ミギィ
王都には背の高い建物が多かった
王都の住宅街も密度が高く 一戸建ては殆ど見当たらず
延々と高層の建物が続く
ただどれも50m程度までがせいぜいで眼を見張るほどの高層ビルやタワーは見当たらなかった
アレンの部屋は集合住宅の7階であった
アレンの持ち物カバンから鍵を取り出して玄関を通り抜ける
部屋がとにかく暗い
『オォォォ…日記を燃やしてくれ…ハヤク…』
アレンの叫びがハッキリ聞こえるようになってきた
今朝あたりでは幻聴ではないかと思っていたが日中にも聞こえて来たし内容も変化する
『日記は机の上に置いてある…開かずに燃やしてくれ…』
「アレン…未練が強いな。でも俺は疲れたから今日は寝るよ。」
『オォィ!さっさと処分してくれ!!』
俺はベッドに横たわる
それにしても狭い部屋だ
1階も遠いし生きるのに不便すぎる
夜中にポップコーンを食べたくなったらどうすれば良いんだ
『プランターで育てているトマトでも食べてくれ…』
トマトを食べたら全身の筋肉が喜ぶのを感じた
「つか元気だなアレン君。死んでなかったのかね。」
『食事の度に意識がハッキリとしてくる。』
「神経が回復してきたのかもね。けど今は俺の体と君の体が混ざってしまって無理に引き抜こうとすると神経がズタズタになるので、ちょっと待っていてくれよ。」
『俺の体は丁寧に扱ってくれぇ…』
トランシーバの電源をオンにして呼び出しをすると学者Aさんの映像が映る
「なんでしょう?ウェンディさんは狂ったように魔道具を改造してますよ。」
学者Aさんはウェンディ宅に留学中だ
「アレンさんは死んでなかったみたいです。日記への未練が強かったせいかもしれないです。」
「そんな気はしてましたよ。」
アレンの神経が回復するまでにアレンの肉体をムキムキにしておくとしよう
徐々に俺の体も分離してゆかねば
神経を傷つけないよう
これからゆっくりと右手に俺の神経中枢を移していくことにした




