編集者ロンはヤラセ番組を作ろうと決心する
「愚かな男だったな。力欲しさに悪魔と契約したのだろう。だいたい良いところで契約期間満了になり悪魔に全てを奪われるのだよ。」
「ウェンディ殿…この男は武術大会の優勝者でもありましたが、帝国の進行から故郷を守り抜いた功労者でもあったのです。王国においては死後も英雄の扱いを受けさせるべきものなのです。」
ロンさんの眼差しは疑いのそれではなくなり憐れむものになっていた
「それなら悪魔からの襲撃から我々を守って名誉の戦死ということでもいいさ。録画はうまく編集したまえ。素材が足りないかもしれないが。」
仮面の女の魔法で男の死体を焼き切り
俺はティナを抱きかかえるロン氏を支えながらウェンディの家に入った
ウェンディの家の中は資料が散乱し…学者二人が血まみれで倒れていた
「これは大事件ですぞ!ウェンディ殿!早く王都に出頭してください!」
ロン氏が叫ぶ そんなことはどうでもいいよロン氏
すかさず俺は二人の容態を確認する
まだ息はある 止血とショック状態の緩和が必要だ
マンドレイクの繊維を使い組織をつなぎ合わせながら体液補充だ
「ウェンディ様!麻酔ポーションが必要です!合成できません!」
「なんとかそのまま保たせてくれ。倉庫の方から誰か来る。」
倉庫の方からコートを着た白く光り輝くオッサンが歩いてきた
「やぁ!悪魔を見なかったかね!」