表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

第1話 謎の少女

第1話


あれから10年。

僕は中学三年生になって、有意義な生活を…

じゃなかった。

寂しい日々を送っていた。


僕には幼い頃から一匹狼の習性があった。だから、友達を作ろうなんてしなかった。

クラスメイトにも、それが声に出さずも伝わっていたのだろう。僕に近寄ってくる人はいなかった。


僕が田舎者、ということもあったのかもしれない。

祖父母の田舎には、中学校が一時間ほどのところにあった。バスで一時間は、結構疲れる。

その中学校は、市内にあるので、都会の人も結構来ているのだ。


さて、今僕は、バスに乗って、家に帰るところだった。


「タク!!待ってよ!」

後ろから甲高い声がした。

見ると、ボブカットのそこそこかわいい女子生徒が走ってきた。


こいつの名前は、猫川愛。昔から、僕の家の近くに住む、いわば幼馴染だ。こいつだけが、一匹狼の僕と仲良くしてくる。

愛は、クラスで人気者だ。いわば、学年のマドンナだ。人当たりもいい。そんな彼女が、僕なんかと仲良くするのがクラスメイトには理解できないらしい。


「愛。ここバス停だぞ。でっかい声出すなよ。」

「いいじゃない。このバス停使う人ほとんどいないわよっ。」

とふてくされたような顔をして愛が言った。

「てか、タク!あんたさ、帰るなら一言くらい言ってよ!

…帰る方向、一緒なんだし?」

「だって、お前が嫌だろ?」

「そんなことないって!むしろ嬉しいっていうか…」


という風に、愛は僕に対してだけ、態度が変だ。てか、こいつが下の名前で呼ぶ男子って僕だけかも。考えすぎか。


「そうそう、タク!明日の学活は、中学最後の文化祭の打ち合わせするからね!

あんたを実行委員にしておいたから!」

「はあ?なんで僕が…」

「いいから!明日はそそくさ帰っちゃだめよ。」

全く、なんだよ。めんどくせえなぁ。

愛は学級委員もしているので、クラスのまとめ役でもある。


バスの止まる音がした。

(終点ですー)

「あ、着いたよ!私、今日お母さんの手伝いするから、急ぐね!

あ、明日忘れないでね!」

「はいはい。!が多いな。

またな。」


さて、帰るか。

実行委員かぁ。気が進まないなぁ。いつも、やりたくないことはやらないって逃げてきたからなぁ。

そんな人生でいいんだろうか。

そんな話は、置いといて。

帰ったら、ご飯だ!


ふと、家の前に、人影が見えた。


倒れてる?

遠くからだからよく見えない。


え?あれ、やばくねーか。きゅ、救急車!


僕は急いで近づく。

すると、白いワンピースを着た、黒髪の少女が倒れていた。


「大丈夫ですか?」

声をかけると、うーん、といった。

意識はあるようだ。

さて、どうするか。一度、家に上げた方がいいのかもしれない。


すると、少女が、呟いた。

「子猿さん、お願い、私に、水をかけて、、、」

「み、水!?」

なんで?

倒れてる人に?拷問じゃねーか!

てか、僕のことを子猿って言ったか?どっかでその言葉聞いたことあるよーな、

まっ、いいか。


とりあえず、言う通りに水をかけた。

僕の水筒の水だけど、いいのかな。

すると、さっきまで青かった少女の顔が、穏やかな顔になっていった。


さて、どーすっかな?

よく見ると、結構美人だ。


とりあえず、僕は彼女を家まで運んでいくことにした。


家に入った。

「お帰り、タク。

おや?誰だいその子?」

祖母が出迎えてくれて、そのあと、僕が抱えている少女のことを見た。

「家の前に倒れてたんだよ。ちょっと寝かせてあげてくれないかな?」

「ええ。あらー、かわいい子ねぇ。タクのお友達かい?」

「いや、知らない子だよ。」

本当に知らない。会ってるなら覚えてると思うほどの美人だ。

でも、謎も多い。

なぜ、水をかけたら元気な顔になったのか。なぜ、僕のことを子猿と呼んでいたのか。


まあ、細かいことは後で考えるとしよう。


彼女は僕の部屋で眠っている。


僕は、彼女が起きた時のために、水を持って行ってあげることにした。


部屋に入る。

すると、彼女は起きていた。

そして、


こっちを見た。

そして、話し始めた。

「助けてくれてありがとうございます。初めまして。子猿さん。

あ、はじめましてではありませんね。

お久しぶりです。」

と。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ