はじめてのおつかい
辿り着いた港町は活気に溢れていた
朝ウェンディの家を出てまだ昼時になったばかりだ
2日くらい歩くものだと思っていたが電車のようなものに乗りあっという間だった
「セイッ」
駅のプラットホームから線路に飛び降りてレールに正拳突きをかます
狂ったわけではない この正拳突きはカムフラージュ
実はレールにさり気なく電波の中継点を作っているのだ
トランシーバーの範囲を広げるためにウェンディの奴がくれた中継キットはマナの強い場所に設置しなければならない
この世界の電車のような乗り物はマナの流れに沿って設置されているためレールが最適なのだ
「こちらアレン。中継基地を設置した。」
「こちらウェンディ。感度は良好だ。」
やり取りを終えてロン氏に合流しようとしたが完全に見失ってしまった
まぁいい どうせ乗り換えの車両は明日なのだ
今日の宿がどこかもわからないが適当に観光してやろう
駅を出るとあちこちで肉を焼く屋台にあふれている
どんなものかとウェンディから貰った金で一つ買ってみた
料理を口にした俺は味がわかることに久しぶりに驚愕し全身に力がみなぎるのを感じた
このままでは服が破れる
全身の神経に成り代わったマンドレイクの繊維が筋肉をなだめ 圧縮する
危なかった