養殖マンドレイクの苦悩
俺は自由に動いていいという許可を得たがそうそうやることもない
ウェンディに対しては世話をしてくれた恩しかない
素直すぎて口が悪いところもあるようだが
「君が来てからもう1年だねぇ…また雨と風が強い時期になってしまったよ」
「家の修理のための準備をしているから手伝ってね」
外に出ると家には足場が組まれていた
「この辺りは木材が売るほどあってさ。木で家を作って毎年修理しているのさ。」
倉庫に溜め込んだ木材を親指で指しながら仮面の女が言う
地理が気になる俺はつい質問してしまう だって知りたいじゃん
「雨と風が多いということは海が近くにあるんでしょうか?」
「海までは2日くらいは歩かなきゃだね。どっちかって言うとここは山だよ。森ばっかり。」
「ずっとポーションに漬かってましたから周囲がわからないんですよ。」
「じゃあ地図でも見てみるかい?その玉を持ってきなよ。」
俺は倉庫から玉を取り出して机の上に置いた
ウェンディは玉に手をあてると玉に映像が浮かび上がる
「コレは地球儀ですか!しかもこんなギミック満載のものが一般家庭にあるとは!」
「ハハハ!普通はこんな物ないよ!なにせ私の自作だからな!」
この仮面の女は普通ではないらしい
正直地理なんてものよりも地球儀の技術のほうが気になってしまう
「これって魔道具ってやつですかね?ウェンディさんの魔力で動いているんですか?」
「私の魔力で起動したあとは周囲のマナで動くよ。この辺りはの土地は結構濃いから。」
「電力が…使い放題みたいなものか…」
ヤバイよこの世界の技術ものすごく進んでる
もしや未来に転生しただけか?と思ったが地球儀の地形は俺の全く知らないものだった
「使いすぎるとブレーカーが落ちる。まぁこの家はマナの流れの近くに建ててあるから高容量なんだ。」
「無料?」
「いや立地で税金が決まるからね。国内だと。」
結構世知辛かった
しかも魔道具が発達してるかもしれないこの世界で俺は何かに役立てるのか?
このポーション漬けで鍛えられたボディを使うしか無いのだろうか
「俺にできることといえば木材を運んだりボディーガードをするくらいかなぁ。」
「どっちかというと私のほうが強いんじゃないか?鍛えてあげようか。」
俺のつぶやきを仮面の女が拾った
せっかくここまで良い体に育ったというのに弱いのか…ショックだ…