もらったり、頭くしゃくしゃって撫でてもらったり、ジオに悪戯したり、バレて姉ちゃんと一緒に叱られたり、それを見たボスに呆れたように笑われたりしてたのにな。
姉ちゃん、姉ちゃんが帰ってきたらみんな元に戻るかな?戻るよね?
姉ちゃんがいるだけでみんな笑顔になるもん。うん、きっと大丈夫。
「チッ!!リヒト、俺とボスの側からぜってぇに離れんじゃねぇぞ。
余計な怪我なんかしやがったら……泣かす!!」
「え?えぇええ!?」
俺だってパパとママを守るんだ!
だって俺、男の子だもん!!