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ゴーストハッキングマンドレイク
俺のマンドレイク蘇生術は植物性由来の繊維とポーションで組織を繋げて蘇らせるものである
そこに超常的な力は殆ど無い
二人の学者さんの片方 学者Aさんはショック状態から脱したようである
学者Bさんは危険な状態のまま時間だけが経過してゆく
「もう無理なのでは…」
ロン氏が残念そうに言う
しかし俺は諦めない マンドレイク繊維を体内に送り込み神経系を乗っ取る
バイタルを安定させるんだ
破損した神経系の代わりに心臓を動かし 体温を保ち 足りない血液をポーションで補充…
「もう亡くなっている…王国としても大変な損失だが…」
レミットの誤解を解いたウェンディも力を尽くしてくれている だが状況は大変に悪いようだ
嫌だ 俺はこの学者さんに諦めてほしくないんだ こんな体になっても俺は生きている
俺は自分の組織のほとんどを学者Bさんにつぎ込み神経を修復していった
朝まで頑張ったが大変残念なことに学者Bさんは帰ってこなかった
しかも俺も学者Bさんから帰ってこれなかった
今朝より 学者Bさんは殆ど俺になってしまった