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魔女の仮面  作者: 御影
マゼラン
28/30

新しい仮面よ!

春の訪れが感じられる頃

学者Aは王都に帰ってきた

改札を出ると右手に指ぬきグローブを装着したやたらと肩幅の広い男が歩いてきた


「ロナルド!久しぶりですね。」

「アレンか!ムキムキだな!間近で見るととんでもない威圧感だ!」

「死の淵から回復するときにちょっと体を弄られましてね。力が強すぎて困っています。この前なんてドアノブを引きちぎってしまいましたよ。」


ロナルドの手にも指ぬきグローブが装着されている

「マンドレイク!アレンと合流できたぞ!」

「予定通りですね。」


ロナルドは指ぬきグローブに話しかけたが

俺はグローブになったわけではない

指ぬきグローブは電池レスの最新型の通信機だ

俺の中二病がうずいたためグローブという形状を取ったのだ

この世界で流行らせてやろうというちょっとした遊び心だ


俺は結局仮面になってウェンディの顔面に張り付いている

アレンという生物兵器を作り出したため肉体の強さを追い求めるのは飽きてしまったのだ


アレンとロナルドは指ぬきグローブ型通信機に先進性を見出し

未だ学生の身分であるがウェンディと一緒に事業を立ち上げて売ってみようという事になった

会社名は「マゼラン」とする予定だ

ウェンディが住んでいる近くの川の名前から取った


アレンとロナルドはこれから企業の技術発表会の見学に向かい

他社の動向から見識を深め事業を登録する手がかりにするようだ



――――――――――――――――――――――――――――――――――


ウェンディの家の庭先

彼女はまた新しいハイブリッド魔道具を制作している


「魔王が出てくるまで暇だな~とは思っていたんだけど、なかなか良い暇つぶしにはなりそうだ。」


製作中の魔道具は遠隔操作ができる飛翔体である

プロペラの無いラジコンヘリのようなものだ

空を飛ぶ事自体は青の魔道具で以前から可能だったが組み込まれた動作しかできなかった


「映像回路の接続を頼む」


ウェアラブルな仮面型マンドレイクになった俺は

腕力ではなくウェンディの生活を豊かにするための機能の充実を図り続けている

もはやラジコンからの信号を画像に変換してウェンディの神経に流し込む事だって可能

もはやマンドレイクでも何でも無い

俺は仮面なのだ


ウェンディの思念によりラジコンは浮かび上がり

屋根を越えた高さで村中を飛び回り テスト飛行を完了させた

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