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【完結】善人のおっさん、冒険者を引退して孤児院の先生になる 〜 エルフの嫁と獣人幼女たちと楽しく暮らしてます  作者: 茨木野


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50.海で過ごす子供たち

お世話になってます!




 クゥからもらった別荘に、やってきた俺たち。


 海で遊び、昼ご飯の時間になる。


 俺とコレットは昼食の準備があったので、いったん別荘に戻る。


 調理道具や食材は、孤児院で作って持ってきてあった。俺は魔法コンロ(ガスコンロと火属性魔法とを複製合成して作ったコンロ)と鍋を用意。


 水を鍋に張って【それ】をゆでる。


 夏と言えばこれという感じで、俺はひたすらに【それ】をゆでる。


 その間にコレットには野菜やハム、卵を短冊状に切ってもらう。


 途中で先輩もやってきて手伝うよと言ってきたので、先輩にもゆでる作業を手伝ってもらう。


 水をきって器に入れて、そこに氷をゴロゴロと入れて完成。


「せっかくだからビーチでお昼にしない?」


 水着の上に白のパーカーを羽織ったコレットが、俺に提案してくる。髪をアップにして、水着にパーカーという、現代的な衣装を着ているから、彼女が可愛い外国の留学生に見えなくもない。


 ただ彼女はハーフエルフだ。


 その証拠に尖った耳が覗く。


 しかしその耳は……いつもの、長さではない。人間より長く、そしてハーフエルフよりも、長い耳。


「…………」


 普段よりも伸びて、長い、完全なエルフ耳となったそれを、俺はじいっと見つめる。


「ジロー。どうした?」


「あ、いや……。なんでもない」


「……ふーん。あ、そう」


 先輩が俺の視線に気づいて、コレットを見やる。得心したようにうなずいて「そっか」とつぶやいた。


「? ジロくん? ピクシー?」


「あ、すまん。そうだな。天気も良いし、外で食うか」


 俺は別荘に備えてあったイスやテーブルをえっちらおっちらとビーチに運ぶ。


 その際職員だけじゃなく、先輩や桜華の娘たちも手伝ってくれた。


 ややあってビーチに丸いすとテーブル、そしてテーブルの上にはビーチパラソル。


 それがいつくも、白い浜辺に並んでいるところが、ほんと海の家みたいになっていた。


 テーブルの上にいろいろおいて、準備完了。


 さて子どもたちを呼ぶか。


 俺は砂浜で遊ぶ子どもたちを見やる。


「じゃあ……いくでやがるです」


「のぞむところよ!」


「みーがかつ」


 砂浜にて、キャニスとレイア、そしてコンが、寝そべっている。


「旗セット完了だよー……ぉ」


 ちょっと離れたところに、姉鬼のあやねが、小さな旗を立てる。俺が適当な布を【成形モデリング】して作ったやつだ。

 同じ物を、キャニスたちのそばに立つラビが持っている。


「み、みんな準備は良いのです?」


 旗を持つラビが、寝そべるキャニスたちに尋ねる。


「ぼくこそがさいそくだって、てめーらにおしえてやがるです……!」


「あんたらばかね。れいあとべるのよ? れいあのひとりがちにきまってるじゃない!」


「しょーなんのおんなはうみとともだち。まけるきがしないね」


 キャニスたちはうつぶせに寝た状態で、じりじり、と戦意を高める。


「いちについてー」


 ラビが旗を大きく振り上げる。


「よーい、どんっ!」


 旗が振り下ろされた瞬間、キャニスたちが立ちあがる。


 まず飛び出したのはキャニスだ。


「いぬのあしをなめるんじゃねーぞー! ですっ!」


 健脚っぷりを発揮。ばびゅんっ、と砂浜を駆けていく。


「ばかねあんたら! れいあのつばさをなめるんじゃあないわよ!」


 バサッ! と翼を広げて、レイアが空を舞い、びゅんっ! と飛ぶ。


 レイアのスピードはすさまじい。だが空を飛ぶ竜に匹敵するほど、キャニスの足は速かった。


 そのどちらかが旗を取るだろうと、俺はふたりに注目していた。キャニスとレイア、どちらかが勝つと。


 ……しかし。


「いえー。みーのかちー」


 旗を取ったのは、キャニスでも、レイアでもなかった。


 銀髪のきつね娘、コンだった。


「っかー! 負けたですー!」


 ずさーっ、とキャニスが砂浜をスライディング。レイアがその隣に着地する。


「こん、あんたとんでもなくはやいわね」


「すげーなこんっ! またたくまにいなくなってやがったです!」


「すごいのですコンちゃん! まるでしゅんかんいどーなのです!」


 わー! と獣人たちが、コンを褒める。


「あいしーるどとぅえんてぃわん、って呼んでもいいよ」


 ふふん、とコンが自慢げに胸を張る。


「しゅんかんいどー……ぉ、ねー……ぇ」


 旗をセットしてその場にたっていたあやねの目が、すっ……っと細められる。


「たしかにいっしゅんだったー……ぁね」


 あやねがコンを見てつぶやく。


当の本人は、ラビたちに囲まれている。


「しょーりしゃいんたびゅーなのですっ! コンちゃん、いまのおきもちは?」


「まんしんせずこれからもがんばっていきます」


「ねー……ぇ、にーちゃん」


 くい、とあやねが俺の水着を引っ張る。


「どうした?」


「んー……ぅ、前から思ってたんだけどー……ぉ、コンちゃんっておいらたちとー……ぉ、ちょっとちがう?」


 首をかしげる姉鬼。妹鬼はさっきから姉と手をつないでいるが、話しについて行けてないみたいだ。


「そうだな。コンはちょっと特別なんだ」


「んー……ぇ、なるほどー……ぉ。だからかー……ぁ」


 うんうん、とあやねがうなずく。


「何かあったか?」


「いやー……ぁ、うん」


 どっちなのだろうか、と聞こうとしたそのときだった。


 ぐぅ~~~~~~~~~~。


 と子どもたち、具体的に言えばキャニスとレイアから、おおきな腹の音がなった。


「おにーちゃん! はらへったです! なにかくわせろやです!」


「あ、わるい。昼食の準備できたから、おまえらを呼びに来たんだ」


 すると獣人たちの耳がぴーん! とたつ。


「「「めしー!」」」


 と言って、子どもたちが駆けていく。あやねも妹の手をつないで、「ごはーん」と走って行く。途中で妹が「ぶべっ!」と足をもつれさせて転んだ。


 姉が抱き起こして、よしよしして、砂を払ってやり、パラソルの元へと走って行く。


 さっきのあやね、何を言いたかったのだろうか? と思いつつ、俺はみんなのもとへと向かうのだった。



    ☆



 昼食の時間になった。


 丸形のテーブルの前に、子どもたち、鬼娘たちが座っている。


「おー……? またみたことねーもんがあるです?」


「うつわがとーめーで、きれーなのです……♡」


 おー♡ とキャニスとラビが、つぶらな目をまん丸にしている。


「姉貴、なんだこれ。スパゲッティかな?」


「そうだねー……ぇ。でもいろがついてるねー……ぇ。ちがうんじゃないかなー……ぁ?」


 うーん、と鬼姉妹が首を捻っている。


 一方でコンは、器に入ったそれを見て、俺を見上げる。


「にぃ、いぼのいと?」


「うん、いぼのいと」


「なつといえば、やっぱこれだね」


 うんうん、とコンがうなずいている。


「! コンはかせっ! またおめーだけしってるぱたーんでやがるです!?」


「おしえなさいよっ、このちゅるちゅるなんなのっ?」


「せいせい。まちたまえ。これはゆーよりたべたほーがいい」


 むぬぅー……と子どもたちがうなる。


「よしじゃあ食うか」


 まずは子どもたちに食べさせることにする。


 俺はコンの隣に座り、コンのガラスの器を手に取る。


 つゆのボトルを手にとって、器にいれる。水で希釈して、完成。


「たっぷり。たっぷりよそってぷりーず」


「はいはい」


 大きめの器から麺を取って、つゆにつける。


 子どもたち全員がコンと、そして俺の挙動に注目している。


「にぃ、みんなみてる。そんななかであーんとかはずかしくて、できないよう」


 ひゃー、とコンがいつもの平坦な調子で言う。あまり恥ずかしがってない。この子は照れると顔をしっぽで隠すのだ。


 俺は麺をつゆにつけて、


「ほら、コン。あーん」


「まるでこいびと。わるくないきぶん。あーん」


 コンの小さな口が開く。ハシを持っていって食べさせると、ちゅるん、と飲み込む。

 もむもむ、とほっぺたをハムスターのように動かして嚥下。


「どうだ?」


「なつかしきあじ。とてもよし」


 ぐっ、とサムズアップするコン。


「にぃ、ちゅるちゅる。もっとちゅるちゅるしたい」


「はいよっと」


 俺はまた器の中から麺を取りだして、コンにあーんしてやる。


 コンは麺をちゅるんとのみこむと、ももも、と口を動かし、ごっくんする。


「ちゅるちゅる、もあ、ちゅるちゅる」


 すると……。


「おにーちゃんっ! おにーちゃんっ!」


 キャニスがテーブルに手をついて、ぴょんこぴょんこと飛び跳ねる。


「ぼくにもっ! ぼくにもちゅるちゅるたべさせろやです!」


 相手が未知の食べ物であっても、そこはキャニス。好奇心は誰にも負けてない。


「コン、あとは自分で食えるか?」


「もちろんよ。ここはみーにまかせてさきにいけ」


 コンにお箸を持たせて、俺は今度は、キャニスの隣へ移動。


 キャニスとラビに挟まれるなか、俺は麺を取る。


「おにーちゃん! これは何て食いもんでやがるですっ?」


 俺は器を持って、めんつゆを水で希釈しながら答える。


「これは、ソーメンだ」


「「「そー?」」」「めーん」


 コンがしゅ、しゅっ、と両手を前に構えて、剣を振り下ろすジェスチャーをする。


「「「?」」」「しもーた。ぼけがすべってしまった。はんせい」


 コンが自分の顔を、しっぽで隠す。そうそう、あれが本気で恥ずかしがってるときの所作だ。


「まあ現地の人間にはわからんギャグだったな。俺には伝わったからすべってないぞ」


「にぃ……。やさしい……。これはほれてまうやろ。ぽっ」


 まったくの平坦な口調で、コンがもむもむとソーメンを食べる。


「おにーちゃん! はよくわせろやです!」


「すまん、待たせたな。ほら」


 まだお箸の使い方がなってないキャニスには、フォークでスパゲッティの感じで巻いて、食べさせる。


 キャニスが口の中に麺を入れて、ちゅるん、と飲み込む。


「~~~~~~~~♡」


 キャニスが頬を抑えて、目を閉じる。しっぽがビーンッ! と立った。その後ふにゃふにゃとしっぽが折れ曲がり、ゆれる。


「きゃ、キャニスちゃんっ、どうなのですっ?」


「ちゅるんってー……ぇなったー……ぁ?」


 キャニスは麺を飲み込むと、こくこくとうなずいた。


「ちゅるっ! ちゅるんっ!」


「「!」」


 キャニスがキラキラとした目をラビたちに向ける。ウサギ娘たちが、羨ましそうにキャニスを見やる。


「ふふふ、きゃにす。きみもはまってしまったか。ちゅるちゅるのすばらしさに」


 ちゅるちゅる、とコンが麺をひとりで啜りながら言う。


「に、にーさんらびもっ! らびもちゅるちゅるしたいのです!」


「おいらもだよー……ぉ。ちゅるるるんしたいよー……ぉ」


 わあわあ、と子どもたちが待ち切れなさそうに早く食わせてくれとせがむ。


「コレット」「んっ、だいたいわかったわジロくん」


 現地人の職員たちは、俺の動作を見て、子どもたちへの食わせ方を理解したようだ。

 コレットはラビに、桜華はあやねに、それぞれ麺を食べさせる。


 ラビがチュルンとし終わると、「ちゅるんなのです!」


 あやねが麺を食べると、「つるるんだねー……ぇ」


 ふたりとも楽しそうに麺を啜る。


 アムはレイアに、マチルダはアカネに、それぞれソーメンを食べさせる。


「おにくとかとちがって、あんまりがつがつじゅわってならないわっ。でもおいしいっ。もっとちゅるってしたい」


「姉貴姉貴っ! ちゅるってした! ほんとにちゅるってした!」


「そうだねー……ぇ。おいしいねー……ぇ」


「うんっ!」


 どうやら異世界の子どもたちでも、ソーメンは好評のようだ。


「しょくん。めんだけたべてちゃだめだよ」


 ひとりすすっていたコンが、子どもたちを見回す。


「なんでです? とってもうめーじゃん。これずっとちゅるちゅるしててーです」


「のんのん。これあまりえーよーない。はむとか、やさいといっしょにくうべし」


 コンがしっぽで、ぴっと皿を指す。皿の上には短冊状に切ったハムやらキュウリやらがのっている。


「みーはきゅうりとたべるね」


 皿からきゅうりをとり、ソーメンと一緒に食べる。


「ちゅるちゅるといっしょにぽきぽきがはいってる。じつにうまし」


 コンの食べる姿を見て、「おにーちゃんっ! ぼくも!」とキャニスがせがんでくる。


 俺はキュウリと卵焼きを一緒にとって、ソーメンと一緒にキャニスに食べさせる。


「~~~~♡」


 キャニスのしっぽが♡マークになり、頬を抑えて体を捻る。器用だな。まあ神経通ってるし。


「どう? うまかろう?」


「…………」ぶんぶん!


 キャニスが口をいっぱいにしたまま、大きくうなずく。耳がパタパタとせわしなく動き、しっぽがくねくねとうごく。


 ラビも他の子たちも同様だ。ラビは垂れた耳がぴーんとたったままだ。レイアは翼を広げてばっさばっさと羽ばたく。


 砂埃が舞って妹鬼アカネが目をくしくしかき、あやねが目元をぬぐってやっている。


「にぃ、てーへんだてーへんだ」


 コンが両手を挙げて俺を呼ぶ。


「どうした?」


「そーめんをたべるのがとまらない。のんすとっぷ。いくらでもちゅるんできる」


 コンは新しい麺を次々とよそい、ちゅるちゅる食っている。他の子たちもたくさん食べていた。もとより食欲旺盛だからな、ウチの子らは。


「たくさん食えよ。おかわりはまだたくさんあるからな」


「なんと。そんなこといったらふとっちゃう。たいけいがくずれるやーん」


「子どものうちからダイエットなんて気にすんな。腹一杯食えば良い」


 するとコンが……珍しくにっこりと笑った。ちゅるちゅる、と麺をする。


「にぃ、そろそろみーにもたべさせて。あーんされたいきぶん」


「あ、コンてめー! おはしつかえるんだから、ひとりでくえやです! おにーちゃんはぼくのせわでいそがしーんです!」


 キャニスが俺の腕にしがみついてくる。


「そろそろじりつするべき。みーはまだじりつできない。にぃ、かもーん」


「おにーちゃんっ! いったらめちゃくちゃおこるかんな! おこりやがるかんな!」


 キャニスに食わせつつ、コンにも食わしてやる。そうやって子どもたちにソーメンを食べさせてやるのだった。



    ☆



 飯の後はデザート。スイカ割り大会になった。


 ルールは簡単。目隠ししてくるくる回る。周りの声を頼りに、ちょっと離れた場所にあるスイカの元まで移動。


 割れた人の勝ち。


「いよーしっ! ぼくからやるです!」


 こういうとき物怖じしないキャニス。真っ先に手を上げる。


「じゃあくるくるかかりは、みーがやるね」


 俺がキャニスに目隠しをしていると、コンが回す係を買って出る。


「しゃっ! こい! コンっ!」


「ひぎ、じごくぐるま」


 くるくるくる、とコンがキャニスを回す。ほどなくして正面に止めて、コンが肩から手を離す。


「キャニスちゃんっ! 前ッ! 前なのですっ!」


 ラビの言葉を頼りに、キャニスが前へ歩こうとする。


「キャニスちゃー……ん。みぎにまがってるよー……ぉ」


「うわあぶっね! おいキャニス! 姉貴に棒当てたらしょーちしねーかんな!」


「わかってらです。もうちょっとヒントよこせやです!」


 わあわあ、と子どもたちがキャニスにヒントを出す。ややあってスイカの前にたどり着くが、


「ていっ!」


 手に持っていた新聞紙を丸めたものは、スイカを外してしまう。


「あー! 負けた-!」


 キャニスが目隠しを取って、口惜しそうに地団駄を踏む。


「キャニスちゃんおしかったのです!」


「あとすうせんちよこだったー……ぁね」


 元々の身体能力の高さがあるからだろうか、キャニスは結構おしかった。


「つぎはらびがやるのです!」


「ではみーがまたくるくるがかりやってしんぜよう」


 ラビに目隠しをしてやり、コンがウサギ娘をくるくる回す。


「はわ、はわわわ……!」


 回し終えた後、ラビはその場にこてんと倒れる。俺がラビを救出し、よしよしと抱っこする。


「にーさぁー……ん。ごめんなのです……」


「きにすんな」「ごめんね、らび。みー、はんせい。やりすぎた」


 しゅん、とコンがしっぽを垂らしてあやまる。ラビはめまいが治ったのか、「ううん、ぜんぜん。こんちゃんのまわしかたはわるくなかったのです! らびがふらふらしちゃっただけなのです」


 とフォロー。ふたりはにこーっと笑う。


 その後はレイア、あやね、アカネと挑戦するが、誰もスイカには届かなかった。


「ふ……しゅじんこーは、さいごにおくれてくるものか」


 そしてコンの番になる。


「コン……おめーか。おめがーきめるやがるのです……?」


「わるいなきゃにす。みーがきめる。みーとこのせーけんぢゅらんだるで」


 ちゃきーん、とコンが手に持っていた新聞紙の剣を持ちあげる。デュランダルといいたいらしいのだが、噛んでいた。


「かんじゃった……はずい……」


 かぁ、とコンがしっぽを抱いて顔を隠す。


「きをとりなおす。だれか、めをかくして」


 俺がコンに鉢巻きを巻いてやる。


 くるくると回してやる。正面に来たときに、肩を離してやる。


「にぃ、みてて。みーのゆーし。みーがいちばん、かっこいいってこと、しょーめーするから」


「おう、期待しておく」


 コンはうなずくと、歩き出す。ふらふらふら……っと歩いて、「あぅ」ぽて、っとつまづいた。


「にー、へるぷ。なにものかによる、ぼーがいをうけた。きっとまほうだ。そがいまほー」


 ぱたぱた、と手足を動かして、助けを求めてくる。


 コンを抱っこして目隠しをとり、よしよしとあやす。


「にぃ、みーはもうだめ……。さいごにみんなのかおが……みたかった……がく」


「こ、コンちゃーん!!」


 ラビが悲痛な叫びを上げる。他のメンツは「じゃー、にしゅうめいくです?」「そだー……ぁね」とあんまり気にしてない様子。


「あれ、いきてる。みーいきてる。ほわい?」


 ぱちっ、とコンが俺の腕の中で目を覚ます。


「コンちゃんっ! よかった! めをさましたのです!」


「らび……しんぱいしてくれたのかい?」


「あたりまえなのです! コンちゃんはおともだちなのです! とってもしんぱいしたのですー!」


「らび……♡ すき……♡」「らびもこんちゃんがすきなのですー♡」


 その間にも子どもたちが、スイカを割ろうとする。結局レイアが「ていや!」とスイカを当てた。


 そのとき同時に、ドラゴンとしてのスキルが発動して、スイカが真っ二つになる。真空の刃をスキルで発動させたみたいだ。


 スイカ割りはレイアが優勝と言うことになり、ちょっと大きめのスイカをゲット。


 残りはみんなで等分して食べる。


「しゃくしゃくでうまうま。しおがほしーね」


「しお? コン、しおなんてくだものにかけるのかおめー。おかしなやつです」


「ふふ……やってみ?」


「! めっちゃあめー!」


 そうやって午後はおやつを食った後、また海で泳いで過ごす。


 やがて夕方になって、俺たちは別荘へと引っ込んだのだった。


お疲れ様です!そんな感じで子供たちが海で遊ぶ回でした。


次回は夜みんなでワイワイバーベキューして、夜中にコレットと海へ…みたいな感じになるかなと。


以上です。次回もよろしくお願いします!


また、いま新連載やってます。下のリンクから飛びますので、よろしければ是非!


ではまた!

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