表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】善人のおっさん、冒険者を引退して孤児院の先生になる 〜 エルフの嫁と獣人幼女たちと楽しく暮らしてます  作者: 茨木野


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

60/189

60.善人、休日をエルフ嫁とまったり過ごす

いつもお世話になってます!



 子供たちが衣替えをした翌日。


 朝。俺は自然に目を覚ます。


 普段は6時に起きられるよう、目覚まし時計でアラームをかけている。


 なのだが、この日は目覚まし時計をかけていなかった。無論サボりではない。


「ジロくん♡ おめざめかね?」


 目を覚ましてすぐに飛び込んできたのは、俺の真横いる、美しい金髪の少女だった。


 寝間着姿のコレットが、うつぶせになって、ぱたぱた……とバタ足をしている。


「コレット。おはよ……」


 くわっ、とあくびが出る。


「久しぶりにぐっすり寝た気がする。今何時だ?」


「今はなんと6時です」


 俺は目覚まし時計を見やる。短針は6時を示していた。


「休日なのにいつもと同じ時間に起きちゃったね」


「だな。ついくせで起きちゃうんだよな」


 うんうん、と俺とコレットが頷き合う。


「ん~~~~~」


 コレットはころん、と仰向けになると、ぐいーっと背伸びする。


「お休みだけどちょっとお仕事しちゃいましょうか」


「だな。早く起きて暇だもんな」


 俺とコレットは起き上がって、それぞれが動き出そうとした、そのときだった。


「だめですよっ!」「だめよ」


 と、隣から少女たちの声がした。


 隣で眠っていた猫耳少女のアムと、元受付嬢のマチルダ。


 ふたりが目を覚ましていた。


「ジロさん、今日はお休みの日なんですから、しっかり体を休めてくださいっ!」


「昨日アタシたち休んだんだから、今日はジロたちが休む番でしょ」


 マチルダは半身を起こして、俺にそう言う。アムも起き上がってぐいっと背伸びしながら言う。


「いやでも暇だし……なぁコレット」「ね、ジロくん」


 するとアムがはぁ……と深くため息をつく。


「またあんた風邪引いてぶっ倒れたいの?」


「うっ……」


 以前コレットと桜華が外出して3日間、家を空けたことがあった。そのとき俺は張り切りすぎて、風邪を引いて倒れたことがあった。


「その節はご迷惑をおかけしました」


 俺はアムに頭を下げる。


「べ、別にいいわよ。すんだことじゃない」


 ただ……とアムが心配そうに眉をひそめる。


「またあんたが辛い目に、あってほしくないの。倒れる前に休んで。……ね?」


 アムの言葉には真摯さがあった。本気で俺のみを案じてる様子だ。


「……わかった。ちゃんと体を休めるよ」


 俺が頷くと、アムは控えめに微笑んだ。


「そうですよっ! ジロさん。休んでくださいっ」


 ふんっ、とマチルダが気合いを入れる。


「こっちのことはお気になさらず! アムちゃんと桜華さんと頑張って回しますので! ね、アムちゃんっ」


「そうね、マチルダ」


 アムにマチルダががばっ、と後から抱きつく。


「だからコレット。あんたもちゃんと休んでよね」


「はーい、アム先生」


 コレットが子供用に手を上げて、くすりと笑う。


「アムもすっかり先生ね」


「……子供扱いしないでよ、もう」


 くすくす、とコレットとアムが笑い合う。

 一方でマチルダは、


「うう……ジロさんとふたりきりの休日。羨ましいよぅ……。ええい、落ちこんじゃだめだっ。来週はジロさんと過ごせるんだ。ふぁいとだわたしっ」


 むんっ、と自分を鼓舞していた。


「ほらマチルダ。子供たち起こしに行くわよ」


 アムがベッドから降りて、ぱさ……っとパジャマを脱ぐ。


「はーい」


 マチルダもパジャマのボタンをぷち……ぷち……と脱ぐ。


 ベッド近くにあるタンスからブラを取り出し、見つけて、シャツとズボンに着替える。


 エプロンに着替えると、「それじゃ、行ってくるわ」「行ってきます!」


 脱いだパジャマを持って、部屋を出て行く。


 あとには俺とコレットだけが残された。


「それじゃジロくん。どうする? 二度寝する?」


 ふたりきりになったあと、コレットがベッドの上で聞く。


「それとも……する?」


 コレットがパジャマの胸元をはだけて、俺にちらちらと期待のまなざしを向けてくる。


「朝っぱらからやる元気はないよ。それにいくら俺たちが休日でも、みんなが働いているんだ。自重するように」


「はーい先生」


 そう言って結局、俺たちは二度寝することにした。


 俺がベッドに横になると、コレットがすかさず、俺の体に抱きついてくる。


「……こうして休日をのんびり過ごせる日が来るなんて、ちょっと前までは考えられなかったなー」


 きゅーっ、とコレットが強く抱きついてくる。甘い髪のにおいが鼻腔をくすぐる。


「ほんと、ジロくんのおかげだよ。ジロくんがわたしたちの元へ来てくれたおかげだ。ありがたいことだ」


 うんうん、とコレットが頷く。


「どういたしまして、先生」


「あ、だめだめ。もう、ジロくん。昔と違って今先生は先生じゃなくて奥さんなんだよ。ちゃんとコレット愛してるって言わないとだめなんだぜ」


 んー、とコレットが唇を突き出してくる。ぷりっとした唇に軽くキスをした後、コレットは嬉しそうに、胸板に頬ずりしてくる。

 そうして俺たちは二度寝した。



    ☆



 起きたら9時頃だった。


 俺とコレットは腹を空かせて、1階食堂へと向かう。


 ホールの向こうでは、マチルダが子供たちとサッカーをしていた。


「あー! おにーちゃーん!」


 ぶうんぶうんっ、とキャニスが俺に気づいて、手を振ってくる。


「ねぼーとはかんしんしないね」「コンちゃん、きょうはにーさんお休みの日なのです」「おうそーだった。ちぃ、にぃとあそべぬぐぬぬぬう」


 子供たちも俺とコレットが今日休みであることを知っている。


「飯食ったら一緒にサッカーしようか」「ジロさん! 休みの日! 休んでください-!」


 とマチルダに叱られてしまった。


「ジロくん、仕事熱心なのはとってもいいことよ。けど今は休日。しっかり休むことも仕事のうちよ」


「……了解」


 俺はコレットともに食堂へ赴く。朝食の時間はすっかり過ぎてるため、中には誰もいない。


 調理場にも誰もいないので、飯を食う場合は各自で用意する。


 と言っても冷蔵庫の中に朝食が入っているので、それをレンジで温めて、コレットともに朝食を取る。


「はいジロくん。あーん♡」


 コレットがオムレツをお箸でつまんで、俺に食べさせようとする。


「いいって、自分で食えるから」


「おっとジロくん、今はさっきの先生モードじゃないんだぜ。今は奥さんモードなんだぜ。いちゃいちゃしたいんだぜ」


 そういうことか。


 俺はコレットからあーんしてもらって、オムレツを食う。


「さてジロくん。あーん♡」


 コレットがニコニコ笑いながら、口を控えめに開けて、ついっと俺に向けてくる。


 どうやらあーんしてもらいたいらしい。


「ジロくん、何を恥ずかしがることがあるの? 周り誰もいないんだぜっ。さぁっ、恥ずかしがらずにっ」


「わかったわかった」


 俺はオムレツをとって、コレットにハシをのばす。


「あ~♡」


 コレットが嬉しそうに目を閉じて口を開く。食べて、咀嚼し、飲み込む。


「んー♡ とってもおいしい♡ さすが桜華さん。プロレベル~」


 喜色満面のコレット。確かにオムレツは美味い。


 しばらくふたりで朝ご飯を食べあせ合ったあと、俺は食堂のテーブルをふき、コレットは空いた食器を洗う。


 ご飯を食ったあと、俺とコレットは裏庭に出る。


「オー! おにーちゃんおっせーぞです!」


「みーたちまちきれぬ。はやくさっかーこぞうになろう」


 ててて、っとキャニスとコンが俺たちに近寄ってくる。


「はわわ、だ、だからふたりとも、にーさんたちはお休みなのですっ」


 ラビが止めるが、


「いや、休みだからこそみんなと遊びに来たんだ」


「そうよー♡ さあみんな、一緒にボールをおっかけよう!」


 キャニスが蹴るボールを、コレットが後を追う。


 俺はマチルダの方を見やる。彼女はぷくっとほおを膨らませて、「おやすみなんですからっ」とちょっぴり怒ってた。


「別に働くわけじゃないって。子供たちと遊んでるだけだ」


「でもぉ……ジロさん……」


「俺がしたくてやってんだ。ついでに子供たちの面倒見てくるから、アムと一緒に掃除を手伝ってこい」


「…………」


 マチルダが申し訳なさそうな顔になる。うんっ、と意を決したように頷くと、俺に近づいてくる。


「働き者なジロさんも、大好きですっ!」


 ちゅっ、と俺にキスしたあと、ぺこっ、と頭を下げて、建物の中に入っていった。


「おにーちゃん! ぱーす!」


 キャニスが俺にボールを蹴ってくる。


 俺は受け取って、裏庭に設置されたゴールへと向かってドリブルする。


「にぃ、あまい。みーのかれいなすらいでぃんぐ」


 しゅっ、とコンが横から飛び込んできて、ボールをかすめ取ろうとする。


 が、ボールに足が引っかからず、「あうん」と膝小僧をすりむく。


 俺はコンのそばに近寄り、コレットから【複製コピー】した治癒魔法を使う。


 擦り傷はすぐになおった。


「いつもすまないねぇ」とコンがおばあさん口調で言う。


「それは言わない約束だろ」


 よしよし、とコンのあたまを撫でる。


「やすみのひなのにはたらくなんて。にぃははたらきもの。でもかろーでしんじゃやーよ?」


「気をつけるよ。忠告サンキュー」


 おれはコンとともにボールを追うのだった。



    ☆



 子供たちと午前中遊んだあと、俺とコレットは、竜の湯へと向かった。


 脱衣所で服を脱いだあと、俺とコレットはブラシで、竜の湯の床を掃除する。


「おや、兄ちゃんたちさね」


「あ~。おにーさんとおねーさんだ~」


 そう言ってブラシを持ってやってきたのは、桜華の娘の一花と弐鳥だった。


「兄ちゃんなにやってんさね。ウチらの仕事だろう?」


「そうだよ~。おにーさんたちお休みじゃん。働き過ぎは良くないよ~」


 マチルダ同様、彼女たちからも注意されてしまう。


「いや、別に働いてないって。ちょっと床をこすっただけだから」


「む~。その割にはぴっかぴかに掃除されてるよ~?」


 やれやれ、と一花たちが首を振るう。


「アタシらバイトは金もらってんのに、そのバイトから仕事を取り上げないでほしいさね」


「いや、ちゃんと時給は払うって」


「そこはわかってるさ。ただ仕事せずに時給をもらうのが、申し訳ないっていってるんさね」


 そう……。


 つい最近、俺は桜華たちの娘にも、孤児院の仕事を手伝ってもらうことにしたのだ。


 もともと桜華の娘たちは、鬼孤児院の幼児たちの世話を自ら買って出てくれていた。職員でもないのに、給料が発生するわけでもないのに。


 だから俺は、彼女たちをアルバイトとして、雇うことにした。


 俺たち職員は5人で回している。ただ1日には食事係2人+掃除係2人+子供について様子を見るひとが1人、合計で5人はいないと、職場が回らない。


 ただそうなると全員がフルで仕事しないといけなくなり、これでは休みが取れない。

 そこで桜華たちの娘にも、アルバイトとして、俺たちのシフトには言ってもらうことにしたのだ。


 正規職員は朝から夜まで通しで。アルバイトの鬼娘たちは朝から昼とか、昼から夕方など、時間単位で働いている。


 そうやってアルバイトもシフトに組むことで、正規職員に休日を作れるようになった次第だ。


 ちなみに彼女たちアルバイトの給料、そして正規職員たちの給料は、俺のクゥから支給されている社長としての月給から出されている。


 まあ月に1000万円もらうので、人を雇っても全然手元に金が残るのだが。


「竜の湯の掃除はいいから、一花たちは他のところの掃除を頼む」


 俺が言うと、一花たちはにやり、と笑った。


「そっかなるほどな」


「奥さんとふたりきりでお風呂はいるの、じゃましちゃだめだもんね~」


 うんうん、と鬼たちが得心顔で頷いている。


「んじゃ兄ちゃん。あと頼むわ」


「じゃあね~おねーさん~」


 そう言って、鬼たちが手を振って、俺たちの元を離れる。


 コレットと少し掃除して、温泉に浸かる。


「ふぅ……。良いお湯だね~」


 隣に座るコレット。


「昼間からお風呂は入れるの……うん、ぜーたくだなぁ」


「そうだなぁ」


「…………。えいえい」


 コレットが手で水てっぽを作り、ぴゅぴょっ、とお湯を飛ばしてくる。


「子供かよ」


「まさか。この立派なお胸が見えないのかね?」


 コレットが胸を張るとばるん、とその巨乳が躍動した。


「ただジロくんといちゃつきたかったんだ。だめ?」


「…………。えい」


 俺はコレットがしたように、水鉄砲でコレットを狙撃する。


「きゃっ♡ やったなー」


 その後お湯にのぼせるまで、俺たちは浸かったのだった。



    ☆



 風呂から上がったあとは、子供たちの様子を見つつ、子供たちと一階ホールでゲームをする。


「おにーちゃんっ、つえー! でも、ぼくはまけねーぞです!」


 テレビの前に座り、俺はキャニスと、レースゲームに興じる。


「にーさんがんばなのですー!」「さぁにぃときゃにすとのしょーぶだ。どっちがかつかにかけたかけた」


 ラビが俺の応援をし、コンは鬼姉妹とレイアに相手にばくちを打っていた。


「にーちゃんがかつかなー……ぁ」「アタシも姉貴と一緒」「れいあはキャニスね。ライバルだもの」「みー」


 ややってレース終盤になる。


 キャニスはアイテムを使い俺を追い越す。


「かった! ぼくのかちです!」


「あかんきゃにす。それはふらぐ」


 俺もアイテムを取る。連続でダッシュできるキノコだった。


「な、なに~!」


 キャニスが驚くのをよそ、俺は連続ダッシュを使用する。あっという間にキャニスを追い越して、俺がゴールした。


「あ゛-! まけたー!」


 でーん、とキャニスが後に倒れる。


「やっぱおにーちゃんはつえーです」


「おまえも十分強いよ。今回は俺が運が良かった」


 最後にレアなアイテムが出たからな。


 後ではコンが鬼姉妹たちに配当金(お菓子のガム)を配っていた。


「キャニス、次は先生と勝負しましょう?」


 するとキャニスは「おう! まけねーぞ!です」


 キャニスとコレットとの勝負になった。


「コレット。おまえゲームなんてできるのか?」


「バカにしないでジロくん。隠れてこっそり練習してたんだから」


「「「おー」」」


 子供たちがやんややんやと拍手する。


「これはきょうてきのよかんがしやがるです……」


「さあつぎのしあい。だれにかける? みーはまみーにばいぷっしゅだ」


 コンがまたガムでかけている。


「さあキャニス! 先生の勝利する様を見なさい」5分後。「負ーけーたー」「おねーちゃんクソよええです……」


 ホントびっくりするくらい、コレットは弱かった。


「うう……キャニス強いわね」


「おねーちゃんはもっとしょーじんしたほーがいいです」

 

 子供たちがコレットをよしよし、と慰めている。


 その後は子供たちとコレットを交えて、パーティゲームをしたり、漫画を読んだりとして、まったりと過ごした。


 そして夜になりみんなでご飯と風呂には行って、その日は終了。


 こんなふうに、休日は過ごしたのだった。」


 

お疲れ様です!幕間の2話目でした。


幕間はもう1話投稿します。次はアムちゃんと休日の様子を描く予定です。


ではまた!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ