表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】善人のおっさん、冒険者を引退して孤児院の先生になる 〜 エルフの嫁と獣人幼女たちと楽しく暮らしてます  作者: 茨木野


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/189

41.善人、子どもたちと引っ越し作業する

いつもお世話になってます!




 引っ越し作業中の俺とマチルダ。


 彼女が一花たち鬼族と邂逅を果たし、ショックで気を失ってから、10分後。


 俺は彼女をおんぶして、新校舎の1階、大人部屋へとやってきていた。


 新校舎1階の西側は、まるまる俺やコレット、アム、そして先輩の部屋となっている。


 入ってすぐにリビングスペース、奥の部屋には大きなベッドルーム。そしてさらに奥には、彼女たちの個室と、トイレが1つ。


 このトイレが男子トイレだ。


 女性用トイレは1階と2階にあるんだが、男子トイレはここ。


 なにせこの孤児院、俺以外の全員が女の子だからな。男のトイレなんて、ここにひとつで十分だ。


 ベッドルームにマチルダを寝かしつけて、新校舎1階のホールへと戻ってくる。


 そこには鬼娘の一花と弐鳥にとりが、心配そうに眉を八にしてたっていた。


「兄ちゃん、あの嬢ちゃんは?」


 一花が俺に尋ねる。嬢ちゃんとは、マチルダのことを言うのだろう。


 (人間の)年齢で言えば、18であるマチルダの方が年上なのだが……。


「ちょっとショックが強すぎて気を失ってるだけだ。命に別状はないよ」


「そうかい……」「よかったぁ……」


 ほっと安堵の吐息を漏らす一花と弐鳥。


「嬢ちゃんには悪いことをしたよ。起きたら謝る」


 一花が申し訳なさそうに言うが、俺は「止めておけ」ととめる。


「なんでさね?」


「……まあ、うん。とにかくやめとけ。俺が説明しておくから」


 マチルダが気を失った原因は、鬼族という、人食いの化け物に出会ったからに他ならない。


 ここでいちかがまたマチルダの前に現れたら、また混乱を招くだろう。


 人食いの化け物が現れた! と。


 マチルダに会わせない理由を一花に伝えたら、納得はするだろうが、同時に深く心を傷つけてしまう。


 だから俺は言葉を濁したのだ。


 すると一花は、くつくつと笑うと、「やさしいね、兄ちゃんは。大好き♡」


 ちゅっ、と俺の頬にキスをすると、2階幼児部屋へと、戻っていったのだった。


「さて……引っ越しどうするかな」


 いちおう旧校舎から荷物は全部運び終えた。


 新校舎の各部屋に、段ボールは運ばれている。


 あとは段ボールから荷物を出して、整理するだけだ。


「これをひとりでやるのは骨が折れそうだ……」


 マチルダは現在ばたんきゅーしているわけだしな。


 と、そのときだった。


「あちー!」「あちゃちゃちゃ、ほわっちゃー」「はう……おうちのなかはすずしいのですぅ……」


 1階ホールの南側、大きなガラス戸から、子どもたちが部屋の中へと入ってきた。


 さっきまで彼女たちは、裏庭で鬼ごっこしていたのである。


「おー、おにーちゃん。そんなとこつったっててさぼりでやがるです?」


 とててて、っとキャニスが俺に近づいて、ぴょんっと抱きついてくる。


 よじよじと胴体を登ってきて、首筋を甘噛みして頬ずりしてくる。


「違うよ。引っ越し作業が一段落したから、休んでたんだよ」


 キャニスの頭を撫でてやっていると、


「ではみーたちとお部屋であそぶべき。かばでーしようぞ」


 にゅっ、とコンがまたいつの間にか肩に乗って、俺のうなじに鼻をつけてすんすんする。


「カバディは外でやるスポーツだろうが」


「あれをすぽーつといっていいのやら。きょーぎするひつようがあるね」


 怒られるぞ、カバディやってるひとに。


「あの、あのにーさん……」


 ちょこちょこと歩いてきて、ラビが俺のズボンを控えめに引っ張ってくる。


「マチルダお姉ちゃんは、どこにるのです?」


「おー、そーいやまちるだがいねーです」


「みっしんぐまちるだ。うぇあうぇあー」


 ラビに言われて、キャニスとコンが気づいたようだ。きょろきょろと辺りを見回す。


「キャニスたいちょー、まちるだがおりませぬ」


「なぁに~。さがすぞ、コンっ!」「しょーち」


 と言って俺からふたりが降りようとしたので、よいしょっと抱っこする。


「マチルダは部屋で休んでる。ちょっと疲れたみたいでな。お昼寝してるよ」


「なんだーおひるねかー」とキャニス。


「ひんけつでばたんきゅしたのかとおもった。よかった」とコンが安堵する。


 ふたりとも出会ったばかりなのに、マチルダを気に入っているみたいだ。


 前にキャニスは、マチルダが人間なのにひどいことしてこないから好き、と言っていた。


 当然だがキャニスは、孤児院に来る前の生活があった。そのときに酷い扱いを受けたのだろう。


 この国には依然として、獣人差別の風潮がある。ケモノが混じっていると差別するやつは、未だにいる。


 マチルダはそう言う意味で、現地人であっても、獣人を差別しなかった希有なケースだ。


 彼女の心根が優しいこともあるだろうが、何か別の理由でもあるんだろうか。獣人を見ても差別しなかった理由が。


 ……まあそれはさておきだ。


「みんな手を洗ってきな。午後のおやつの時間だぞ」


 すると獣人たちの耳やしっぽが、ぴーんとたつ。鬼族姉妹は目をきらきらさせて、


「「「アイスじゃー!」」」


 と叫ぶと、食堂へとぱたぱたぱたと走って行く。


 アイスのさすがの人気っぷり。


 まあ最近暑いし、何より美味いからな、アイス。


「さて……俺はもう一仕事だ」


 おやつの配布はコレットたちに任せて、俺は残りの、引っ越し作業へと移るのだった。



    ☆



 旧校舎から荷物を移してきた。


 古くなった衣類や冬物衣類は、すべて地下1階の倉庫へ山積されている。


 その他の小物だったり、捨てに捨てられないものは、全部地下の倉庫へと入っている。


 まあなので旧校舎から運んできたものの大半は、ここへと運ばれた次第だ。


 残り半分は、1階、そして2階への部屋へと向かっている。


 食堂へ行くと、子どもたちがテーブルについて「うめー!」「うみゃぁ♡」「うまいのですー!」とアイスをガツガツと食べている。


 彼女たちが手に持っているスプーンは、旧校舎で使っていた愛用のスプーンだ。


 調理場へ行くと、段ボールが端っこに積まれている。中には食器やスプーンと言った雑貨が入っていた。


 コレットが箱から出したのだろう。


 彼女がここの整理はやっておくから、他をお願いと言ってきたので、俺はその場を後にする。


「じー…………」


 俺が出て行こうとすると、アイスのスプーンをくわえたコンが、俺を凝視していた。


「どうした?」


「にぃたいへんそー。おたすけまんのでばんかね?」


 はっ……! と子どもたちがアイスから俺へ意識を移す。


「気にすんな。こっちのことはこっちでやるから。おまえらはアイス食ったらゲームしてな」


「「「ぬぅー……」」」


 ゲームができるというのに、全員が珍しく、微妙な顔になっていた。


「……でばんかな?」「……でばんやね」「……でばんなのですっ」 


 よしよし、とうなずく子どもたち。なんなんだ?


 よくわからないが、俺はその場を後にして、1階へと向かう。


 ホールのおく、ソファの置いてあるスペースに、段ボールがいくつか積まれている。

 中身は漫画本だ。


 いちおう旧校舎にいたとき、俺が作った物だ。


 どこまで本を複製できるかのテストとして出した物だ。


 結果、1度読んだことのある漫画なら、複製できることがわかった。


 ただ問題なのは、全部俺たちの文字、つまり地球の文字で書かれていること。

 

 当然ここ異世界では、異世界の言語というものが存在する。なので作っても無駄なのか……と思ったがそうじゃなかった。


 最近、ラビが文字を覚えてきた。それで日本の文字も読めるようになったのである。


 夜に絵本を読んでやるのだが、それが功を奏したらしい。ラビはルビが振ってある漫画ならば、読めるようになっていた。


 なので他の子どもたちは、ラビと一緒に座って、漫画を読んでいるのである。


 段ボールから漫画を取り出して、ホールの壁に設置してある本棚の中に入れる。


 背が低い。俺の腰のあたりまでくらいの高さの本棚である。


「しかし出し過ぎたな……」


 漫画本の入ってる段ボールの山を見て、俺がつぶやく。


 どの程度昔の漫画まで出せるかためしたらこうなった。まさかこち亀が全巻出せるとは思ってなかった。ゴルゴ13も。


「こりゃ大変だ……」


 全部の漫画を棚に入れるのは、難しそうだ。


 そう思っていた、そのときだ。


「おたすけまーん!」


 本棚の前にしゃがみ込む、俺の頭に、キャニスが乗っかる。


「おたすけうーまーん」


 コンが俺の肩に。


「にーさんをおたすけするですっ!」


 ラビが逆側の肩に。


「おいらたちもー……ぉおすけたまー……ん」


「姉貴、お助けまんだって」


 俺の背後に立つ鬼姉妹。


「なにこれ? たべれるのかしら? あぐあぐ」


 レイアはマイペースに、漫画本をしゃぶろうとしていたので、とりあげた。


「どうしたおまえら? アイスは?」


「そのじだいはおわった」とコン。


 どうやらおやつを食い終わったみたいだ。

「ゲーム機はそっちの棚に入ってるぞ?」


 俺は最初、この子たちはテレビゲームをしに来たのかと思った。


 本棚の上に、大きめの液晶テレビ(雷魔法で複製合成してるため動く)がおいてあり、その下の棚に、テレビゲーム機とカセットが入っている。


 それを取りに来たのだと思っていたのだが……。


「ちっげーです!」「われら、おたすけまん」


 キャニスとコンが俺から降りると、かっこいいポーズを取る。


「に、にーさんっ。まんがをしまうの、らびたちも、手伝うのです!」


 おーー! と子どもたちが両手を挙げる。


「いや、良いって。気持ちはありがたいけど」


「うっせー! ありがてーならてつだわせろやですー!」


「にぃ、とてもたいへんそー。みーたちおてつだいしたい。だめ?」


「「「だめー?」」」


 ……子どもたちが俺を気遣って、手伝いを申し出てくれている。


 ありがたい。それに、俺は嬉しかった。


 子どもたちが、誰かのために行動するという、優しさを持っていることに。


 コレットの教えが、この子たちの中に、流れていることに。


 情けは人ためならず。誰かが困っていたら助けてあげよう。そうすれば誰かが優しくしてくれるよと。


「…………。よし。じゃあみんな、頼むな」


 俺の言葉に、子どもたちが「「「よっしゃあまかせろー!」」」と元気よく応じる。


 こうして、俺は子どもたちと協力して、引っ越し作業を進めることにしたのだった。


    ☆



 1階ホール、本棚の前にて。


 キャニスたちは漫画を段ボールから取り出す。


「ラビ、これはどこにいれればいいです?」


「それはこっちの棚です。かんすうじゅんにならべたいので、そのままいれてなのです」


「おー! まかせろー!」


「へいらび。わんぴはどこの棚?」


「一番端っこの棚なのです」「てんきゅー」


 ラビが指揮を執って、他の子どもたちに指示を出している。


 彼女は頭が良く、記憶力も良いので、どこの棚に何の漫画が入っているかを把握しているのだ。


 子どもたちは段ボールから本を出し、ラビに入れる場所を聞いて、しまっていく。


 6人と俺とが強力して、本棚を埋めていく。


 ラビがしっかりしているので、非常に楽だ。俺の仕事はというと。


「ぐす、えーすなんでしんでしまうん?」


「こら、コン。サボるな」


 後からひょいっと、コンの持っている漫画本を取り上げる。


「しょうじきえーすはしぬべきじゃあないといういけんがある。けどるひーがつよくなるためにひつようだった。ひつよーなぎせいだったとおもう」


「俺もまったく同意見だが、今は作業中だ。読むのは後でな」


「りょーかい」


 ぴょんっと段ボールに飛びついて、中から漫画本を取り出す作業へ戻る。


「ぐ……」


「レイア……」


 疲れ果てたレイアをもちあげて、俺は近くのソファに寝かせる。


「ぐー……」「アカネちゃん、おねむかなー……ぁ? おーい、にーちゃー……ぁん」


「はいよっと」


 なにせ外で十分遊んだ後なのだ。

 

 みんな眠いのだろう。現にレイアと妹鬼アカネは眠っていた。


 ソファに寝かせ、作業に戻る。


「ふぁぁああ…………ねみーですぅ……」


 キャニスが目を、しっぽでぐしぐししながら、とてとてと漫画本を運ぶ。


「みーのねむけがりんかいてんにとーたつ。ふりすくを、ふりすくをくれい」


 コンも眠いのか、きつねシッポがふにゃりとしなびていた。


「みんな。ありがとう。それくらいでいいぞ。2階いって夕飯まで昼寝してこい」


 後の作業はまた後日だ。


 でも手伝ってもらったおかげで、だいぶ段ボールの量が減った。残りの段ボールを部屋の隅に置いて、俺はレイアとアカネを持ちあげる。


 そして全員で子ども部屋12(【じゅうに】、じゃなくて【いちに】と読む。)へ向かう。


 キャニスたちはそれぞれのベッドに横になると、ぐーすか寝だした。


「ありがとな、みんな……」


 俺はキャニスたちに薄手のタオルケットをかけてやると、子どもたちの部屋に積んである段ボールへと着手する。


「あ、あのあの、にーさんっ」


 そのときだった。ラビが俺のそばにたっていたのだ。


「ラビ? どうした。昼寝は?」


「らびは、あんまりおそとで走ってないのです。つかれてないのです。だから、にーさんをてつだうのですっ!」


 ふすっ、とラビが鼻息荒くいう。


「おいらもー……ぉ、やるぜやるぜー……ぇ」


 あやねがとことこと近づいてきていう。


「うさぎおにこんびだー……ぁね」


「ちからをあわせて、にーさんのやくにたつのですっ!」


 ラビとあやねが、仲良く手を握り合って、おーっと振り上げる。


「いいのか? 助かるよ」


 俺はラビと姉鬼あやねとともに、子供服を段ボールから出して、クローゼットにしまう。


「ごめんな、昼寝の時間削って手伝ってもらって」


 ラビに服を出してもらい、俺はあやねと一緒に棚へしまう。


「だいじょうぶなのですっ! それに、らびはうれしいのです」


 にこにこーっと笑ってラビがいう。


「いつもにーさんにおせわしてもらってばっかりだったのです。だから、にーさんのおてつだいができて、うれしーのですっ!」


「おー……ぉ、おいらもラビちゃんとおなじいけんだー……ぁ」


 んへっ♡ とあやねが笑う。


「ラビちゃんとはー……ぁ、きがあうねー……ぇい」


 ニコニコ笑いながら、ふたりが衣服を運んでいく。


 3人で協力したので、だいぶ早く作業は終わった。


 子ども部屋に運んだ衣服は、全部片付けた。


「ありがとな、ふたりとも。まさかこんなに早く終わるとは思ってなかったわ。あんがとな」


 俺はしゃがみ込んで、ラビとあやねの頭をよしよし撫でる。


 ラビはぺちょんと耳を垂らして気持ち良さそうに、あやねは「んへぇ……♡」と目を細めて、俺にされるがままになっている。


「飯までもうちょっとあるな。キャニスたち起こすまで、俺は他の部屋の作業やってるから。ふたりはコレットに呼ばれたらみんなを起こしてやってくれ」


 そう言って、俺は部屋を出て行いく。



「おたすけまん、せーこーだー……ぁね」


「はいなのですっ。せーこーなのですー!」


 嬉しそうに、ラビとあやねがハイタッチをかわしていた。


 仲のいいふたりを見てると、こっちまで癒やされてくるから不思議だ。


「あ、あの……ジロさんっ」


 廊下に出ると、1階からマチルダが上がってくるところだった。


「おお、マチルダ。もう平気か?」


 西側階段から上ってくるマチルダに、俺は近づいて問う。


「はい。おかげさまで」


「そっか。無理すんな。もうちょっと寝てろ」


「い、いえ大丈夫ですっ。引っ越し作業、続きやりましょう」


「あ、ああ……。そうだな」


 俺はその後、マチルダと協力して、2階の段ボールの中身を全て収納。


 その頃にはすっかり日が落ちていた。


「みんなー♡ ごはんよー♡」


 コレットが1階ホールから、2階へ向かって声を張り上げる。


「「「めしー!」」」


 ばーん! と2階東ブロック・子ども部屋から、幼児たちが出てくる。


 だだだーっ! と1階へ降りて、食堂へと吸い込まれていった。


「んじゃ、俺たちも飯に行くか」


「そうですね」


 俺とマチルダは階段を降りていく。


「あの……ジロさん」


 とん、とん……と後を歩くマチルダが、俺に声をかけた来た。


「どうした?」


「…………」


 なかなか返事が来なかった。1階までたどり着いて、不思議に思って振り返る。


「…………」


 マチルダの顔は、真っ赤だった。


 目が充血している。潤んでいる。


「どうした? 熱でもあるのか?」


「いえっ。その……そうじゃ、なくってですね……」


 きゅっ、とマチルダが下唇を噛む。


「あの……ジロさん。あとで、ちょっとふたりきりで話したいことが、あるんです。けど……いい、ですか?」


「え、ああ。別にいいぞ。飯の後、さら洗ってからでいいか?」


 はい、とマチルダが了承する。


 すると……。


「おー、嬢ちゃんじゃあないか」


 とんとんとん、っと2階から一花たち鬼娘が降りてくる。


「一花……」


 そっちを見て、安堵する。


 良かった。ちゃんとコレットの作った水薬ポーションを飲んでいるみたいだった。


 額に生えたツノが、消えていた。


「嬢ちゃん、さっきは大丈夫だったかい?」


「おねーさん、きゅーに倒れちゃうんだもん。びっくりしちゃったよ~」


 一花と弐鳥が、気遣わしげに、マチルダにいう。


 さっきのあれは、見間違えだった……ということですまそうとしているみたいだった。


 それが最善だろう。


 と思っていたのだが……。


「あの、一花、さんに弐鳥さん」


 マチルダはまっすぐに一花たちを見て、こう言う。


「お二人は……その、鬼、なんですよね?」



お疲れさまです!次回で7章終了となります。


次回はマチルダさんの告白回です。果たしてうまく思いを遂げられるでしょうか。頑張れマチルダさん!


ではまた!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ