助けを求めたいが対価となるものを持っていない
俺はマンドラゴラになっているらしい。何かの隠語だろうか。
俺にはウェンディと名乗るコスプレ女性だけが見える
そういえばハロウィンだったか…ってそういう状況ではないな
周囲は真っ黒の空間で何もない ここは一種のVR空間みたいなものだろうか
俺は倒れたときのカジュアルな仕事着のシャツとズボンを身につけていた
「周囲の状況がわからない。一種の閉じ込め症候群に陥ってしまっているのか?言語も理解できないので俺は異国の病院にいるんだろうか?」
ウェンディはキョトンとした顔でちょっとフリーズしているようだ
俺は言葉を続ける
「あなたが日本語を使えるようで助かりました。私は今どこの国にいるのでしょうか?今はキリスト生誕から何年たっていますか?」
ウェンディは少し目を閉じてトボけた顔を作って答えた
「日本語というのはわからないね。君の頭に魔力で接続して直接思念を送っているんだ。」
「ここはスピカ王国だ、田舎の村だけどね。そして病院じゃない。薬を作ることはあるけどね。」
「キリストなんて人は有名じゃないよ」
おいおい参ったァ!俺は参ったァ!
「あれれぇ?VRの技術を使った空間だと思いましたよ。これは魔力で作った空間ですかぁ…そうですか。魔力なんてものは無いものだと思っていましたよ。」
「君は魔力がないところから来たわけだ。この世界では子供だって魔力を知っているのに…」
話を戻そう
「マンドラゴラになるってどういうことですか?」
「こんな姿になっているってことさ」
ウェンディの前の空間に立体映像が現れた。
これは人形の根っこ…昔漫画で見たマンドラゴラそのものって奴だぜ…
「マンドラゴラのこの辺りが頭だと思って居るんだ」
サワサワと立体映像を触っている
「じゃあポーションの漬物にでもしようかな」
ちょっと待ってください