僕に合う世界を紹介して下さい
初投稿です。
昔々・・・・
はい! 昔話を始めますよ。
僕が記憶している限り・・・・まあ、昔の話です。
僕、死にました。
・・・・・。
え? 何で死んだはずの僕が喋ってるかって?
最近の物語の題材にもなっている、転生とうヤツですね。
転生前に神様に会えたかって?
もちろん、会えましたよ。転生の記憶持ちの醍醐味、神様とのお話と、転生特典。
そこで、僕は願いました。
「平穏な人生にして下さい。痛い事も、苦しい事も、辛い事も無く、好きな人達と暮したい。」
平穏が一番です。人生に波風とかいらないんで、ゆっくりのんびりした人生を歩みたかったんですよ。
別に前世が不幸だったとかは無いんですよ。記憶無いですけど。
そこそこ幸せな一生だった気がするんですよ。記憶無いですけど。
神様も老衰で大往生だったと言ってましたしね。記憶無いですけど。
記憶無いんですよね・・・
何なんでしょうね、転生中の記憶はあるのに、前世の記憶が無いって、変だと思うんですよね。記憶はないのに、なんとなくな前世の常識やら、微妙な知識やらは残っているんですよね。
でも、その時は
『魔法のある世界に転生させてあげるから、頑張ってね。』
って言葉に浮かれて、気づきませんでしたよ。
神様に選ばれた理由が、『長生きしそうだから』って、微妙な理由だった事も・・・
そうして、僕は神様の言う魔法のある世界に産まれました。
産まれましたよ。スポーンとね。
僕は産まれた直後に嬉しさのあまり、全力で叫びましたよ。
魔法 魔法 魔法 まーほーうー
もちろん口から出た声は『んぎゃぁぁぁぁ』
とうい、赤ん坊の全力泣きでしたけどね。
産婆さんの『まあ、なんて元気な子でしょう。』って声が聞こえてくるくらい、全力で叫びましたよ。
魔法の世界に産まれたせいか、産まれた直後から視力も聴力も万全の状態で・・・・
おっ・・・お父様らしき男性に、おっ・・お兄様らしき・・少年達・・・
皆様、大変整った顔立ちをしてらっしゃる・・・
え?・・・声が震えてる?・・・う・・うん・・
最初の違和感は、僕を取り上げてくれた産婆さんでした。
・・・声が野太いんですよ。口調が女性なのに野太い。そして、僕を抱き上げる腕が太い!!
鍛え上げられた上腕二頭筋と、大胸筋に支えられる安定感!!安心ですね!!
ジャナイ!!!
そして・・おっ・・・お母様ですか??
・・・とっ・・・とっても美人で・・すよ・・女神様のような・・・美しさ・・・・
ですが・・・
その鍛え上げられた胸板は何でしょう?
僕の中の常識では、女性と言えば、細やかでも胸の膨らみがあり・・・
・・・
股の間に!股の間に!そんなモノは付いていない!!!
思わず『うぎゃああぁぁ』と泣いて、失神・・・
後で聞いた話だと、僕が失神した事で、大騒ぎになったそうです。まあ、産まれたての赤子が失神とか驚きますよね。
ちなみに この世界・・・女性が居ないそうです・・・
失神している時に、神様が言い忘れたと言って、教えてくれましたよ。
神様曰く
『性別を一つにすれば、誰でも好きな人の子供を産めるでしょ?』
だ、そうです。
ちなみに、何で女性寄りの世界にせず、男性寄りの世界にしたのか聞いたところ。
『え?だって・・・ん? 何でだっけ・・・・? ん〜忘れた。』
との事でした。
ええ、何んとなく思ってましたよ。この神様適当だって!!
僕と最初に話をした時だって、雰囲気がもう面倒そうでしたもん。『コレでいっか』感がでてましたもん。
まあ、男しか居ない世界に産まれたショックは、大変大きかったですが生きていれば、なんとなく慣れてくるものです。
幼い頃から度々見せられる、男同士・・・・両親のイチャイチャ
街で歩く男同士・・・・・カップルのイチャイチャ
ええ、見るだけなら慣れましたよ。目を細め心を無にして・・
慣れたって言わない?
別に偏見は無いつもりですよ。好き同士なんですから、良いとおもいますよ。
ただ将来自分が、この状況になるのかと思ってしまうと・・・無理なんですよ。
前世の僕は、多分男だったんですよ。僕って言ってますしね。
それに、女の子は、可愛くて柔らかくて・・・グフフ・・失礼・・。
それを知っているのに、厚い胸板にときめけとか、どんな拷問ですか!
どれほどの美形でも、無理です。
幸い、この世界では、恋愛結婚しかできません。
何故かって?
この世界では、婚姻の誓いの時にお互いの手を重ね合わせ、魔力で紋章を刻むんですけど、愛が無いと刻めないんですよ。
勿論、金や権力に目が眩んで、結婚しようとする者も居ますが、そうゆう者は、紋章が刻まれないと同時に、愛を偽った者として教会から吹っ飛ばされます。
比喩では無く、本当に吹っ飛びます。
しかも、無理やり結婚を強要された場合、強要した者が吹っ飛びます。
なんて分かりやすい機能でしょう。
しかも、吹っ飛んで落ちた場所によって対応が違います。
教会の建物内であれば、互いに話し合い1ヶ月後に再挑戦。
教会の建物より外で敷地内であれば、第三者を交えての話し合い。
教会の敷地からも弾き出された者は、警察に連行される。
大きな教会でも小さな教会でも効果は同じですから、自信の無いものほど小さな教会で婚姻の誓いを行います。
この世界の人間にとってみれば厳格な式なんでしょうけど、僕から見れば、爆笑モノですよ。
互いに誓いの言葉を言った瞬間、綺麗な弧を描いて吹っ飛んで行くんですから。
しかも、コレ 良くある事なんです。
僕の一番上の兄様のお相手、吹っ飛びましたからね。
幸い教会の建物内でしたけど、二メートルくらい綺麗に飛んで行きましたよ。
それを見た兄様、鬼の形相で相手の男の顔面をグーパンチ、更に吹っ飛ぶお相手・・・
おふぅ・・・
兄様は結局1ヶ月後に再挑戦して、無事に夫婦となりました。
しかも、失敗した理由が「こんな美人が、本当に俺を愛してくれるのか、不安になってしまって・・。」
だそうだ、アホらし
ちなみに現在17歳の僕は、独り身ですよ。恋人なんて居た事ありませんけど。
一生独身予定ですけど。
家族には心配されますが、無理なものは無理です。
そして、今の状況ですが・・・・
僕の身体、失神中です!!
何故って?
原因は、目の前の人ですよ。
『やぁ、久しぶり。元気そうだね。』
最後に見た時のやる気の無さは何処へやら、キラキラした目でこちらを見ております。
何故だか物凄く嫌な予感がするのですが・・
「お久しぶりです。」
警戒心MAXで、怪訝な表情しかできませんが、それでも神様はご機嫌な様です。
『この17年間で、君はこの世界に全然馴染めなかった様だね。』
「そんな事無いと思うんですけど。両親とも兄弟とも関係は良好ですし、友人も居ますよ。」
『表面上はね。だけど君は誰と接する時も一線を引いていただろう。』
「そんな事は無いと思うんですけど。」
友人達に恋愛対象として見られたく無くて、一線を引いていた自覚はあるけど、家族には心を許していたはずなんですけどね。
『それなら聞くけど、君は、違う世界に行けると言われたらどうする?』
「行きたい!!」
思わず口から出てしまった。
そして、僕を見てる神様の顔が、すごく嬉しそうなんですけど・・・
『だよね、だよね。だからさぁ、次の世界に行ってみよう。』
「は?」
『だから、次の世界だよ。他にも色々あるからね。この世界には馴染めないみたいだし、サクッと次行ってみよう。』
なんと軽い・・
「ちょっと待ってくだい、そんな急に言われても。」
『何言ってるんだい、死とはいつも突然おとずれるモノなんだよ。だから、皆んな今を精一杯生きてるんだよ。』
神様の真剣な言い方がムカつきます。
突然尤もらしい事を言いだしましたけど、早く次の世界に連れて行きたいだけですよね!
「拒否権は・・・」
『無い!さぁ〜サクサク行ってみよう!』
「え?サクサク??ちょっ まっ」
最後まで言い切る前に、はい出ました〜
何が出たかって??
母親の腹から、僕が出てきましたよ・・・新しい世界に誕生しましたよ。
前世の世界の両親や、兄弟達が悲しんでいるだろう事を思うと、申し訳無く、やりきれない気分になりますが、別の世界に転生してしまった以上、何もできないので、割り切るしかありませんね。
あ!何故、別の世界だと分かったかですね。
見えたんですよ。
産婆さんの豊かな胸の膨らみが!!
どうやら、今回も魔力のある世界らしく、視界は良好、聴覚も万全の状態です。
フカフカの産婆さんの胸・・・幸せです。
そして、少し頼りない細い腕も良いです!!
僕はコレを待っていたんです。やっぱり記憶の無い最初の人生は、男だったんですね!
幸せを噛み締めながらも、辺りを見回してみると、美しい女性と二人の美少女が、心配そうにこちらを見ています。どうやら今回も美形の家系のようですね。
しかーし!!
ここで産婆さんが爆弾発言をしてくれましたよ。
「さあ旦那様、三人目のお子様ですよ。」
そう言って美しい女性に、僕を差し出します。
ん?その人姉様でしょう??
その女性は、産婆さんから僕を受け取ると、細い腕で優しく抱き込み、僕の顔を覗き込みました。
「なんて可愛らしい子なのかしら、こんにちは、私がパパよ。」
ああぁぁぁぁぁぁ今度はこう来ますか!!!!
そして、僕を産んでくれたお母様の方を向けば・・・ん??
・・・・・
・・・・
・・・
あ〜筋骨隆々の男性が、額に汗を滲ませて笑顔を浮かべてらっしゃる。
一言 言いたい!!
思ってたのと違う!!!
男同士の世界の次で、女性がパパなら、ママも女性だと思ったのに!!
男女逆転の世界ですか
しかも僕、女性ですよ!
また、厚い胸板にときめけと??だから無理だって・・・
しかし、転生してしまったものはしかたありません。精一杯生きます。
ええ、生きることには全力です!
そして、全力で恋愛から逃げます!!
ちなみにこの世界、出産は男性。母乳は女性。仕事と育児は半々で、妊娠発覚直後から1年間男性は半強制的に休職し、産後からの1年間の育児期間は女性が休職するそうです。
これぞ、男女平等社会ですね。
多少の不満を持ちながらも、僕は平穏に暮らしていました。
しかーし
成長するに従って、僕にはある問題が付いて回るようになりました。
走る度に揺れる肉の塊・・・・千切れそうです。
肩こりの原因になる肉の塊・・・肩が石のようです。
汗で痒くなる肉の塊・・・・こんな所に汗疹なんて、できるんですね。
はっきり言って邪魔です。
そもそも、自分にないからこそ憧れ、触れたいと思うのであって、自分に邪魔だと思うほど立派なモノが付いていれば、触れたいなんて思いません。むしろ取ってしまいたい!!
そうです、僕の胸は巨乳です。
おかげさまで、男性からのアプローチは多いですが、僕には無理です。
何故神様は、僕に記憶の無い前世の常識を残したまま、転生を繰り替えさせたのでしょう。
いっそのこと、記憶が無いように、常識も綺麗に無くなっていれば良かったんですよ。そうすれば、両親を見て気まずい気分になる事も、誰かと恋人同士になる事だってできたかもしれないんですから。
ということで、今回も似た様な結果となりました・・・
『お帰り〜今回もダメダメだったねぇ。』
目の前の神様は、何故こんなに嬉しそうなんでしょうか?
「ダメダメって、何ですか!」
『だって、ダメダメでしょう?親兄弟にも心を許さず、恋人もできない。何で産まれて直ぐに、一生独身の覚悟しちゃうかなぁ。』
「だって、厚い胸板にはときめけませんから!」
『なに言ってるの?可愛い女の子だって居たのに、全然だったくせに。』
「それは・・・。」
確かに可愛い女性は居ました。
それに、さっきまで生きていた世界は、出生率が高いせいか同性愛に寛容でした。だから、僕が女性が好きだから、同性である女性と結婚しても、何も問題無かったのですが・・・
可愛いと思うのに、恋しいと思う相手には出会えませんでした。
「それは、たまたま相性の良い相手に出会えなかっただけです。」
『それなら、次! 行ってみよう〜』
軽いです。軽すぎです。転生ってそんな軽いモノでは無いですよね???
何でしょう、何なんでしょう??何がしたいんですか!!!
僕、神様に言いたい事が山ほどあるんですけど、聞く気は無いんですね。
因みに、今回の人生は14年でした・・・・
何故こんな短期間で転生させられるのか、何故記憶を持ったままなのか、色々問い詰めたくて、最初のうちは文句を言ってましたよ。
ええ、始めのウチです!!
この後、数え切れない程の転生させられましたよ!!
そして、どの世界にも馴染めませんでしたね。
だいたいどの人生も短過ぎると思うんですよね、長くて20年、短いと10年程で次の転生です。
もう、転生に慣れ過ぎて、ハイハイ次ですね、もう好きにして状態ですよ。
この頃になると、何度転生したかなんて忘れてしまいましたし、自分の性別が何だったかなんて、どうでもよくなりましたよ。女性にも男性にも、説明できない特殊な性別にも・・・色々なりましたからね・・・
転生が終わって神様とお話しする時も、問い詰める事を諦め、世間話みたいになってますからね。
『お疲れ様。』
「あぁ・・・今回の転生先、お菓子がとても美味しかったのに、もう食べられないなんて残念です。」
『ああ、あの白いお菓子?そう言えば、気に入っていたみたいだね。』
いつでもどこでも見張られて居ます。それも、すでに諦めというか、慣れというか・・・神様相手に言っても仕方ないですしね。昔誰かが「見えない所で悪いことしても、神様は見てるんだからね。」って言ってましたけど、本当ですね。ずっと見られてますよ!凝視ですよ!!!
「フワフワなのにモッチリしていて、甘酸っぱいお菓子なんですよ。あぁ・・・残念だ。」
『そんなに好きなの?』
「はい!」
『それなら、次の転生先に用意しておいてあげよう。』
「本当ですか?やったぁ!!」
と、こんな感じです。
不満を言っても、転生スパイラルからは逃れられませんからね。
それに、どの世界に行っても馴染めない心の狭い僕は、いっそのこと、色んな世界を見て回るのも良いかなって思ったんですよ。
『それに、次の世界が最後の転生だしね。』
「え?」
最後・・?
最後って、あの最後ですか?
今更?
もう、散々転生させられて、転生する事に慣れきって、今更何処かの世界に馴染める気がしないんですけど。
「無理です!!」
『それなら、このままずっと転生を繰り返すの?』
ずっと・・・?
このままずっと?
転生する度に、また今度も駄目なのだろうと諦める僕と、今度こそは、と粘ろうとする僕が居て、最初は二つがせめぎ合っているのに、毎回最終的に諦めが勝ってしまい、神様を見てホットしてしまう。
まだ次があるんだと・・・
一つの世界で誰かと共に、幸せな一生を送りたい。
その思いは、転生を繰り返す度に強くなるのに、何故かどの世界にも馴染めない。
「でも・・僕は、きっとどの世界にも留まれないから・・。」
最初は、神様が強制的に僕を転生させているんだと思っていた。
でも、ある時気付いたんだ。
僕は、どの世界でも、若くして死んでしまう。
病死だったり、殺人だったり、事故死だったり、原因は様々だけど、死は訪れる。
それは、きっと僕がどの世界も受け入れられなかったから、世界も僕を受け入れなかったんだと思う。
「もし、その世界でもダメだったら、僕はどうなりますか?」
『大丈夫だよ、君はどの世界にも愛されているんだから。』
愛されている?
どの世界も受け入れず、どの世界からも受け入れられなかったのに?
僕の疑問は、言葉にならず・・・
消えていった・・・
ああ、最後の転生が始まる・・・・
「おはよう。」
神様の声が聞こえる。
でも、何時も聞いている神様の声とは少し違う気がします。
頭に直接聞こえてくる様な不思議な声が、普通の声のように、耳から鼓膜を揺らし聞こえてきます。
でも、何で神様の声??
あれ?転生したんですよね?
もしかして、産まれて直ぐに死んだ??
もしくは、生まれる前に??
「おはようより、誕生おめでとうと言うべきかな?」
誕生おめでとう?
薄っすらと目を開くと、いつも神様と合う真っ白な空間が目に入ります。
「どういう事ですか?」
神様が何を言っているのか分からない。何が起きたのか分からない。
さっき、確かに転生した感覚があったのに、見ている光景は先程と変わりない。
「ほらほら、君が次の転生先でも食べたいと言っていたお菓子だよ。」
そう言って、神様が僕の目の前にお皿を差し出しています
あれ、コレ誰でしょう???
・・・・
「どなたですか?」
目の前には、真っ白な髪に真っ白な肌の男性が、僕の顔を覗き込んでいます。
「神様だよ。これからよろしくね。」
軽い! 説明が無い!!
ああ・・・まさしく神様ですね・・
「よろしくって?」
「だから、今度の転生先だよ。その名も神様!!」
「はぁ??」
「良いね、その顔!」
そう言って、神様はウインクを投げてきます。
可愛く無いです。
「実はさぁ、君。どこの世界でも人気で、世界に取り合いされてたんだよ。どこの世界にも馴染めなかったのは、他の世界が干渉して、自分の世界に引っ張り込もうとしてたからなんだよね。まあ、君強い意志でその世界に留まれば、そのまま一生を終えられたんだろうけど、それも無かったからね。それで、取り合いするなら均等に全部の世界を回れば良いかなって思ったんだけど。君 転生の度に世界から祝福を貰ってきちゃうから、今やその力は神様並だよ。だからさ、私と一緒に神様やろうよ。」
「はああぁぁぁ??」
「ここは良いところだよ」
「ここって・・・真っ白で、何もな・・・。」
そう言った瞬間、辺りの景色が一変しました。
どこまでも続く広大な平原に、澄み切った湖、心地良い風が頬を撫でる美しい風景に、圧倒されてしまいます。
「ね、良いところでしょ?それにほら。」
そう言って、神様さが指差した空を見上げると、そこには無数の星々が輝いています。
そして、その一つ一つは、僕が短い人生を生きた世界達だった。
「ここから世界を眺めるのも、いいと思うよ。」
神様の満面の笑みに、僕は思わず首を縦に振ってしまった。
はぁ・・・何でそんな事しちゃったかなぁ・・・
ハッキリ言います!
神様の仕事大変!!!
やれ何処かの世界が滅亡の危機だ。
やれ何処かの世界が暴走して他の世界を侵略するだ。
やれ何処かの世界がやる気無さ過ぎだ。
世界って放っておくと、暴走するか、やる気無くして勝手に滅びるか。
数多の数の世界がある為に、目が離せません。何処かの世界で、必ずトラブルが起きてます。
何時も神様と二人ゼイゼイ言いながらトラブル処理をして、為に休憩をしたり、為にお忍びで世界に潜り込んだり・・・意外と楽しんでますね。
ちなみに神様、ずっと一緒に働く弟子を募集中でした。
ただ、素質はあってもなかなか どの世界にも愛されるなんて難しい様で、僕を見つけ出した時も、殆ど諦めていた様です。だから、ろくな説明もせず、最初の世界にポーン
で、他の世界が僕を欲しがった為に、僕は早死。
そこで神様、この子なら弟子にできるかもと、ウキウキ
そうして、何度も転生という名の世界の取り合いに付き合わされ、全ての世界を回り僕は神様になりました。
忙しい毎日で大変だけど、痛い事も、苦しい事も、辛い事も無く、慌ただしいけど、大好きな人と暮らしています。
大好きな人・・・
違うな
大好きな神様ですね。
「あのさぁ、そろそろ神様じゃなくて、名前を呼んで欲しいんだけど・・」
「今更無理です!」
「何で! 」
「・・・はっ・・・恥ずかしいです。」
真っ赤になる僕に、神様は嬉しそうに頬擦りをしてきます。
どうやら、僕にはこの世界が合っている様です。
「あれ? 最後、変じゃ無いですか??」
「え?何が?全然変じゃ無いよ!いい終わり方!!」
「いや・・・コレ誤解を生みますよね?」
「誤解??何の事だい??」
「ニヤニヤしてますよね??僕の言いたい事分かってますよね??」
「え〜何の事だい??」
「だ・・・大好き・・・って・・・。」
「ふふふ知ってるよ。僕も君が大好きだよ。」
「だから、誤解を生む様な言い方はやめて下さい。皆さん、はっきり言います。LOVEじゃないです!!likeですから。愛じゃなく友情の方ですから!!」
「僕はLOVEでも全然良いんだよ。君の全てを受け止めてみせるよ!」
「結構です!」